青森県、下北の「カキ」を今季初食べ

今回のものはバラバラにバラしてやってきた

ミネフジツボ

八王子綜合卸売センター、福泉に青森県下北半島からミネフジツボが来ていた。いつの間に来ていたのやら? 今年は慌ただしくて気がつかなかった。
ちなみにフジツボはエビやカニと同じく甲殻類であり、岩などに固着して蔓脚という熊手のようなものを広げ、海水中のプランクトンや有機物をキャッチして生きている。オオアカフジツボとともに国内海域にいる最大級のフジツボで、唯一食用として流通しているフジツボでもある。
最近、都内では単にフジツボと呼ばれるようになっているが、2000年前後、発泡に書かれていた「カキ」が、伝票にも書かれ、「カキ」と呼ぶ人が築地場内にもいた。
軟体類二枚貝イタボガキ科のカキ(マガキ)とミネフジツボの青森県での呼び名、「カキ」の語源は同じだと考えている。すなわち「かき落として取る」からカキだ。
海水温度の比較的低い海域にいるフジツボで、瀬戸内海にも普通にいる。なのに食用として生産、とっているのは青森県のみというのは長年の培った技術が必要なのだろう。

やはりミネフジツボは非常にうまい


食べる直前にくっついているものは離し、周辺の汚れをブラシなどで洗い落とす。これを酒蒸しにする。味つけは無用である。
蒸し上がったら木槌でとんと割り、周殻の破片をていねいに取り除く。
周殻部分が重く硬いので食べられる部分が余計に小さく感じられるが、口に入れたらいきなり楽園といった味である。この味は表現しにくい。確かに甲殻類の風味があるけれど、それ以上に、濃厚なスープを煮つめたような味がある。
それでいて後味がいいとは、なんとも憎いやつではないか?
仕事の合間だったので、偽ビールではなく、ノンアルコールビールだったのが残念無念である。


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