SL35cm前後になる。頭が小さく細長い。口はややくちばし状になり、下顎が前に出る。尻鰭、背鰭が非常に後方にある。背鰭・尻鰭後方に離鰭がある。
サンマの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)





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珍魚度・珍しさ
★
いつでも手に入る魚貝の物知り度
★
知らなきゃ恥食べ物としての重要度
★★★★★
非常に重要味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スメグマモルフォ系ボラ亜系ダツ目トビウオ亜目サンマ科サンマ属外国名
学名
Cololabis saira (Brevoort, 1856)漢字・学名由来
漢字 秋刀魚、秋光魚、三馬(馬がつくことから築地などで符丁的に「午(うま)」の字を使う)、鰶 Sanma
由来 東京をはじめ関東、東北での呼び名。「狭真魚(さまな)」の音から。「狭真魚」は体の幅が狭いという意味。田中茂穂は「秋刀魚」としている。
秋刀魚 〈漢名知らず〉『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831)、〈秋刀魚〉『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)
『物類称呼』(越谷吾山著 安永4/1775 解説/杉本つとむ 八坂書房 1976)
さんま 〈漢名知れず。秋冬の交(あいだ)、房総海(あわかずさ)多……京都煮てはさよりと称ふ〉。『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831)
三馬 夏目漱石独特の表記かも。
佐伊羅魚 「さいら」、「のうらぎ」とあり、〈佐伊羅魚の状は馬鮫に似ていて狭く長く、背は鱵に似ている。大きなもので八、九寸。鱗は細かく顎は短い〉とあり、サンマであるとは思えない。ただ〈伊賀・大和の民は好んでこれを食べるが、魚中の下級品である〉は明らかにサンマのことだ。寺島良安は17世紀大阪生まれ。『和漢三才図会』(寺島良安 正徳3年/1713 東洋文庫 平凡社)
さんま 〈秋冬の交、房総(あわかづさ)海多し、淡塩(うすしお)してひさく〉。『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831)
さいら 〈「……南紀地方では年末が旬……」とある。……(南紀でもとれるようになると)同時に名前もサンマから変わってさいら。……南紀の魚を賞味する大阪でも、当然、サンマではなくさいらと読んだ。……もっとも、このごろでは三陸沖でとれようが九十九里沖でとれようが、すぐ大阪まで届くから、名前もだんだんさいらからサンマに移行し、さいらは死語になった。〉『大阪弁のある風景』(三田純一 東方出版 1987) 関東の呼び名である「さんま」が大阪でも使われるようになった経緯がよくわかる。地方名・市場名
生息域
海水魚。外洋表層性。
オホーツク海、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の大平洋沿岸、瀬戸内海、屋久島。
朝鮮半島東岸、ピーター大帝湾、北米西岸バハカリフォルニアまでの北太平洋。生態
■日本には日本海系群と太平洋北西部系群のふたつの系統の群が存在する。一般に流通するサンマのほとんど総てが太平洋側を回遊しているもの。
■産卵期は秋から春。流れ藻(ホンダワラ類)に産卵する。日本海では夏。また少ないながら年間を通してどこかで常に産卵しているのがサンマの特徴でもある。
■太平洋生まれの系群には3-7月の春生まれと、10-2月の秋〜冬にうまれるのがある。春生まれの方が大型になる。
■稚魚は暖流とともに北上する。
■サンマに胃はなく、腸が短い。プランクトン食で主に小型の甲殻類、オキアミなどを餌にする。
■寿命は2年〜2.5年。基本情報
サンマ科(広い意味でのサンマの仲間)は世界中に4種。もっと狭めてサンマ属は太平洋に2種だ。サンマ科で食用となるのは太平洋にいるサンマと大西洋にいる1種類。ただしサンマほど大量にとれ、食用として重要な種はいない。
サンマは北太平洋に広く分布。非常に大きな群れを作り、回遊している。産卵期が長く、多くの系群がある。日本海にもいてときに定置網などでまとまって揚がるが、比較的脂が少ない個体が多い。一般的にサンマというと太平洋北海道道東に出現して南下するものをさす。太平洋側の方があるかに水揚げ量は多く、主な産地は北海道、三陸から千葉県銚子までだ。ちなみに銚子以南に南下したサンマは伊豆半島〜和歌山県では名物の1本干しになる。
2020年くらいから年々漁獲量が急激に減少している。2021年現在、1万トン前後の水揚げしかない。1990年代から台湾、中国の公海上での漁獲が始まったのも原因と考えている模様だが、それ以上に環境の変化、特に温暖化の影響である可能性の方が高いと考えている。
江戸時代江戸では秋に房州(千葉県)のサンマをよしとし相模湾まで下るとまずくなるとされていた。古くは塩蔵か干ものとして食卓をにぎわせていた。江戸時代江戸の町で食べていたものも、また山間部などに送られていたものも干もの、もしくは塩蔵品だ。また江戸の町にとって本来の産地は千葉県、もしくは伊豆半島だったと思われる。北海道、本州、九州などでとれるサンマは時季や場所によって利用法などが変わるのもサンマの特徴である。
一年を通してスーパーなどで見かけない日はない。鮮魚、解凍もの、加工品、とサンマの一般家庭に占める役割は大きい。これが2020年くらいを境に激減している。
年中出回るサンマであっても、7月の新ものは最近では初夏の風物詩ともいえそうだった。これも昔のように大大的に報道されなくなっている。またより深刻なのは熊野灘のサンマの丸干しなど伝統的な食材への影響である。
8月も後半になると1尾100円代で脂ののった個体が買えたが、最近では10月くらいに脂が乗り始め、大振りのものは小売店では扱えないものとなっている。160gを超えるとデパートなどで1尾1000円以上は当たり前である。
珍魚度 非常に一般的な食用魚で、不良になったとはいえ、スーパーなどで簡単に手に入る。水産基本情報
市場での評価豊漁期には7月の北海道道東、刺し網漁からサンマの水揚げが始まり、8月の棒受け網漁で本格化する。これが不漁期の今、良自体が月下旬に始まっている。サンマ漁獲量のほとんどが棒受け網でとったものだ。
初夏から秋にかけての太平洋側のもの。冬から春にかけての日本海側のものがある。
量的には圧倒的に太平洋側に多く、一般に見かけるほとんどすべてが太平洋側のもの。
太平洋 2019年は初夏の解禁日の高値が有名だったが、不漁によって値段はピークがなく質が悪く高い状態が続いた。
日本海 2020年2月、富山湾などから入荷している。あまり値はつかないものの思った以上に質がいい。注目を浴びる可能性あり。
漁法 棒受け網、刺し網、定置網
産地(漁獲量の多い順) 北海道、宮城県、福島県、岩手県選び方
鮮度は全体の色合いで選ぶ。銀色の腹の部分が輝いているもの。鰓が鮮紅色のもの。脂ののりは頭の後ろが盛り上がっているもの。触ってぬめっとしているもの。味わい
旬/夏から秋
鱗は小さくて薄く取りやすい。棒受け網などのものはほとんど鱗のないものが多い。皮は透明で薄いが強い。骨は軟らかい。小骨がない。
赤みを帯びた白身で脂が層を作り、また身に混在する。熱を通しても硬く締まらない。
栄養
DHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)が豊富。
血栓のできるのを防ぎ、脳などに必要な栄養素でアルツハイマー予防などに効果がある。
ビタミンD(骨を丈夫にし、成長期の子供に欠かせない)も多い。危険性など
サンマヒジキムシ/食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
サンマの料理・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き、干もの)、生食(刺身、なめろう、酢じめ、づけ)、汁(みそ汁、つみれ汁)、炊き込みご飯、煮物(佃煮、きがき)、ソテー(蒲焼き)、揚げる(天ぷら、フライ、唐揚げ)サンマの塩焼き 写真は2018年10月初頭の12(180g前後)三陸産。2020年2月に揚がった日本海もの(富山県産)は予想外に味がよかった。一般家庭では長いまま焼けないので、肛門のところに包丁を入れて斜めに背の方に2等分する。皮の下からは液化した脂を含んだ身が出てくる。このしたたるようなのをたっぷり口に含んだときの味は名状しがたい。他の魚類を圧倒する味である。ワタには鱗を噛んでいるが、これも味わってほしい。鱗は後から出せばいいのだ。クリックで閉じます
サンマの開き干し 7月の脂のないものや、日本海産のものは開くか、丸のままで干し上げるといい。太平洋側のものは走りのものでも結構脂がのっている。この身の締まった、干すことでうま味の増したものが、ご飯にとても合う。クリックで閉じますさんまの刺身 三枚に下ろして腹骨、血合い骨を抜く。皮を引き、刺身状に切る。最近ではサンマ料理の定番になっているが、実は比較的新しい料理法である。サンマのいいところは脂がのっていようがいまいがそれなりにおいしいところだ。クリックで閉じますサンマの刺身
サンマの焼き切り(焼霜造り) 脂がのりすぎていないサンマを水洗いして三枚に下ろす、腹骨・血合い骨を取り、皮目を炙る。冷水に落とすか、急速冷凍庫で皮を落ち着かしてから切る。皮目の風味のよさはちょっとビックリするほどだと思う。クリックで閉じますさんまのなます 脂ののった旬のものは確かにうまいが、反面くどい。三枚に下ろして細かく切り、白髪ネギと和えて、酢みそで食べる。「なます」は脂の強いものにも、脂の少ないものもおいしく食べられる。クリックで閉じますサンマのなます
なめろう・みそたたき 水洗いして、三枚に下ろして腹骨を取り、血合い骨をそのままに細かく切る。ねぎ、みょうが、みそなどと合わせて、たたいたもの。走りの脂の少ないもので作ってもとてもおいしい。クリックで閉じますサンマのなめろう
さんまのつみれ汁 サンマの身をたたいて少量の水溶き片栗粉、やまいも、塩を加え、練ってだんご状にして昆布だしに落とす。ここに酒、塩で味つけした。とても単純な料理なのに実に味わい深い。クリックで閉じますサンマのつみれ汁
サンマの酢だき(酢煮) 8月の脂ののったサンマをあっさりと仕上げる。いくらでも食べられて、食べ飽きない。ここでは米酢にかぼす(柑橘類)を使った。水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落としてぬめりを流す。水分をきり、酢と水半々で一度煮こぼす。一度煮汁を捨てて、酒としょうゆ、少量の砂糖で煮る。煮上がりにかぼすをたっぷり振る。クリックで閉じます
さんまフライ サンマを水洗いして開いてフライにしたもの。旬の脂ののったものだけではなく、日本海のものでも、解凍したものでもいい。マアジよりも味が強く、マアジに劣らずうまい。近年、食堂などでもしばしば出くわす。クリックで閉じますサンマのフライ
サンマの天ぷら 沖縄県、長崎県などのように砂糖や塩で味つけした衣で揚げた。しょうゆは無用、冷めてもおいしいのが特徴。沖縄では盛んに天ぷらなどに使われているが、そのわけがわかる。クリックで閉じますサンマの天ぷら
好んで食べる地域・名物料理
さより飯 「山の講(旧の2月6日と10月6日)の日には、山仕事や大工仕事など山にまつわる仕事を休み、前日には宵山のお祭りをする、さより飯(さんま入り味飯)を炊き、わらのつとっこに入れて、お神酒や野菜と一緒にお供えする。「日本五大名飯」とされるが、よくわからない。このような名数に惑わされることは避けたい。『聞き書 岐阜の食事』
さより飯 「しおけめし」のひとつ。岐阜県旧益田郡萩原町ではガデふやし(米を節約するために雑穀や野菜を一緒に炊き込む)ではなくごちそうとして作る、まぜご飯もしくへ炊き込みご飯のひとつ。〈サンマ身をほぐして炊き込む〉。この地区のサンマは塩蔵品であったようだ。要するに塩サンマの炊き込みご飯だ。『萩原文庫4 萩原の四季と味』(はぎわら文庫編集委員会 岐阜県益田郡萩原町 1981)
岐阜県旧益田郡・高山市 サンマはとてもよく食べていた。基本的に「塩さんま」であったが、ここ十数年(2000年以降か?)、生を食べるようになったとのこと。[フレッシュフードまるけん/岐阜県下呂市萩原町]
きがき もともとは塩ガツオ(塩蔵のカツオ)から出た汁を「きがき」と呼んでいた。これで大根などを煮たもの自体も「きがき」と呼ぶようになった。後にサンマと大根を煮ても「きがき」と呼ぶようになったもの。[宮城県気仙沼市]クリックで閉じますサンマのきがき
かど飯・さんま飯 尾を目に刺して丸くし、藁でやいたサンマを醤油味(愛知ではたまりしょうゆ)のご飯に炊き込んだもの。作ってみると塩サンマなどで簡単に作れ味がいい。愛知県での「さんま飯」の言語は聞き書きとして十分な配慮が欠けていた可能性がある。[三重県伊勢地方(鈴鹿)、愛知県尾張水郷地帯]クリックで閉じますさんま飯
さいろのじふ 魚は尾鷲の漁港で季節季節に水揚げされたもので作られる。地も野菜などもすき焼きと同じ。比較的使われる頻度の高い魚は、マサバ、ゴマサバ、サンマ、マンボウ、ブダイ、マダイ、ブリ、サワラなど。写真の材料はマサバ、白菜などの野菜、汁は酒・砂糖・醤油・水。焼き豆腐、糸こんにゃくなどがあるとより美味。協力/岩田昭人さん(三重県尾鷲市)クリックで閉じます関連コラム(郷土料理)
サンマの天ぷらは沖縄県民日常の味
15年前、午前3時の那覇市農連市場でおばあの朝ご飯を見せてもらった。沖縄らしい味つけした魚の天ぷらがタッパーに入っていて、何人かで分けて食べていた。うるま市の農・・・ 続きを開く三重県西部・東紀州の郷土料理、魚のじふ
じふ」は三重県西部・東紀州の、紀伊長島や尾鷲で作られている家庭料理である。 地元の漁港で水揚げされる様々な魚で作られているが、言うなれば魚のすき焼き、大阪など・・・ 続きを開く日本各地にある、づけ・茶漬け・づけ飯とは
生の魚を刺身で食べて余ったものを、醤油などにつけて保存性を高めるものを「づけ(漬け)」と呼ぶ。日本各地で普通に行われているもので、あまった刺身などの保存のためで・・・ 続きを開く加工品・名産品
サンマの煮干し、節 あまり多くないが煮干しはラーメンスープなどに使われている。
塩さんま 今では比較的塩分濃度の低い製品が作られているが、古くは非常に塩分濃度の強いものが作られていたようだ。その歴史は古いが産地はまだわからない。これが岐阜県や長野県、奈良県の山岳部に送られていた。
煮もの レトルトなどで出回っている。醤油味、みそ味などがある。単に煮たものから、あぶって煮たものなど多彩。
酢漬け 甘酢漬けや野菜と漬け込んだもの。サラダなどとうたったものなど種類が多く、小売店などでは普通。さんまの丸干し 11月〜3月くらいまでとれる脂の抜けたサンマを干し上げたもの。干し加減が強く保存性も高い。本来の「丸干し」はこの脂の抜けたもので作り、海辺から山間部へと運ばれた。伊賀市では70代以上の人(2018年現在なので戦前戦後に生まれた方)は硬く干したサンマの丸干しを食べたことがあるという。1923年生まれの方は(名張市美旗町出身)は半分に切り、焼いて、とんとんとたたいて柔らかくして食べたという。長野県木曽町開田では昔(1950年代くらいまでか)は、このサンマの硬く干したものを食べていたという。適度な塩辛さと、凝縮されたサンマのうま味でご飯にも酒の肴にも合う。お茶漬けがうまい。千葉県、静岡県、三重県、和歌山県で作られている。クリックで閉じますサンマの丸干し
さんまのみりん干し 日本各地で作られている。「みりん」とあるが、基本形はしょうゆと砂糖、甘味料などで味つけして干したもの。しょうゆ色に濃く染まったものを「桜干し」[土佐の廣丸 高知県高知市、牧屋 神奈川県小田原市、紀勢海産 三重県北牟婁郡紀北町など]クリックで閉じますサンマの味醂干し
塩さんま サンマを丸のまま塩漬けにしたもの。生に近い味。関東などでは開き干しが多く、めったに手に入らない。とても味わい深い。主に北海道で作られている。[丸弘水産 北海道厚岸町]クリックで閉じます塩さんま
ぬか漬けさんま 頭を落としたサンマを糠に漬けたもの。佐渡はサンマ漁発祥の地であり、サンマを食べる文化には深いものがある。比較的硬く締まっているのは脂の少ない日本海産を使っているためか。[須田嘉助商店 新潟県佐渡市]クリックで閉じますぬかさんま 生のサンマを丸ごと塩と糠に漬け込んだもの。熟成は浅く、糠の香りがする塩サンマといったところ。主に北海道で作られている。近年なかなか手に入らないのが残念である。[岡田水産 北海道赤平市、カネマ浜屋商店 北海道根室市など]クリックで閉じますぬかさんま
さんまのみそ漬 生のサンマを加減味噌に漬け込んだもの。塩加減がよく、みその風味がいい。万人向きの味だと思う。写真はサンマ不漁期のものなので痩せているが味はとてもいい。[丸加水産 北海道札幌市]クリックで閉じます꽁치 コンチ サンマ グリョンポ(浦項) 浦項の名物といえばサンマを干したガァメギ(クァメギ)。秋刀魚を冷たい冬の夜に凍らせて、昼は溶かしながら発酵乾燥させて作り、匂いがちょっときつい食べ物ですが、不飽和脂肪酸が高く、血管拡張作用もいいので、成人病予防、女性の美肌効果にも優れた効果があと人気の食べ物。韓国国内でもガァメギといえば浦項市でその中でも港のすぐ隣にあるグリョンポ市場にはたくさんのお店や食堂が並んでいます。クリックで閉じますコンチ サンマ グリョンポ
さんまのかばやき缶詰 サンマを焼いて甘辛い地につけ込んだものの缶詰。千葉県銚子市で初めて作られて以来のロングセラー。「チョウシタ印」のものが有名。[田原缶詰 千葉県銚子市ほか]クリックで閉じますさんまのかばやき缶詰
さんまのうの花漬 酢で締めて、甘酸っぱいうの花(おから)で棒ずし状にしたもの。さっぱりして魚臭さがなく食べやすい。[岩柳政次郎商店 千葉県山武郡九十九里町片貝6928-28、三浦屋水産 千葉県山武郡九十九里町片貝、入二商店 千葉県山武郡九十九里町]クリックで閉じますさんまのうの花漬
さんまのごま漬け サンマを塩と酢でしめてごまをまぶして漬け込んだもの。カタクチイワシで作る「いわしのごま漬け」が有名だが、サンマでも作られている。[三浦屋水産 千葉県山武郡九十九里町]クリックで閉じますさんまのごま漬け
関連コラム(加工品)
根室で久しぶりに出会った糠さんま
ことにもって久しぶりに焼き上がった糠と魚が入り交じった香りをかいでウットリする。 焼き上がったら徹底的にばらして食べやすい状態にしてご飯の友にする。 ほどよい・・・ 続きを開く釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
サンマ/歳時記・歴史・ことわざサンマとえびす講 群馬県では11月のえびす講にサンマや鯛を供え物に用いられた。『着る・食べる・住む-群馬の民俗3』(根岸謙之助ほか編集 みやま文庫)
歳時記では/秋 サンマは戦前戦後くらいまでは秋にとれるものであった。特に10月になって千葉県銚子で豊漁が続くことが多かった。
長野県長野市えびす講のサンマ 長野県長野市七二会では11月20日のえびす講にサンマを食べる。『聞書き 長野の食事』(農文協)
鰶 〈「さんま騒がせ」と言って、十月下旬、房州で秋刀魚が漁れ始めると大漁が続き、その全部が「一塩もの」となって東京に集まる。「お祭り騒ぎのような忙しさ」が東京市場でも幾日か続いて、そのうち幾晩か徹夜続きにもなる程であるが……〉。『干もの塩もの』(石黒正吉 毎日新聞社 1975)
諺(ことわざ) に「秋刀魚が出ると按摩(あんま)が引っ込む」。サンマを食べると栄養豊富で健康になり、按摩が必要なくなるの意味。同義の諺に「秋刀魚は按摩泣かせ」。
落語「目黒のさんま」 三代将軍徳川家光(1605〜1651)が鷹狩りの折に目黒の茶店に立ち寄り、食事を所望した。この茶店の彦四郎さんは気さくに夕食用のサンマを焼いて差し出した。これにいたく感激した家光が茶店から見える限りの土地を進ぜようと言ったが、辞退した。「さんまは目黒に限る」と言ったというのは後の作り事。
えびすこうさんま 江戸では旧暦10月20日、えびす講に供えて「えびすさんま」、「えびすこうさんま」といった。
わらべ歌 三重県鈴鹿市の正月の様子を表現した「わらべ歌」があり、「正月さんはええもんや、赤っかいべべ着てちゃらはいて、雪より白いまま食べて、こっぱのようなかど(サンマ)そえて、下駄の歯のようなもち食べて」。「かど」は一般的には「とと(魚)」。
「秋刀魚の歌 詩人、作家の佐藤春夫(和歌山県新宮市生まれ 1892〜1965)に「秋刀魚の歌」がある。
サンマ/漁・時季など●サンマ漁は江戸時代に紀州に始まる。
■サンマは養殖されていない。百パーセント天然もの。サンマにて「天然もの」の文字があるのは不自然。
■サンマの漁獲量は戦後、夜間に灯火(明かり)で集めたサンマを棒受け網でとるようになってから増えた。全国的になりはじめたのも、それほど古くはない。
■今では一般的なサンマも昭和30年代には食べ方などが普及していなかった。
■2017年くらいまでは、道東沖で7月中旬、限定的に小型船だけでのサンマ漁は始まる。この時期のサンマは値段も超がつくほど高く、200グラムほどのものが1匹で1200円なんてこともある、しかもこれが卸しの段階なのであるから、一般の魚屋やスーパーに出回るわけがない。
■2017年くらいまでは、8月半ばになり全面的に漁が解禁されると値段がストンと下落。1匹が100円くらいから80円くらいまで下がる。(註大型船解禁時の値段は年によって大きく違ってくる。1匹が40円前後まで下がるかと思えば、2002年のように200〜300円が秋口まで高値安定するなどという事もある)。
■2017年くらいまでは、サンマがいちばんうまいのはやはり値段も下落した初秋、北海道東沖から三陸、女川港などで水揚げされる頃が脂ののりもピークになる。
初競りkg50万円 2018年7月11日、北海道札幌「札幌市中央卸売市場」での初競り最高値はkg50万円だった。最高値のみ報道するマスコミというのは程度が低いと思う。日本人の愚かさを露呈している。2023年8月21日、札幌の初競りは2㎏23万円。
参考文献・協力
協力/鳥羽市水産研究所(斎藤洋一さん)
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会) 、『魚の分類の図鑑』上野輝彌・坂本一男 東海大学出版局)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『全国水産加工品総覧』(福田裕、山澤正勝、岡崎恵美子監修 光琳)、『干もの塩もの』(石黒正吉 毎日新聞社)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『日本語源大辞典』(小学館)、『歳時記語源辞典』(橋本文三郎 文芸社)、『ことわざ辞典』(時田昌端著 岩波書店)、『おさかな栄養学』(鈴木たね子、大野智子共著 成山堂書店)、『聞き書 三重の食事』(農文協)、『ごっつぉうさんー伝えたい宮城の郷土食』(みやぎの食を伝える会編著 河北新報出版センター)地方名・市場名 ?