ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2500種以上、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。

イネゴチ(Spotted flathead)

Scientific Name | Cociella crocodila (Tilesius, 1812)

イネゴチの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
35cm前後になる。全身に小さな褐色の斑紋が散らばる。35cm前後になる。全身に小さな褐色の斑紋が散らばる。35cm前後になる。全身に小さな褐色の斑紋が散らばる。

イネゴチの形態写真

35cm前後になる。全身に小さな褐色の斑紋が散らばる。

  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★★

    知っていたら達人級

    ★★

    地域的、嗜好品的なもの

    ★★★

    美味
    分類
    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目コチ亜目コチ科イネゴチ属
    外国名
    Spotted flathead
    学名
    Cociella crocodila (Tilesius, 1812)
    漢字・由来
    漢字 稲鯒
    由来・語源 不明。推察すると、稲(いね、いな)が伸びる頃に味がよくなるためではないか。
    コチについて
    漢字
    ■ 「鯒」は敵に遭うと飛び跳ねるように逃げる。この様を「踊る」として文字を作った。
    ■ 「牛尾魚」とも書く。牛の尾の形なので。
    由来・語源
    ■ 大言海に“笏(こつ)”に似ているため。“笏(こつ)”は衣冠束帯(貴族の正装)のとき右手にもっていた細長い木の板。字音が“骨”に似ているため「しゃく」と読ませるようになった。
    ■ 「こち」は「こつ」で頭を表す方言。
    ■ 「こち」は「骨」で骨っぽいことから。
    地方名・市場名
    コチ/山形県酒田市由良漁港
    メゴチ/兵庫県明石市、〈東京や神奈川県三崎でネズッポ科の魚などとともにメゴチとされている。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)〉
    アジナゴチ、イナゴチ、オニゴチ、ゴンボゴチ、スゴチ、チャマゴチ、ハリゴチ、バンゴチ、ホンゴチ。
    生息域
    海水魚。大陸棚浅い海域。
    青森県太平洋沿岸、茨城県〜日向灘の太平洋沿岸、瀬戸内海、秋田県〜薩摩半島の日本海・東シナ海・東シナ海大陸棚域。
    渤海、釜山、台湾、浙江省〜広西省、海南島。
    生態
    産卵期は夏。
    基本情報
    コチ科では比較的大きくなるものだが、マゴチと比べると味が落ちるので安く、ときに雑魚として扱われる。
    上品な白身でイヤミのない味なので工夫次第ではおいしい。
    水産基本情報
    市場での評価 少ないながら流通している。ただし雑魚として扱われることが多い。
    漁法
    主な産地 兵庫県、熊本県
    選び方
    味わい
    旬は春〜夏。
    鱗は小さく薄く取りやすい。皮はやや厚め。骨はあまり硬くない。鰓に棘は鋭く触ると痛い。
    透明感のある白身だが水分が多く、白濁しやすい。鮮度落ちが早い。熱を通すと硬く締まる。
    卵巣は美味しい。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    煮る(煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)、生食(セビチェ、洗い、刺身)、揚げる(唐揚げ、天ぷら)、焼く(漬け魚、干もの)
    イネゴチの煮つけイネゴチの煮つけ 野締めは身に水分が多く、大味である。これは水洗いして湯通しして冷水に落として、鱗やぬめりを取る。これを酒、砂糖、しょうゆでこってりと煮た。クセのない淡泊な白身なので酒、塩の味つけでも、酒、みりん、しょうゆの味つけで煮てもおいしい。
    イネゴチのみそ汁イネゴチのみそ汁 小振りのイネゴチを水洗いして、半分に切り、湯通しして水(昆布だしでも)から煮る。できるだけたくさん煮る方がうまいだしが出る。火が通ったらみそを溶く。汁と身をともに楽しむ「みそ汁」。比較的浅い器で供すと豪華。
    イネゴチのセビチェイネゴチのセビチェ 野締めのイネゴチで鮮度のいいものを使う。水洗いして三枚に下ろして皮を引き、やや小さめに切る。これを塩、ライムでしめる。辛い青唐辛子と紫玉ねぎとで和える。
    イネゴチの洗いイネゴチの洗い 活魚を締める。水洗いして三枚に下ろして薄くそぎ造りにする。これを流水で洗って氷水でしめる。シコシコとした心地よい食感のなかに、甘味がある。柑橘類と塩で食べてもおいしい。
    イネゴチの刺身イネゴチの刺身 活魚のイネゴチを使う。野締めは産地などでは刺身にしてもいいが、消費地では難しい。水洗いして三枚に下ろして皮を引き、薄く造る。意外にうま味があり、ほんのりと甘味がありおいしい。
    イネゴチの天ぷらイネゴチの沖縄風天ぷら 小振りのイネゴチは非常に安。これは「めごち(ネズッポ属)」と同じように天ぷらや唐揚げにするといい。水洗いして、「めごち」と同じように開く。これに小麦粉、砂糖、塩で作った衣をつけて揚げる。ころもをビールで溶くとふんわり揚がる。
    イネゴチの塩麹漬けイネゴチの塩麹漬け イネゴチは水洗いして水分をよく切る。これを塩麹に漬け込む。焼くときは焦げやすいのでじっくりと慎重に焼き上げる。淡泊な味わいながら皮目に風味がある。塩麹の甘味とうま味がいい。
    好んで食べる地域・名物料理
    加工品・名産品
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    参考文献・協力
    『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『商用魚介名ハンドブック』(日本水産物貿易協会編 成山堂)
  • 主食材として「イネゴチ」を使用したレシピ一覧

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