料理法・レシピ

五島列島産スマの刺身あい盛り

最近では流通上も普通の魚になってきた


本命中の本命が週間トップというのも恥ずかしい気がするが、迷うことなく週の大本命になりそうだと思って買った、五島産スマが突き抜けてうまかった。
スマはサバの仲間で、古くはマグロ族というくくりがあり、いわゆるマグロであるクロマグロやメバチマグロと同じ仲間だった。身色も身の性質もマグロとあまり変わらない。
インド洋、太平洋の熱帯域から温帯域を高速で泳ぎながらエサである魚を追いかけ回している。
このところ長崎県五島から毎日のようにスマがやってきている。1.5kg前後と形が揃っている。粉砕氷の中に入っていて鮮度がいい。今や毎日のように市場で見かけるスマも、昔は西日本に多く、産地周辺で消費されて、めったに関東には来なかった。
1ヶ月に1尾は食べているので、もうそろそろスマかなと思っていた。今回は小田原で探したいと思ったが、もろもろの事情で、今回10、11月初めと同じ八王子(八王子総合卸売センター、福泉)で買った。
今回の個体は全長45cm・1.247kgで、近年、鹿児島県などでは大型化していることからすると手頃なサイズである。触って硬く感じるくらいなので、鮮度は抜群。しかもどう見てもデブである。

単に刺身というのもマンネリなので、あぶり、刺身のあい盛りにしてみた


帰宅して下ろすと、さくっと包丁が入り、脂があるためか引くと重く感じる。このさくっとして重い、は上物ならではだ。
これを背と腹に分けて真ん中の血合い部分は、あら煮用にとっておく。
背の部分は刺身に、腹の部分はあぶって氷水に落とし、粗熱をとってから水分をとり、切りつけた。
これを整然と並べるのではなく、みなまぜこぜに、二色混合で鉢に放り込む。
酢醤油一味唐辛子、にんにく醤油、柚子胡椒などなどランダムにつけて食べる。
最近、スマはいたって普通に流通してくる。しかもわんさかやってくるので、少しだけ飽きが来ている。
ぜんぜん変化球ではなく、ちょっとだけ変盛りにしただけだけど、無意識に箸を伸ばすと、お、刺身だ、とか、あぶったやつだ、とかとか楽しめるではないか。
スマの刺身も、あぶりだって矢鱈に無性にうまい。
脂の口溶け感以上に魚自体にうま味が豊かだ。
口の中でうまい時間が長いというところなんざー、たまらない。
今回はにんにくしょうゆがいちばんよかったけど、毎回つけてうまいと思うものが違うので次回はどうなるかわからない。なにか他に、つけて食べる素材を探してみようか。


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