クロサバフグの剥きフグは便利でウマシ！

ネット上でもテレビでもそうだけど毒魚という言語がたびたび使われている。昔、テレビで内臓に毒を持っている魚だと聞いて、触るのも危険みたいなリアクションをする芸人がいて、それをそのまま放映していた。これなど愚かなDが愚かなリアクション芸人に、非科学的なリアクションさせているだけではあるが、笑っていられない不気味さを感じる。アニサキスにかかって大げさなことを言って、マスコミでの露出を喜ぶげすタレントに似ていて、まことに薄汚い。
例えばフグ毒、純粋なテトロドトキシンの毒性は高いが、フグが純粋なテトロドトキシンを持っているわけではないのだ。フグ毒にはMU（マウスユニット）という、人にどれくらいの毒性を与えるのかの、数値が存在する。だから筋肉に毒を持つショウサイフグだって食用可なのである。
ちりめんにほんの数グラムのフグの稚魚が混入しただけで、食糧不足の現代にあっても回収っさせるなんてことを非常に愚かな行為を保健所がやっているが、これなど常軌を逸している。フグが混入していたら、できれば食べない方がいいと言えばいいのであって、食べても死ぬ可能性なんてない。
個人的には極端に生物を危険視しするのはいけないと思っている。せっかく平和に暮らしている、セアカゴケグモを見つけ出して全部殺してしまうなんてやたら恥ずべき行為だと思う。だいたい温暖化をまねいた人間のつけを、温暖化でやってきた生物に払わせていいのか？
いまだに八王子の市場のフグに子供が触りそうになると、「毒があるから触ってはダメ（基本的に買わないのに触ってはダメなんだけど）」と言う親がいる。なんて非科学的なことを言うんだバカヤロウといいたい。毒よりも恐い戦争は、プーチンもそうだけど、根拠のないこと、非科学的なところから始まるんだよオバカサンといいたい。
くどいほど言わせてもらうなら、フグは毒がある以前においしい魚なのだと教えるべきだ。ヒトという生き物は自然破壊し、自然に毒を平気でばら撒いているくせに、危険性が非常に低いものに限って、極端な報道をしたり、行政が条例を作ったりする。ハレンチではないのかねヒトって。
今、市場などを通じて流通しているフグは場合によっては調理師が毒を除去してくれるし、予め除去したものはちゃんと許可証が添付されている。漁業資源が激減している今、合法的に流通しているフグは、もっと積極的に食べるべきなのである。

さて、八王子総合卸売協同組合、マル幸に神奈川県佐島産のクロサバフグの剥きフグ（みがき）が来ていた。中に１本だけシロサバフグが混ざっていたが、問題はまったくない。
気になることは皮を剥き取っていたことだ。クロサバフグ、シロサバフグはとても淡泊な味で、いちばんうまいのは皮なのである。棘のある部分以外の皮は残して欲しいが、このあたりは法律上の問題なのだろうと思う。
これを買ってあれこれ料理してみた。
サバフグ、特にクロサバフグで問題なのは水分量が多いことだ。買い求めたら塩をまぶして水分をぬくか、脱水シートで抜くといい。水分を抜いてから使うとおいしい魚なのである。
あまり味のある魚ではないが、逆にバターを使ったり、香辛料を使ったり、考えて料理する楽しみがある。
２本の剥き身をムニエルにして、柚子醤油焼きにして、韓国風鍋にして２日間に亘って食べたが、どれも素直においしいな、というものだったし、なによりも歩留まりほぼ100パーセントと安いので助かる。
ムニエルは半身を、厚みを均等にするために開き、塩コショウして小麦粉をつけて平らになるようにたたく。
これを多めの油でソテーして最後ににマーガリン（バターで風味づけする）。
醤油を垂らすとご飯にも合う。

柚子と醤油とみりんで漬け地を作り、１時間程度漬け込んでじっくり焦げないように焼き上げる。
山椒を振って食べてもおいしい。
また市販のポン酢に漬け込んで食べてもおいしい。

鍋というと昆布だしに酒と塩で煮ながら食べてもおいしい魚もあるが、サバフグ類は淡泊でうま味が少ないのでしっかりだしで煮た方がいい。
ここでは煮干しだしに酒と塩で味つけしたつゆで煮ながら食べた。
韓国風に唐辛子を加えてもおいしい。