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スズハモとの区別は肛門から頭部まで(前方)の測線孔数を数えるしかない。ただしこれは数えやすいもので、市場などでも確かめられる。ハモ=40~47  スズハモ=33~39
ウナギ目(Anguilliformes) について◆
鱗はあっても体表に埋没する。鰭に棘がない。脊椎骨は最多で260と多い。3亜目15科約141属約738種。
アナゴ亜目(Congroidei) について◆
鱗がない。背鰭は2つ。
ホラアナゴ科、ウミヘビ科、アナゴ(クロアナゴ)科、ハモ科などの9科112属約218種。
ハモ科(Muraenesoidae) について◆
大西洋、インド洋、太平洋に約8種。
■ハモ、スズハモが食用種。
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区カライワシ下区ウナギ目ハモ科ハモ属
ハモ(漢字/鱧 英名/Daggertooth pike-conger
学名/Muraenesox cinereus (Forsskal)
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魚貝の物知り度/★★★ 知っていたら通人級
食べ方◆ちり(落とし)/ぼたんはも(骨切りをしたものにクズをまぶして湯通し)/鍋(ちり、もしくはすき焼き風に)/焼きはも(すし)/蒲鉾(練り製品)/ハモ皮の酢の物/唐揚げ
旬は暖かくなってから、抱卵魚が目立つようになる8月、9月までいちばんうまいのは梅雨から7月あたり
◎非常に美味
市場での評価・取り扱われ方◆
■ハモとして入荷するものは本種とスズハモ。「はも」といってもハモとは限らない。
■国産の近海物は値段が高いが韓国や中国産は安い。
■市場には野締め(漁のときに死んだもの)、締め(生きている内に締めたもの)、活魚、また骨切りしたものが入荷してくる。なかでも活魚が珍重される。
■市場にくるのは雌の割合が高い。大きなものは総て雌。
■産地は西日本各地。和歌山県、徳島県、山口県、長崎県などが有名。
◆食べてみる◆
 身を開くのはマアナゴよりも簡単である。それを骨切りするのだが、皮を下にして、よく切れる包丁で「皮まで絶つくらいの勢いで」1ミリ感覚くらいで包丁目を入れていく。少し器用な人ならすぐにできるようになる。



 関東でハモというと料理屋さんで食べるもの、と思われているが、関西では前海である大阪湾でとれるためか、ときに家庭でもすき焼き風に食べられる。


大阪では「泉南の玉ねぎが出るとハモも出る」といわれるほどにハモと玉ねぎは相性がいい

 骨切りしたものを湯通しにしたものを「はもちり」、もしくは「落とし」と言う。梅肉しょうゆで食べて美味。
 京都などで「ぼたんはも」というのは骨切りしたものにクズ打ち(葛をまぶしつけ)湯通ししたもの。吸い物などに使う。これは家庭で作るのは難しいがとても美味である。
 出始めのマツタケと合わせて土瓶蒸しなど、どれをとっても美味きわまりない逸品となる。
 骨切りしたものに串打ちして焼き、タレをつけたものも美味だ。一般に「焼きはも」と呼ばれる。京都などでは焼いているものを小売りしている。
◆名物料理・加工品◆
「焼きはも」を棒ずしにしたものが「鱧寿司」であり、当然美味極まりない。●寿司に関しては寿司図鑑へ!


愛媛県宇和島市『薬師神かまぼこ』、薬師神啓一さんが焼き上げたハモを箱ずしにしてみた。非常に美味。

 大阪では蒲鉾などを作る店には「鱧の皮」を売っている。これをあぶって刻みきゅうりもみに加える。


今回のものは大阪市戎橋『大寅』。ハモを自家ですり身にしている店は少なく、最近では貴重なもの

 関西にはハモのすり身で作る蒲鉾がある。焼き蒲鉾の一種で非常に美味だ。
 四国徳島県阿南市でみつけた「ハモ皮ちくわ」。竹にハモの皮を巻き付けて、タレをつけて焼いている。愛媛などでも作られていて、驚くほどに美味。



 築地などで夏になると卵巣のみが売られている。ハモの子はキメの細やかな味わいで、甘みがあってうまい。


ハモの基本◆
歳時記、俳句季語では「夏」。
■本来は関西料理の素材。関東の漁港でもあがるが数が少ないのと、知識がないために破棄されることが多い。
関西ではとくに京都を中心に珍重される。
■7月1か月を通して行われる「祇園祭」の頃のハモがうまいこともあって「祭鱧(まつりはも)」と言う。
■盛夏になって卵を持っている頃のものを「名残の鱧」などと呼ぶ。
■「泉州の玉ねぎが出ると鱧も出る」、この言葉を教えてくれたのは大阪中央卸売市場そばの大蒲水産加工業協同組合の大坪七郎さん。すなわち出盛りの玉ねぎとハモで作る「魚すき」が大阪泉州、地の味わいなのだ。
■蒲鉾(練り製品)の材料としても有名。蒸すのではなく焼いたものが多い。非常に高価なものだが、それだけの価値はある。
■練り製品にしたときに出た皮を干したものが「鱧の皮」。上司小剣の小説にもある。
生息域◆福島県以南、東シナ海。黄海、インド・西太平洋。
生態◆水深100メートルより浅い砂泥地に棲息。 産卵期は4月から9月まで。 孵化するとレプトケファルス期をへて変体する。 雄は成長しても70センチ前後、雌の方が遙かに大きくなる。 雌は赤銅色なのに対して、雄は黄色がかった青。
大きさ◆2メートルを超える。
漁獲方法◆釣り/底引き網
漢字◆「鱧」、「歯魚」。
由来◆漢字は当て字であるように思える。
語源は鋭い歯をもち、生きているときには人に向かってくる。すなわち「はむ(食む)」、「はむ(咬む)」から。「歯魚(はも)」。ハモの古名は「はむ(波無)」。
呼び名・方言◆
「ゴンギリ」(長崎)。「ウミウナギ(海鰻)」(北九州)、「タツバモ(竜ばも)」(京都府)、「ジャハム(蛇はむ)」(石川県)。島根県では「トウヘイ」、「トウヘン」。徳島県では雄のことを「アオハモ(青はも)」。
釣り◆調べているところ。
■or無印は市場魚貝類図鑑データベースから。がついたものは引用部
参考/『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『魚類学 上下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『日本漁具・漁法図説』(金田禎之 成山堂)、『島根のさかな』(島根県水産試験場 山陰中央新報社)、『たべもの起源事典』(岡田哲 東京堂出版) 徳島県立農林水産総合技術支援センター
同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
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