イトヨ

Scientific Name / Gasterosteus.sp

イトヨの形態写真

イトヨには日本海系と太平洋降海型系、太平洋陸封型の3型がある。写真は太平洋降海型だと思われる。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スメグマモルフ系トゲウオ亜系トゲウオ目トゲウオ亜目トゲウオ科イトヨ属

    外国名

    Burnstickle
    言語英名 

    学名

    Gasterosteus.sp

    漢字・学名由来

    漢字 糸魚
    由来・語源 石川県、新潟県、山形県での呼び名。由来などは不明。

    地方名・市場名

    生息域

    降海性。
    北海道太平洋降海型は北海道太平洋側。千島列島。
    利根川・島根県益田市以北本州、北海道。ユーラシア、北アメリカ。

    生態

    降海型と陸封型がいる。
    2月下旬川を上り、小川や水田に住みつく。
    昆虫や甲殻類などを補食する。
    産卵期は春から夏。
    縄張りを作り、雄が流れのゆるやかな砂泥底にすり鉢状の窪みを作り、水草などで集める。
    ここで産卵、雄が新鮮な水を送り込むなど卵を保護する。
    孵化した稚魚は6月頃川を海に降る。

    基本情報

    新潟県、秋田県などでは春食材のひとつ。
    海から産卵回遊してきたものをとり、塩焼きや唐揚げなどにして食べる。
    味はよいものの、だんだんとれなくなり、忘れ去られようとしているようだ。

    水産基本情報

    市場での評価 秋田県、新潟県など一部で流通。やや高値。
    漁法
    産地 北海道

    選び方

    味わい

    旬は春
    トゲが鋭くちくちくする。小魚なので丸のまま利用するのが基本。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    揚げる(唐揚げ)、煮る(佃煮)、焼く(塩焼き、つけ焼き)

    唐揚げ 棘はかなり硬いが軽く水洗いして水分を切り、片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げすれば丸ごと食べられる。香ばしくてとてもおいしい。

    好んで食べる地域・名物料理

    新潟県、島根県、山形県
    唐揚げ 新潟県。『新潟料理 ふるさとの味』(桜井薫 新潟日報事業社)
    つけ焼き 素焼きしてしょうゆ、みりんのタレにつけてもう一度焼いたもの。『新潟料理 ふるさとの味』(桜井薫 新潟日報事業社)
    だんご汁 イトヨを刻み、すり鉢でつぶしてだんごにしてみそ汁にする。『新潟料理 ふるさとの味』(桜井薫 新潟日報事業社)
    たたき揚げ 骨ごとたたき、粉をつけて揚げる。『新潟料理 ふるさとの味』(桜井薫 新潟日報事業社)
    佃煮 山形県庄内地方など。

    加工品・名産品


    イトヨの甘露煮 北海道産のイトヨを甘露煮にしたもの。棘や骨、鱗なども軟らかく舌の上で心地よく崩れて美味。[樋田屋 山形県酒田市]

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『新潟料理 ふるさとの味』(桜井薫 新潟日報事業社)
  • 主食材として「イトヨ」を使用したレシピ一覧

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