サバ

一般的に「サバ」と呼ばれる水産物についてのまとめページです。

サバについて

上物のサバ

一般的に「さば」と呼ばれている魚はサバ科サバ属の魚のことだ。流通しているのはマサバ、ゴマサバ、ノルウェーなどから輸入されているタイセイヨウサバの3種類だ。
マサバ、ゴマサバは生鮮品としても重要で、一度も冷凍していないものを比較的日常的に見かける。タイセイヨウサバは冷凍されているか、それを解凍したものだが、生食以外では国産2種以上の評価を得ることもある。
ここに同じくサバ科のニジョウサバを加えてサバ4種としてもいい。
江戸時代には「音は青(セイ)、和名を阿を左波(あおさば)」(和漢三才図会)とあり、「青もの」や「背の青い魚」などの代表的なものだ。 
サバは加工業の世界、また伝統的な食文化的にも重要で膨大な裾野を持っている。大量にまとまってとれるので、焼く、塩漬けにする、干すなどして国内隅々に行き渡って地域地域で多彩な料理法を生んでいる。古くはその主役はマサバであったが、今や温暖化のせいでゴマサバが全国的に漁獲され、比率を高めている。またノルウェーなどから輸入されているタイセイヨウサバも量的に重要である。

サバが作り出してきた日本の食文化

今も残る刺鯖

和漢三才図会には〈取って塩漬けにして諸国に運送するが、貴賤ともこれを賞味し〉とある。海辺でとれたマサバ、ゴマサバなどを塩漬け、焼きさば、節(さば節)などにして国内隅々に送ったのだ。これが日本各地で様々な食文化を生む。
また浜で塩をしたサバは「二枚を一重とする。これを一刺(ひとさし)という」とあり、現在でも「刺鯖」という言語は残っている。江戸時代にはこれを中元(旧暦の7月15日に世話になった方に贈り物をする。武家では藩主や将軍家に送った)に送っていた。これが国内でお中元の国内での始まりとされている。
強い塩をして保存性を高めていたものが流通の発達とともに低塩分化されて現在に至っている。これを使って作る「さばずし」なども非常に歴史のあるものだと思う。
また「焼きさば」は冷蔵庫のなかった頃に盛んに作られていたもので、今でも国産、輸入サバなどを使って作られている。山間部ではこれを煮る、またすしなどの具として使っていた。

「サバ」と呼ばれる水産物一覧

印は「サバ」ですがそれ以外はサバの仲間ではありません。

  • ゴマサバ

    海水魚。沿岸表層で群れを作る。 北海道南部〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の大平洋沿岸、瀬戸内海、屋久島、沖縄本島(少ない)、東シナ海。 朝鮮半島南岸、済州島、中国東シナ海沿岸、台湾、フィリピン諸島、ニューギニア島、北西・北東岸をのぞくオーストラリア、ニュージーランド、ハワイ諸島、メキシコ太平洋沖、ア・・・
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  • タイセイヨウサバ

    海水魚。海表面〜水深200m。 北大西洋・北アメリカ大陸沿岸、アイスランド沿岸、ユーラシア大陸沿岸、地中海。 北大西洋に広く分布。主にノルウェー、アイスランドなどから輸入されている。古くは安くて安定的に流通するものであったが、近年価格が不安定になり、高騰している。1980年代前後からスーパーなどで盛んに見かけるようにな・・・
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  • ニジョウサバ

    海水魚。沿岸表層性。 高知県以布利、鹿児島県南さつま市笠沙・下甑町・トカラ列島、奄美大島、琉球列島。 インド-西太平洋の熱帯・亜熱帯域。高知県や鹿児島県でも揚がっているが、多いのは鹿児島県諸島部以南で熱帯域に多い。サワラ、カマスサワラなどを含む、Spanish mackerel と呼ばれるグループに属す。南半球オースト・・・
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  • マサバ

    海水魚。日本列島近海。水深2メートル前後の浅場から水深100メートル以深まで。 北海道オホーツク海沿岸〜九州南岸の日本海・東シナ海。北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、屋久島、[種子島]、東シナ海。奄美大島以南にはいない。 朝鮮半島全沿岸、中国東シナ海・台湾海峡、台湾、フィリピン諸島、ハワイ諸島、カリフォルニア沿岸・・・
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