コラム

春らしい、上州の菜花とワカメの酢みそ和え

上州の菜の花をワカメとあわせる

菜花

市場にもスーパーにもワカメがいっぱい並んでいる。ほぼすべてが三陸岩手県産である。昔は三浦半島などからも来ていたが、今年はどうなのだろう? こんなことを思いながら春の味を買う。
このとき八王子総合卸売協同組合・八王子総合卸売センターの場内の気温はほぼ1度くらいである。いちばん寒い時季にくる、春を感じる味でもある。
さて、ワカメなのでゆでたり、汁にしたり、煮つけたりといちばん簡単な料理で、一袋を食べ尽くす。
途中、群馬県まで麦の芽(大体10〜15cm)くらいを見に行った。今まさに麦踏みをしている時季ではないかと思っていたら、最近は耕運機のようなもので踏むそうで、見ても情緒はないと思うよと言われる。話を聞いたご婦人に、庭の菜の花を少しだけいただいた。庭に残った株をようく見ると一つ、二つ咲いているのがある。厳寒の上州路で菜の花を頂くのは不思議である。
ちなみに学生の頃、この時季の上州は昼になっても畑が凍りついていたのだ。

京の白みそで作る辛子酢みそ


春は遠いけれど、と思いながら春の酢みそ和えを作る。
まず、玉味噌を作る。
京都の白みそに少量の長野の塩分が強い白みそを合わせる。
ここに卵黄、みりんを入れてよく混ぜ合わせる。
これを火にかけて練り上げる。
ワカメをゆで、水に放って水分を絞る。
菜の花も同様にゆでて水に放って粗熱をとり、絞る。

海山を盛り合わせて、京の白みそで一体化する


ワカメと菜の花を盛る。
玉味噌に生酢、和辛子を加えて辛子酢みそにしてかける。
菜の花の渋味、ワカメの海の風味をなんなり京の白みそでまとめる、その風情自体がいいのだと思っている。
意外に燗酒に合う。


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