第1集
1〜100貫
第2集
101〜200貫
第3集
201〜300貫
第4集
301〜400貫
第5集
401〜500貫
第6集
501〜600貫
寿司図鑑別巻 寿司図鑑索引
百五巻 市場魚貝類図鑑の中で寿司に仕立てたものを独立させたものです。
本ページの寿司は八王子市元本郷「鮨忠 第二支店」のものです。

どこまで続けられるか未知数ですが、毎日一かんずつ紹介する「寿司日記」と思ってください。地方の寿司、まったく寿司ネタとされないものもとりあげています。
●魚の生食に関しては寄生虫などの危険をともないます。食べるときには自己責任にて
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飯借り(ままかり)/サッパ 2007年8月15日 518
 最近、岡山県の持つ独特の料理文化に、ある意味圧倒されている。その代表格のひとつが「ままかり」である。漢字で書くと「飯借り」であり、ご飯のおかずにしてこれ以上ないもの、といった意味合いなのだろう。しかし未だにその「真の意味合い」を感じ取れないでいる。「ままかり(サッパ)」の産卵期は木の芽時から夏、とうぜん群れていそうだし、漁獲量も多いのだろう。その産卵期の「ままかり」をコノシロの新子のようにしめてみる。これを「鮨忠」で握ってもらうに「ちょっと塩が強いね」という、新子と一緒に立て塩にして、塩辛くはなかった。なのに「ままかり」は塩味が効き過ぎている。これは不思議だ。「でも味はいいよ」といってもらえた。ボクも二かん、味わってみて思ったよりも身に独特の風味がある。そして旨味もあるので、驚いたのだ。これはうまいね。彼の新幹線岡山駅で売っている「ままかり」ってなんなんだろうね。あれで「ままかり」の価値を判断すべきでない、ということか。
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●八王子市元本郷『鮨忠 第三支店』
干瓢巻き 2007年8月16日 別巻
「そういやー市場行くと、何でも売っているよな」と干瓢の細巻きを造りながら元本郷鮨忠さんが呟く。これは玉子焼きも茹でえびも、干瓢すら袋詰めで売られている、忠さんにはそれが心外であるようだ。寿司図鑑用の画像撮りのついでに鮨忠自家製の寿司ネタをいただいている。干瓢はインド原産とも言われる夕顔の実を細く薄く切って天火で乾しあげたもの。鎌倉時代の禅宗渡来期に精進料理がこの国に入ってきて、その材料でもある干瓢も寺院などで料理されるようになった。これが江戸時代になって生産量も増え、庶民のものとなったようだ。そのきっかけは栃木県で18世紀に干瓢作りが始り、大量に江戸の町などに出回るようになったことだ。関東で生産量が増えることで、江戸前握りにも欠くことのできないネタとなったのだろう。鮨忠の干瓢はしっかり味が煮含めてある。これど昔ながらの江戸前の干瓢らしい干瓢の味わいだ。
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新子三枚づけ 2007年8月16日 519
 寿司屋での夏の風物詩といったら新子だろう。6月に市場に出始める新子はコノシロの稚魚。出始めは1匹3グラムほど、一般に寿司屋で使い始めるのは10グラム、「二枚づけ」になってからだろう。「新子は手間ばっかりかかるし、最近は知らないって言うお客も増えてるよ」、市場で何人もの寿司職人がそうぼやく。新子は出始めは五枚づけ、一かんで5匹の新子、8月になると三枚づけ、二枚づけと成長してくる。ちなみに江戸っ子が持てはやす新子、四国生まれのボクにはちょっと騒ぎすぎだと思っている。思っていたのに、感激したのが鮨忠二代目の握った新子三枚づけである。握りとしての姿が美しい。新子のしめ具合がいいし、すし飯がうまいし。ネタケースの新子を数えて、一かんで我慢したが、いっきに五かん、六かんといきたい味わいだ。見事!
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●八王子市元本郷『鮨忠 第三支店』
ミナミマグロ赤身 2007年8月17日 520
 テレビなどで騒がれる有名店だけではなく、街の普通の寿司屋だってがんばっているんだぞ! と声を大にして言いたい。今回の「鮨忠」さんなんて、その最たるものだ。薄焼き玉子、干瓢、新子、煮いかと総て手作り、しかもどれも味がいい。そして並寿司に使っているのがメバチマグロではなく、「インド(ミナミマグロ)」の赤身だというのも凄いではないか? この赤身が適度に柔らかく、口に入れて旨味がある。これだけで10かんぐらい頂けそうだから、我ながら恐いように思う。「うちじゃね。バチは使わないよ。まあバチもいいんだけど、赤身ならこっちがいいだろう」。

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赤海老/アカエビ 2007年9月2日 521
「小えび」とひとくくりにされるエビたちがいる。多くはクルマエビ科のエビであり、なかでもアカエビ属がほとんどだ。そのアカエビ属のアカエビだから「小えびの中の小えび」と言っても過言ではない。比較的内湾などでとれる量も多いし、味もいい。これを寿司ネタとするに玉子焼きに仕立てる。とにかくすり鉢でエビをする、する。ほとんど小一時間もかけて、それでもだまが残るので、また小一時間。これに塩、砂糖、酒を合わせて、溶き卵を少しずつ合わせていく。これがまた1時間以上もかかる手間仕事でやたらに疲労困憊する。それを「鮨忠」さんに握っていただいた。「エビの香りがあるね。でも玉子焼きにエビの旨味があるかってーともの足りないな」。確かに玉子焼きからエビの香ばしい香りがたつ、でも味わいにエビの旨味が感じられないのだ。なぜだろう?
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薄焼き玉子 2007年9月2日 別巻
 八王子にある『鮨忠』の共通点が薄焼き玉子である。出汁巻きが主流の今にあって 厚焼き、薄焼きの玉子焼きは少数派である。この薄焼き玉子にも個性が出る。同じ『鮨忠』でも横川町さんはあっさりした味わい、それに対して元本郷『鮨忠 第三支店』のは甘味があり、味が濃い。この基本にあるのが味醂であるという。すなわちしっかり焦げ目がついているのは味醂のせいなのだ。この薄焼き玉子、おつまみとしていただいても好ましいものだろう。酒の肴というのはおしなべて塩っ気が多い。そこに唯一甘い玉子焼きを間に挟む、これが『鮨忠 第三支店』の玉子焼きの役割どころとみた。
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●八王子市元本郷『鮨忠 第三支店』


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