コショウダイはディディモゾイドと戦っている

コショウダイは故障が多いのが難


たまにはおいしくない話を。
今や国内漁業で大問題そのものの、未利用魚という言葉がわかっていない人間が多すぎる。特にマイナー魚との混同が甚だしい。今、市場でそれなりに値のついているヨスジフエダイが未利用魚なんて、ビックリするようなことを平気で言う人がいる。ひょっとしたら物事を予算でしか考えない役人がわざとマイナー魚と混同させているとか、か?
例えばコショウダイは明らかに深刻な未利用魚だが、未利用魚と言う人には会っていない。
海域にもよるがディディモゾーン(ディディモゾイドとも)の寄生率が高すぎるのだ。魚屋などの話を聞いても、この手の魚に手を出さないのは寄生虫のせいだと言う。例えば1個体の寄生虫を持ったコショウダイを仕入れたら、二度と仕入れないと思う。
問題はとても味のいい魚だということだ。寄生虫はヒトが食べても問題はない。気味悪いだけだけど、それでもこれを見て食べなさいとはとても言えない。
今年になり豊洲で4㎏近いのを1尾、そして今月地元で1尾、地方の方に送って頂いたのが1尾の計3尾手に入れているが、全部ディディモゾーンに寄生されていた。少ないものは刺身にもできたが、どこを切ってもディディモゾーンに当たるといった個体もあった。
ちなみに九州でも東岸の個体は寄生虫のいる確立が低く、東シナ海側で高い気がするが、これなどはできるだけ早く確かめたい。ただ残念なことに天草などでは水揚げしないで廃棄してしまっている。この寄生率に予算をつける県なり国はないものだろうか?

大丈夫なのもいる


さて、静岡県舞阪産にもディディモゾーンはいたが、とても少なく深刻ではなかった。
当然、焼霜造り、刺身、煮つけなどにして食べた。
皮が硬いので避けていた焼霜造りが非常においしいのにビックリ。
とてもうまかったので余計に、コショウダイの故障なんとかできないか? と強く思った次第。


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