サンマの天ぷらは沖縄県民日常の味

サンマはこの国だけの味なのか?

北海道産サンマ

15年前、午前3時の那覇市農連市場でおばあの朝ご飯を見せてもらった。沖縄らしい味つけした魚の天ぷらがタッパーに入っていて、何人かで分けて食べていた。うるま市の農連市場でも同じものを食べていたが、こちらは自家製ではなく市内の天ぷら店の天ぷらだった。
魚の天ぷらならグルクン(タカサゴ)やグルクマー、キハダあたりかなと思ったら、意外すぎるものだったのでビックリした。サンマの天ぷらだったのだ。
沖縄本島中のスーパーを片っ端に見て歩くと、確かに解凍サンマが普通に置いてある。総菜売り場にもサンマの天ぷらがあった。いかにも旅のもんですが、といった感じでサンマのことを聞いたら、島の魚よりも人気があり、天ぷらも作るという。
サンマの不漁に「サンマが食べられなくなる」とこの国の人間は突然降って湧いたかのように宣い、テレビでも報道する。これには強い違和感を感じないではいられない。本来サンマを食べない地域にも売り込み、本来サンマ漁をやっていなかった臺灣にサンマ漁を導入させたのも、この国の仕業ではないのかな?
漁業と自由主義経済は切り放して、厳格化しないとダメだと思うな。自由経済は明らかに破綻していて、ある意味、弁証法のように大きな視点で考えるときが来ていると思う。
ちなみに我がサイトは多様な生物を多様な料理法で食べることが、自然には優しいということからはじまっている。そろそろ生きること、食べることは自然と直結することだと、思って欲しいものである。
いろんな自然保護のイベントや活動をやって目立っている人達は無数にいるけど、この日常的なことをから自然を考えようと思っている人が少なすぎる。イベント的な自然保護活動は否定しないけど、日常的に自然保護を考える方が地球を救う効果は数十倍ある。

味がついているので冷めてもうまい


さて、だんだん脂がのった個体が増えているサンマで、沖縄風の味つけしただぼだぼした天ぷらを久しぶりに作ってみた。
あくまでも自分流でサンマを三枚に下ろし、腹骨を取り、小骨をできるだけ取り、塩コショウ(テーブルコショウがベスト)する。
小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で揚げる。
衣は市販の沖縄天ぷら粉に少しだけ砂糖・醤油を加えて溶いただけだ。いつもは卵を入れるけど切らしていたのでナシにする。
沖縄県内の市場や天ぷら店のサンマの天ぷらとあまり変わらない味になる。
冷めてもおいしいのも家庭料理としては優れている。
さくっとしていないもたもたした味がご飯のおかずにいい。
那覇の農連市場で見たものはもっと色が濃かったけど、一切れ食べてみたかった。


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