イガイ

Scientific Name / Mytilus coruscus Gould,1850

イガイの形態写真

20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く細長い。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。[老成貝]
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20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く細長い。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。[老成貝]20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く細長い。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。[老成貝]20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く細長い。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く細長い。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。[老成貝]20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く細長い。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。[老成貝]20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く若い個体は幅が広く、成長すると細長くなる。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く若い個体は幅が広く、成長すると細長くなる。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。[比較的若い個体]非常に硬く頑丈な足糸がある。料理するときはこれを抜いてから。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。20cm SL 前後になる。非常に大きい。黒く細長い。持つとふくらみを感じる。貝殻は厚みがありややもろい。周縁は刻まれない。内面は滑らかで真珠を思わせる乳白色の部分と虹色に光る部分がある。[老成貝]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱イガイ目イガイ超科イガイ科イガイ亜科イガイ属

    外国名

    学名

    Mytilus coruscus Gould,1850

    漢字・学名由来

    漢字 貽貝、以加貝 Igai
    由来・語源 『目八譜』より。
    音は「異貝」、「否貝(いなかい)」の転訛。アサリなど普通の二枚貝とは形、軟体の模様が違っているという意味合い。
    漢字は女性器・胎(子宮、胎児をも現す)に似た貝という意味合い。
    「否貝(いなかい)」の転訛。『日本語源大辞典』(小学館)
    模式産地/函館

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。潮下帯から水深20メートルの岩礁域。
    北海道から九州。

    生態

    性転換する。
    産卵期は7月から9月。
    足糸(そくし)を分泌して岩などに付着(ついている)している。

    基本情報

    日本各地で水揚げされる大型の二枚貝である。食用貝としての歴史も非常に古い。これが近年、ヨーロッパからの移入種であるムールガイ(ムラサキイガイ)に押されて陰が薄い。ムールガイが毎日のように市場をにぎわせているのに比べて、イガイの入荷量はごく少ない。そのため関東、関西の市場ではイガイのことも「ムールガイ」と表記されている。
    クセのある味わいではあるが、大振りで海辺では得がたいたんぱく源であったと思われる。夏に漁の最盛期、旬を迎えるもので郷土料理も少なくない。
    珍しさ度 まずはイガイとムラサキイガイの区別がつくようにならないといけない。ムラサキイガイと比べると流通量が少ないので、売っているところも探す必要がある。

    水産基本情報

    市場での評価 関東ではあまり見かけない。入荷してくるとやや高値となる。
    漁法 潜水漁、見突漁
    主な産地 北海道、三陸、茨城県、千葉県、瀬戸内海周辺など各地

    選び方

    持ち重りがするもの。殻が硬く閉じているもの。硬く閉じるもの。生きのいいもの。

    味わい

    旬は冬から夏
    貝殻はやや硬めながら、薄く簡単に割れる。
    表面の汚れと、岩などに付着するための足糸を抜いてから料理する。
    足糸などは残る場合が多いので、いちどゆでこぼしてから改めて抜き取る。
    炊き込みご飯にするときは剥いて、足糸などを除去する。
    身は火を通し過ぎると著しく縮む。
    濃厚な旨みがあり、いいだしが出る。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    イガイの料理・レシピ・食べ方/蒸す(ワイン蒸し、酒蒸し)、汁(みそ汁、トマトスープ、ブイヤベース)、炊き込みご飯、煮もの(煮つけ、いり煮)、ソテー(バター焼き、アヒージョ)

    イガイのワイン蒸 剥き身にして足糸と足糸の根元を取り去る。ていねいに汚れを洗い流し、切り身にして水分をきっておく。鍋に少量のオリーブオイル・白ワイン、にんにく、コショウをいれ、切り身を入れて火をつける。玉ねぎなど野菜を加えてもいい。ここではセロリアックの塩ゆでを加えた。火が通ったら、香辛料(ここではカイエンヌペッパー)、アクセントになる青みやハーブなどを散らす。白ワインの微かな酸味と香り、イガイのクセのある味わいが相まって、白ワインなどに合う。

    瀬戸貝の酒蒸しイガイの酒蒸し 大型は身を適当に切り、小型のものは貝殻のついたまま酒蒸しにするといい。できれば足糸を抜く。貝殻などよく流水で洗い、水切りをしておく。鍋に酒と貝を入れて蒸し煮にする。あまり火を通しすぎると硬くなるが、生は危険なので、このあたりの加減が難しい。

    イガイの蒸し煮 流水で貝殻の汚れなどを流す。鍋に入れて少量の水を加えて蒸し煮にする。塩は無用だと思っている。貝殻から身を外し、足糸を抜いてライムをかける。柑橘類と相性がとてもよく、強い甘味と濃厚なうま味が楽しめる。食べていて飽きが来ない。
    イガイの和え物イガイの和えもの イガイはきれいに流水などで洗い、少量の水分で蒸し煮にする。これを酢の物に、きゅうりもみなどに加える。甘味と渋味の豊かな軟体の味が、合わせ酢と一緒になって独特の味わいとなる。
    イガイのアヒージョ 剥き身にする。塩水などでていねいに洗って足糸とそのつけ根を切り取る。適当に切り、水分をきっておく。小型のパンにオリーブオイル、辛い青唐辛子、大量のすり下ろしにんにく、イガイの切り身を入れて火を通す。仕上げに塩コショウする。イガイの身はクセのある苦みがあり、貝らしい甘味もある。好みの分かれる料理だが、好きな人にはたまらない味だ。
    イガイのみそ汁 むき身を適宜に切り、水から煮出してみそをとく。これだけで実にうまいみそ汁になる。イガイの身はぷりっとして歯触りがいい。

    好んで食べる地域・名物料理

    雑煮 山口県柳井市。雑煮に入れる。
    瀬戸貝の煮もの瀬戸貝の煮もの 正月のお節料理には必ず「瀬戸貝」の煮ものを添える。酒、しょうゆ味で比較的あっさりと煮上げたらとてもおいしいものだった。正月のご馳走になる意味がわかる。[山口県大畠町(現柳井市)]
    瀬戸貝うどん瀬戸貝うどん 瀬戸貝のゆで汁とカツオ節だしでつゆを作り、「瀬戸貝」の煮ものをのせたもの。瀬戸貝のだしだけでもかなり強いうまみがある。[山口県大畠町(現柳井市)]
    いがい飯(瀬戸貝飯) 兵庫県日本海側、鳥取県青谷町夏泊などで「いがい」の炊き込みご飯が作られている。同じように山口県でも同じような炊き込みご飯「瀬戸貝飯」がある。イガイだけで作ってもいいがゴボウやニンジンを一緒に炊き込んだ方がうまい。
    イガイとなすの煮もの
    いがいとなすの煮もの 鳥取市では夏の味覚として、〈なすは縦に大きく八つくらいに切り、八分通り煮たら醤油で味つけし、いがいを入れる。いがいからいい味が出るが、砂糖を少し入れることもある。貝は煮すぎないようにすること。いがいは吸物にしてもよい。〉『聞き書 鳥取の食事 「城下町鳥取の食の歳時記」』(農文協)
    ナスをしょうゆと砂糖で煮つけ、イガイを加える。作ってみると、ナスの甘辛い煮つけに本種のうま味がプラスされてとても味わい深い。[鳥取市、愛媛県今治市大島町]

    瀬戸貝そうめん お盆に作るもの。瀬戸貝の煮汁でそうめんを食べる。玉ねぎはつきもので、うま味豊かな味わい。夏バテにいい気がするのだけど、だからこそお盆に食べるのかも。[山口県熊毛郡上関町]

    加工品・名産品

    淡菜 生のむき身を塩ゆでにして干したもの。中国などに輸出されていた。

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    東海婦人 その形、「女陰に似たり」(大和本草)
    淡菜 干したものを淡菜という。(出雲風土記)
    剥き身の行商 〈(夏)いがいは、むき身を細いかずら(葛)でつないで賀露(現鳥取市)から売りにくる。〉『聞き書 鳥取の食事 「城下町鳥取の食の歳時記」』(農文協)

    参考文献・協力

    協力/山下亮介さん(愛媛県松山市) 山下博由さん(貝類研究者)、長野淳さん(三重県熊野市)
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本語源大辞典』(小学館)、「聞き書 鳥取の食事』(農文協)、『新版 水産動物学』(谷田専治 恒星社厚生閣)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)

    地方名・市場名

    イノガイ
    場所三重県尾鷲市、和歌山県長島・加太 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    イノカイ
    場所三重県熊野市・鳥羽市安乗・安楽島 
    イノケ
    場所三重県鳥羽市石鏡・志摩 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    クロクチ
    場所京都府伊根町、兵庫県香住 参考大西幸子さん 
    イギャア
    場所佐賀県鎮西町・唐津市湊・同唐津市神集島 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    カラスガイ
    場所千葉県、新潟県、長崎県、香川県など日本各地 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    オハグロガイ
    場所千葉県富津市富津 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    イガイ
    場所千葉県小湊 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    ヒメガイ
    場所富山県朝日町宮崎 参考富山伝統的食文化研究会 
    オメコガイ
    場所山口県豊浦町 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    シュウリ(シュウリガイ)
    場所岩手県久慈市・大船渡市、茨城県北茨城市 備考周利貝を当てているのを大船渡市で見ている。 参考20190325/水戸市、聞取 
    インケ
    場所岩手県旧伊達藩領 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    セトガイ[瀬戸貝]
    場所広島県大柿町、山口県柳井市 
    イゲー
    場所新潟県佐渡相川 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    エガイ
    場所新潟県糸魚川市親不知 参考松澤周一さん(新潟県糸魚川市) 
    ムールガイ
    場所東京など日本各地 備考流通上。 
    オマンコガイ
    場所神奈川県さぬき市津田鶴羽岡の滝 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    エテガイ
    場所神奈川県三浦半島 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    エンガイ
    場所福井県 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    イゲケッコ イゲ
    場所秋田県男鹿 参考松宝丸 
    イゲァキャンコ
    場所秋田県男鹿半島 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    アカガイ
    場所豫州(現中国) 参考重修本草綱目啓蒙 
    カラス
    場所静岡県下田市白浜 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    イノッカイ
    場所静岡県御前崎 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    イースラ
    場所鹿児島県薩摩郡上甑村中甑 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    エガイ
    場所山形県酒田市、鶴岡市、石川県輪島、京都府伊根町 参考大西幸子さん、早瀬千春さん 
    タチガイ
    場所島根県浜田 
    シイレ シイリ
    場所千葉県銚子市 備考「シュウリガイ」という地方も多く千葉県銚子でのシイレ、シイリもこの変化かも知れない。 
  • 主食材として「イガイ」を使用したレシピ一覧

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