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淡水魚にはまだまだ無知であるぼうずコンニャクにとってこの上もない機会であった。 塩尻市田川浦養魚場 シナノユキマス 2002年10月27日 ●目次へもどる ●長野県の目次へ |
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塩尻市は中山道、甲州街道の交差する江戸時代より殷賑を極めた宿場町である。田川浦養魚場はその塩尻市街からクルマでほんの10分ほどの、しかも中央線の線路脇にある。これが裏山からの豊富な湧き水を、幾つもの養殖池を抱えて、どこか別天地の穏やかな風情なのは、清らかな水の流れのためかもしれない。子供達と飲んだ水のうまさはまさに感激。 (写真右)田川浦養魚場の桑原行雄さん。シナノユキマスは養殖が非常に難しい。川田浦は数少ない稚魚の供給を受けられる民間の養魚場のひとつ。桑原さんは穏やかで優しいお人柄とお見受けしたが、確かな養殖技術を持つ現代の匠のおひとりであるようだ。最後にシナノユキマスを購入、〆ていただいたが、丁寧な魚の扱いにとても感激させられた (写真左)くりさん。水産雑学コラムは魚好きには必見 |
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田川浦養魚場は、シナノユキマスをはじめニジマス、イワナなどを養殖している。シナノユキマスは採卵をしておらず、稚魚を長野県水産試験場佐久支場から初夏に購入、これを2年から3年そだてて出荷している。当日も6月に来たと言う稚魚が中央の池で元気に泳いでいた。 持ち帰るユキマスを手網で簡単にすくう桑原さんの名人芸。子供達はこれにびっくり。これを湧き水のでる流しに移して、鰓と尾に〆の包丁を入れて、清流で血抜き。まことに丁寧で手早い仕事ぶり。 シナノユキマスは1キロあたり2000円以上、かなりな高級魚である。ニジマスの八王子市場での値段が800円であることからして2倍以上。 ただし養殖の難しさ、味のよさから言っても3000円前後なら「買い」の魚である。 今度の旅は駒ヶ根で行なわれたfishmlのオフ会の言わばオプション。 長野の淡水養殖や水産全般に詳しいくりさん(http://www2s.biglobe.ne.jp/~kurisan/)の案内による。 見学までの経緯、シナノユキマスのくりさんの報告はfish mlをご覧ください |
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シナノユキマスはサケ科コレゴヌス属ペレットが本名。北欧からロシアのシベリア地域まで自然棲息している。成長すると1メートルを超える大型の魚である。湖沼をすみかとしており、主に動物性プランクトンを餌としており、大型になると小魚や底生動物も食べることがある。「信濃雪鱒」というのは言わば養殖魚としての商品名。長いのが残念であるが美しい呼び名で好感が持てる。 日本での飼育は三重県と長野県が、旧チェコスロバキアから発眼卵を導入したのが最初である。その後、秋田県の溜め池などに放流されたが、産業的に確立しているのは長野県だけではないだろうか? 長野県では1975年に旧チェコスロバキアから導入して以後、佐久市に置いで養殖法が確立。長野を代表する食材、味となりつつある。 ![]() ↑シナノユキマスは泳いでいるところなどウグイそっくりである ●シナノユキマスは田川浦養魚場で購入できます。 時期は2月から9月までがいちばん望ましい。それ以外の時期のことは問い合わせ下さい。問い合わせは手紙にて 川田浦養魚場 〒339-0724 長野県塩尻市上西条874-2 |
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シナノユキマスを食べる 田川浦養殖場で購入したシナノユキマスは800グラムほどの大きさ。出荷最盛期は過ぎていると言うことだが魚体は美しく、健康そのものに見える。卵も白子もなかったのは産卵後であるようだ。 食べたのは翌日28日。なんとか当日食べたかったのが中央高速での渋滞で帰宅が遅れたため断念した。 塩焼き、ムニエル、バプール(蒸し物)、刺身にしてみた。うまさの順位は 1位 刺身 2位 バプ−ル 3位 ムニエル 4位 塩焼き 刺身に味は絶品ではないか? 淡水魚ではもっともクセがなく弾力がある。噛むとシコシコと中から脂と旨味がしみ出るのは釣り立てのメダイに似ている。甘味はどこか特有のものであり、非常に酸味が少ない。この上品な身は蒸すとより一層味わいを増した。 バプールはフライパンにミルポワ(玉ねぎ、ニンジンのみじん切り、ディルの長いままの茎)を敷き、白ワイン、オリーブを入れて蒸しあげる。これをレモンとバターのソースで食べる。 |
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↑→皮を引くと表面に脂が見える。皮下の色合いもよくて、刺身として美しい ↓ムニエルはややサケの仲間としては個性に欠けるが、脂が均質に実に含まれるためだろうか、ふわっと甘味がある |
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↑バプール(フレンチでの蒸し物) |
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