このところの焼きそばは「あとがけ」なのだ

酒田名物を埼玉のおいしい焼きそば麺で作る


鼻水攻撃で1日棒に振り、貴重な時間が消えてなくなる。今年もなんの収穫もなしに過ぎていくんだろうなと思いながら、埼玉県川島町、大河戸製麺の太焼きそば麺で焼きそばを作る。
ときどき焼きそばを無性に食べたくなるボクだけど、今年になって、ずーっと「あとがけ」である。
「あとがけ焼きそば」は山形県酒田市の名物でもあるが、調理の途中、ソースをからめ、ソースを焦がすという工程がない。味つけはテーブルのソースで好きにやってくれ、といった投げやりさが逆にいい。ソースをかけすぎると大変なことになるが、自己責任なので、文句のいいようがない。
いろいろ上にのってゴージャスだったが、逆に麺は平凡だった。
焼きそばとか、お好み焼きとかは明らかに1945年の戦後のものである。いろいろ歴史を語る向きがあるが、基本的に新しいと考えないとダメだと思っている。1945年以前にたどるのは歴史を複雑化して面白いけど、本質から大はずれしている気がする。
江東区の老人は、小麦粉が世に氾濫したのは敗戦後、アメリカ軍によるという。関東平野の土壌とか小麦の生産量とかいろんなことを関東の名物焼きそばを語るときにつけ加えるが、戦後の粉食は意外に単純かも。当然、1960年前後の酒田市の「あとがけ焼きそば」も同様だと思う。
ただ、中華の焼きそばと、この国の庶民が作り出したソースの焼きそばの違いは、調べると面白いと思う。
さて、ボクが作るのは、あり合わせのものだけで作り、何も乗っけないで、とてもシンプルなものだ。
味のいい埼玉の麺で作るので香ばしくソテーして麺そのものの味を楽しんでいる。
ソースは千葉県で買ったカゴメのウスターソース。
カゴメソースとブルドッグはどちらかというと酸味が薄く、優等生的な味だ。ソースに関しては。イカリソース、名前が出てこない北海道で買ったソースなど、ちょっとずつ地域によって違いがあるのが楽しい。こんな日常的なものの違いを楽しむのも旅だと考えている。



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