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魚貝の物知り度/★★★★ 市場での評価・話題◆もっとも重要な貝のひとつ。国産は少なく輸入物が多い。キロ当たりロシア産、中国産が2000円以下、韓国産で2000円前後、国産だと3000円から4000円はする。1個やや大きめで130グラムで換算してみてほしい。関東では本種を市場で見かけない日はない。 生息域◆ 北海道南部から東シナ海まで広く棲息する貝である。 生態◆主に内湾の浅い泥底などに棲息する。抱卵されて孵化し幼生期を過ごしたら稚貝になり泥底の海藻などに足糸で付着する。この足糸は足の一部に成貝になっても残っている。刺身にするときはこれをとる。それが大きくなると泥の中にもぐり込む。 大きさ◆殻長12センチを超えるものもある。 漢字◆「赤貝」。 由来◆血液中の色素に人間と同じヘモグロビンを持っており、身の色合いが赤いため 呼び名・方言◆市場では単に「玉(たま)」「本玉(ほんだま)」。 食べ方◆旬/初夏に卵を持ち始め、夏にはやせてまずくなる。これが持ち直すのは晩秋。これから旨味が増し冬から春には旬となる 刺身/茹貝/煮つけ 栄養◆タンパク質、脂質は少なく、ビタミン類、無機質の鉄、カルシウムなどが豊富。 流通する食用フネガイ科はアカガイ、サトウガイ、サルボウの3種類。その見分け方は左記する。 市場では本種を「玉」、もしくは「本玉」という。これは近縁種のサトウガイ(ばち、場違)と区別するためである。この2種の見分け方はサトウガイの殻の方が白っぽい。また放射線状に走る筋の数が42本前後ならアカガイ、サトウガイは38本前後である。 生息場所もアカガイは内湾性であり、サトウガイは九十九里などの外洋に面した波の荒い砂地に棲息する。 またサルボウを「アカガイの偽物」にあげる人がいるが大型のサルボウは少なく、ほとんどが小さいのでだまされるとは思えない。むしろサルボウは缶詰の「赤貝」の原料であることから紛らわしい。 江戸前握りに欠かせぬネタであるが江戸前・東京湾ものはほとんど見られない。それで最近市場で見かけるものは中国産、韓国、北朝鮮、ロシアなどからの輸入ものばかり。国産では有明海や三河湾、香川などのものを見かけるがこれは高くて一般の寿司屋では手が出ないのではないか。またときに高級寿司屋で「アカガイは閖上産だけを使う」などと言われる、これは宮城県名取市産。なんと1個の卸値で800円を超えることがある。アカガイは原則的に1個で1個(かん)しかとらないので1個の寿司が千円を超えるのは当たり前である。 ◆食べてみる◆ なんといっても刺身がうまい。貝特有の香りがあり、旨味が強い。酢との相性は抜群によくて寿司や酢の物にしても最上の味。小型のものは、昔は茹で貝にされたり煮つけたりしたが、ゆでても近縁のサルボウよりうまいと思う。また赤貝の寿司は江戸前寿司(今の)にはなくてはならぬもの。 最近では刺身一辺倒になっているがその昔、東京湾千葉県側では茹で貝にしたり、佃煮に加工されたりしていた。これもうまい。 ◆赤貝の刺身の作り方は別ページにある ●アカガイの寿司に関しては寿司図鑑へ! ●アカガイの東京での評価は「東京のさかな」へ ◆アカガイの話題、こぼれ話、ついでに情報求む
★アカガイがなぜに江戸前寿司の代表的なネタとなったのか? その答えは簡単で江戸前東京湾でたくさんとれたからだ。でも今の現状を見るととても信じられない。今でも船橋、木更津などでとれている。でもまあときたま上がると言うだけで、漁の対象ではない。では東京湾のアカガイが健在だった頃はどうであったのか。それを船橋市の貝問屋『源七』の吉種登さんと八王子市横川町『鮨忠』さんに聞いてみる。 船橋では昭和30年(1955)くらいまではアカガイをかますに入れて出荷していた。かますは筵(むしろ わらで編んだ敷物。様々な素材にする)を二つ折りにして袋状にしたもの。口だけを片方の縁を伸ばして明けておく。ここにものを入れて縁を折り畳んで梱包材とした。ここに入れられたアカガイは約30キロほど。 船橋では、かます毎に選別した貝類を築地へと出荷していたのだ。 昭和30年代以前で船橋産のアカガイの値段が一かますいくらもしなかったという。 昭和30年を過ぎるとアカガイはブリキ製の一斗缶に代わる。これ1つが12〜13キロ見当。これ一缶が500円ということもあった。当時の並ずしの値段が一人前150円だから約10分の1として12キロで5000円としても東京湾のアカガイの値段がキロ当たり現在の貨幣価値に換算しても500円しなかったことになる。すなわちアカガイは高度成長期までは安くておいしい江戸前の水産物だったのだ。 ●本サイトの無断転載、使用を禁止する |
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