第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
九十七巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。
地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
ほとんど総てが八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」でのものです。
●魚の生食に関しては寄生虫などの危険をともないます。食べるときには自己責任にて
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信州サーモン 2007年2月14日 481
 魚貝類を取り扱うヘンリーブロスという商社の代表、江嶋力さんから「信州サーモンって知ってますか」と聞かれたのが昨年のこと。そのときはなにげに聞き流していたのが、それを取り扱っているのが八王子の業者だと知って押っ取り刀で1本買ってきてみたのだ。「へええ、これ淡水の魚だろ」、いきなり持ち込んだので、たかさん驚いてしまったようだ。なにしろ相手はデカイ。体長60センチはありそうで「2キロくらいあるね」という見事さなのだ。「ブラウントラウトとニジマスの掛け合わせでさ」。説明している間に、2かん、3かんと出来上がる。「さすがにサケの部類もこれだけ大きいと骨も取りやすいしいいね」、そして1、2かん口に放り込んで「これはうまいよ」とたかさんうれしそうだ。つづくこっちもすぐに顔がにやけてくる。まったく淡水魚のクセも臭いもない。脂も上質で、身にサケならではの風味と旨味がある。「値段、アトラン(タイセイヨウサケ)と同じか、もっと上だね。とすると市場で比較されたとき、プロが買うかどうかだね。これは長野で特産品として食べた方がいいだろ」たかさん、なかなかプロらしい意見を言ってくれる。ボクはこのうまさにただ単に感激至極だけどな。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
マルタ 2007年2月17日 482
 その昔、岩手県田野畑で魚料理で有名な本家屋旅館の夕食で出たのがマルタの味噌たたきである。マルタは年に一度か二度、市場に入荷してくる。型がいいのと、珍しいので、とりあえず仕入れてきたといった雰囲気であり、翌日からはまず入荷は見込めない。どうにもうまいものではない、というクレームを受けてしまうようだ。これを『市場寿司 たか』に持ち込むのに、まず小骨を避けて身を切りだし、そのまま生で食べてみる。これはそれほどうまいものではない。みそタタキにする。千葉での“なめろう”である。これを、たかさんに中巻きにしてもらう。「そんなにうまいもんじゃないけど、珍しいからときどきならお客も喜びそうだ」と言う。マルタは旅に出て食うべきか?
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狐鯛/キツネダイ 2007年2月20日 483
 やっぱりきれいな魚だ! 大分県から来たキツネダイを見てしみじみ思うのだ。しかもこのキツネダイの旬は今なのである。当然一本持ち帰り、三枚に卸して霜皮造りにする。この刺身がすこぶるつきにうまい。それを『市場寿司 たか』に持ち込むのだ。そして3、4かん、そして5かん。「ついつい食べてしまうね」とはたかさん。最初の3かんは皮つき。あとの2かんは皮を引いたもの。「やっぱり皮はない方がいいな。ちょっと硬い」、「そうかな、オレは皮があったほうが味わいがあるように感じるけど」、「これくらい身自体に味があるなら、皮はじゃまだよ」。たかさんは皮不要宣言。このあたりが難しい。確かに身にじわりと旨味がある、旨味からも脂からも甘味が感じられる。白身として絶品なのだ。それに皮があって、少々硬くても、より味わいを深めていると思うのだが、たかさんにはすし飯との馴染みを妨げていると考えてしまうのだ。でも、この悩み、贅沢な次元のものだな。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」
黒目抜け/クロメヌケ 2007年2月22日 484
 北海道紋別、オホーツク海でとれたクロメヌケを前にして「なんだか薄汚れた魚だね」、ぽつんと呟きながら、あっという間に握りが2かん。遙か紋別から来たために鮮度はベストではない。でも寿司にするには、充分に新しいのだ。ただどうにも見栄えの悪い魚である。しかも顔つきに味があるとか、笑えるとかなら救いがあるが、どこにも特徴のない風貌と来ている。味がいいのに、これで一段も二段も低い評価しかない。身だって鮮度が良くても白濁して、血合いも濃いのだ。「まあ、見てくれは悪いけど、味はそこそこいける。将来化けるでしょう」ボクがフローすると「何言ってんだろうね。今の世の中、これじゃ一生うだつの上がらねーよ」。たかさんの言うが如く、じっくり味わえば旨味があるのだ。そこに微かに脂からくる甘味。すし飯との相性もいいのであるから、優れた魚だ。見た目は二の次よ。これは人間様も同様ある。
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●八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」 ●北海道紋別市「まるとみ 渡辺水産」から
アザハタ 2007年2月25日 485
 水中ではいざ知らず、陸に上げたアザハタの色合いは凄まじい。その赤色は鮮やかすぎて目を刺すようである。このような鮮やかな色彩はユカタハタ属ならではの特徴である。この赤色が鮮やかであれば鮮やかであるほど新しい証拠なのであるが、沼津の仲買・青木修一さんはこの色鮮やかな魚をなんども自腹を切って食べている。だからこそ誰も知らない、手を出さない派手すぎる魚をボクに送ってくれたのだ。発泡をあけると見事なくらい赤が目映い。当然、送られてきた日は刺身にして美しいものの旨味がなくもの足りなかった。「一日寝かせよう」という、たかさんの提案で翌日、握りにする。これが絶品であったのだ。「オレはね。こんな白身が欲しいんだよ。寿司を握っていると白身っていろいろあるけど、すし飯と一緒に噛みしめてジワリと旨味が浮いてくるヤツ」、「浮いてくるね旨味? そうだね。これは旨味だね。それに昨日よりも少し身が柔らかくなって、その分、甘味がある」。「顔はおブスちゃんだけど、お前は偉いね」。たかさんモニターで顔をアップにして、真面目くさってほめている。ボクはそんなことはどうでもいいので、せっせとうまい握りを食い尽くしたのである。
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