丹後のチダイ

旬がわかりにくい


八王子綜合卸売協同組合、マル幸に京都府丹後産チダイが来ていた。非常にきれいな魚体で触った感じも結構いい。体長26cm・463gの雄である。晩春のチダイは丹後半島の定置網に入ったものか、延縄に来たものか、などと若狭湾を想う。
都内の市場ではハナダイと呼ぶことが多いが、丹後半島周辺ではチコダイではないか。過去のメモを読み直さなければならない。
チダイの旬はわかりにくい。産卵期が夏から初冬にかけてと長いからである。日本海側の産卵期は太平洋側よりも遅れるものと考えられる。このあたり旬を探る上でも丹後半島、若狭湾のチダイは興味深い。
さて下ろしてみると生殖巣は膨らんでいない。内臓はきれいで触って張りがあるものの、脂はイマイチ少ないようである。

皮に甘みを感じる


まずは定番の皮霜造りにしてみる。チダイの皮は薄く、その風味は淡いのであぶるよりも、湯をかけた方が生きる。
脂はないものの皮の風味のよさを再確認する。微かに甘いと感じる風味をどのように表現すべきかわからない。脂もほどほどだけどある。
チダイも月々、産地を替えながら食べてみたいものである。

山椒の芽で春らしさを


木の芽(山椒)があったので、久しぶりに幽庵焼き(祐庵焼き)にする。
水洗いして二枚に下ろし、骨のある方を使う。水分をよくきり、素焼きに。最後に祐庵地(酒・醤油)を塗りながら木の芽を散らしながら焼き上げる。
ともに春も名残の酒の肴かな、だ。


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