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2002年4月14日
桧原村への旅その2 山道をおりると小さな沢がある。ここには沢ならではの植物、動物がいる。 |
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山道ではたくさんの植物に出会えたが、昆虫や爬虫類はほとんど目にしなかった。 着いてすぐ朝食のお握りを山道を登りながら食べるという、せっかちで世話しない山登り。デコボコした林道を1時間ほど登り、1時間ほどで下ってくる。「マムシグサだろうか?」「ニガイチゴだろうか?」と目をキョロキョロ、その間も子供達が草むらに入らないか(マムシがいて危険)、道の端に寄り過ぎないか(そこは断がい)、これだけでもかなり疲れてくる。それでも、ゆっくり休むとか、お茶を飲むなんて今まで一度もしたことがない。時間が惜しくて惜しくてたまらない。どうやら我が家は今時のキャンプというのはできそうにない。 山を降りてくると小さな沢がある。柔らかな萌葱色の中にム〜と植物の息吹き、匂い。さあ、これからは水辺の散策。流れにそって石をたどり登って行く。遠くの滝の音にウグイスの声が繁く聞こえる。流れの上には林立するイタドリ、これを塩をつけてかじると疲れが和らぐ。たぶんその、ビクっとするほどの酸っぱさが体を覚醒させてくれるらしい。ただし食べ過ぎると便秘になるようなので注意。 この沢はよほどのことがないと濁らない。今、澄んだ水のなかに見えるのはカゲロウの幼虫だけ、ただ見ていてもつまらないので手頃な石を持ち上げていきます(必ず元の状態に戻しながら)。僕だけどんどん上手に登っていく。手頃な水中の石を持ち上げてもカゲロウやトビゲラの幼虫ばかりで単調。下流では家族がサワガニ探しをしているようだ。 子供たちは来ると必ずサワガニを探し、持ち帰るわけでもないのになかなか逃がしてやらない。これはサワガニには迷惑至極。冬にはおいしく、ときに食べるだけ掘り出して、持って帰って揚げて食べるのだが、今は味がない。僕は飽きもせず手頃な石を持ち上げては水が澄むまで待って周辺を観察する。 流れの急な場所にきて突然目の前を過ったのが黒褐色の大きなクモ、我が家の図鑑にはのっていない。このクモ、驚くことに水にもぐる。石の上を横切り、流れに入って石の隙間に潜り込もうとするのを捕まえて撮影した。逃がしてやるとすぐに水の中に入る。水の中では空気を体中の毛にまとわり着かせて銀色にキラキラと光る。これで肺呼吸しているのだろう。 子供達が何時の間にか追い着いて来た。クモやワサビの花を見せていると、すぐに行き止まりのコンクリートの壁に突き当たる。流れは200メートルほどの長さ。砂防ダムと砂防ダムの間で閉塞している。この流れの下の段にはかなりの魚がいるようだが、ここにはアブラハヤがいるだけである。 子供の頃からの習慣で、流れの穏やかななかにある平たい石に手を入れると、3〜4匹のアブラハヤが指をつつく。そおっと手をお椀状にすると逃げ場を失った魚が中に入ってくる。2匹捕まえると明らかに1匹は抱卵しており、撮影は大急ぎ。触りたがる子供たちにも我慢させてすぐに水に戻す。アブラハヤは小さくて一般には食用にしないが、天ぷらにすればなかなかうまい。もちろん産卵時期には取らないことは最低限のマナーである。 この沢にはクレソン、オオバタネツケバナなどがたっぷり生えていて。持って帰ってサラダなどで楽しめる。ぽつんと生えているのはワサビ、これは誰かが持ち込んだもので、取らないのがマナー。 昼時になった家路についた。帰り道にあるのが桧原村の「やまぶき屋」。地元の漬け物や柚子ワイン、野菜を売っていて安い。妻はここで必ず子供達にアイスクリームを買ってやる。そして今日はとったばかりのワラビ、これが明日の朝ご飯。 ![]() その1へ戻る |
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