Sursild

ニシンのマリネを作る


古い話になるがノルウェー産のニシンの酢漬けをもらったことがあって、わくわくして食べたらまったくおいしくない。がっかりして、その頃、購読していた専門誌で読んだり、当時、近所に住んでいたフランス人のバアチャンに魚のマリネの作り方を教わったりした。
フランスではスプラットを使うのかも知れないが、まるでワインビネガーと白ワインとハーブ類を使った「ままかりの酢漬け」のような味だった。
市場は北海道産ニシンだらけ。気がついたら買い込んでは下処理をして冷凍保存している。いちばん作っているのがマリネ、ノルウェーのSursildだが、もうかれこれ40年以上作り方を変えていない。
余談だが、アニサキス症には2度かかっている。何種類かの魚を食べて原因不明だったのが一度、ニシンで刺身で一度だ。ちなみにアニサキス症は二度目の方がたいへんだけど、とても苦しいのは半日くらいで、1日か2日で回復した。今どきの芸人さんやタレントがアニサキスを口実にして金を稼ぐような、例えば地獄の苦しみ的なものではない。個人的にはインフルエンザの方が嫌だ。
アニサキスはともかく、鮮度が落ちやすい魚なので保存をかねて冷凍するのは合理的だと考えている。
ニシンは三枚に下ろし腹骨、神経棘などをていねいに取る。取り切れなくても切りつけ方で小骨は気にならない。
用途に合わせて下ごしらえをする。マリネならべた塩をして1時間弱おき、水洗いしてすいぶんをていねいに取る。これを冷凍保存する。皮を剥くかどうかはお好みで。ちなみにフライなら塩コショウして冷凍保存する。
マリナードは白ワインビネガー1・白ワイン1・砂糖・ハーブブイヨン2だけど比率は自分で決めた方がいい。これを一度煮立てて火を止める。冷ましたら粒コショウを加えておく。
自然解凍したら再度小骨をできるだけ取る。
マリナードに1日つけて(我が家のものは酢が弱いので)出来上がる。神田神保町・お茶の水の書店街で学生時代から大半の人生を過ごしているので、目標はランチョンのだけど、さほど遜色があるとは思っていない。
やはり合わせるのは白ワインかな? といってもお隣、山梨県の一升瓶入りの安いヤツ。


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