新潟県産なので、セイカイ

煮つけ用の魚を煮つける


新しいスーパーが出来たので1週間に2回ほど、新旧スーパーでできるだけ同じ物を買う。今回買ったウスメバルは新しいスーパーの方が高かったが、当たり前だけど鮮度的には高い方が上で、刺身用と書いてあった。本来東京では煮つけ用の魚だけど、近年刺身が流行りでもある。
新潟県産ウスメバル、21cm SL ・237gは手頃な大きさで、スーパーにお願いすると刺身にしてくれるわけだ。基本的に買い求めた魚は体長、重さを量り、キロ単価を調べるので、そのまま持ち帰る。確かに刺身でもいけることを確認しておかず用に水洗いを済ませておく。
新潟県でセイカイと呼ばれるこの魚は、いろんな本に昔は安かったなどと書かれているが、この「昔」は半世紀も前、高度成長期以前のことなのだ。2023年の現在、安定的高級魚でありつづけている魚と考えるべきだろう。

メバルの煮つけはあくまでもおかず


さて、刺身にもなる鮮度だが、今回は朝ご飯用に甘辛こくのある味つけの煮つけにする。
ウスメバルは関東では古くから「めばるの煮つけ」として人気が高いのだ。
水洗いしたウスメバルは、小鍋で煮汁少なくたきたいので袈裟懸け二等分にする。
水分をていねいにとり、湯通しして氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよく切っておく。
鍋に酒・砂糖・濃口醤油(控えめに)、たまり醤油を入れて煮立てたところに生姜のせん切りとメバルを投入する。これを煮上げていく。
あくまでも煮染めるのではなく煮汁をからめるようにたく。
7分通り煮えたらつけ合わせの東京ウドを投入して、味加減をみて、場合によっては濃口醤油を加えて仕上げる。
ウドと一緒に鉢に盛り、塩ゆでした茎立ち菜(アブラナ科の花芽)をあしらう。
魚の煮つけくらい飯に合う料理はない。ご飯が主役、魚は主菜だけどあくまでも脇役なので、味のある味つけにする。だから使うたまり醤油なのである。
ちなみに2種の醤油を使い、最後にみりんを加えて仕上げる料理人がいる。このやり方がよかったときもあるが、最近やりすぎかなと思っている。人間とは日々好みを変える生物なのだ、料理法も日々変わり、明日は仕上げにみりんかも知れない。
豆腐とわかめのみそ汁に高菜漬けで、ご飯2杯。外は曙。


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