ぼうずコンニャクの食べる魚貝類だけでなく多彩な生物の図鑑です。掲載種は2000種、食用の水産生物の一般的なものは総て網羅。検索法・食べ方を詳しく解説しています。

テングニシ(False fusus)

学名:Hemifusus ternatanus (Gmelin,1781)

テングニシの形態写真

殻長20センチ前後になる。全体に小さな毛に覆われた厚い殻皮に覆われている。上部から見ると丸く、側面から見ると体層と水管が長い。

  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★★

    知っていたら達人級

    ★★

    地域的な水産物、嗜好品的なもの

    ★★★

    美味
    分類
    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新腹足目アクキガイ超科テングニシ科(カンムリボラ)テングニシ属
    外国名
    False fusus
    学名
    Hemifusus ternatanus (Gmelin,1781)
    漢字・由来
    漢字 天狗辛螺
    由来・語源 卵嚢(卵をつつむ殻)が天狗(てんぐ)の団扇に見えるからではないか? 玩具としてのテングニシの卵嚢(卵を包む殻)は「軍配酸漿(ぐんばいほうずき)」。
    形が天狗の鼻のようであるため。
    地方名・市場名
    コウガイ・コウカイ(甲貝)/宮崎県日南市油津、福岡県、熊本県
    コチャニシ/熊本県上天草市
    タバコニシ(煙草螺)/島根県浜田市
    ナガゲ(長甲貝)/福岡県柳川市
    ニシ(螺)/島根県浜田市
    アカニシ、エゴガイ、オオバイ、オキニシケ、カイチョウ、カスビ、カタガイ、クロズ。ケーッポ、ケニシ、コーキャー、コーケニシ、コカイ、コケ、コケミナ、サンゼームゴロシ、ショウタレガイ、シロニシ、ズボラガイ、ドンビ、ナガニシ、ナガビラ、ニシ、ニシガイ、ニシンキャー、ヌノザラシ、ネコガイ、ハマコウカイ、ブ、フウズキギャア、フズキボッポン、ホーガイ、ホウズキガイ、ホウズキニシ、ホウズキバイ、ホウズキボッポ、ホラガイ、ホランケー、ホンニシ、ヨコニシ、ヨダレガイ、ヨナイチ、ヨナキ、ヨナキガイ、ヨナキツブ、ヨナキボラ、ヨナキメン、ヨナキモウバ。
    生息域
    海水生。千葉県房総半島以南。熱帯インド・太平洋。
    水深10〜50メートルの砂地。
    生態
    基本情報
    日本各地で食べられているが、比較的ローカルな存在。
    一般的に流通することは少ない。
    産地では味のよい巻き貝として人気があり、特に有明海周辺などでは好んで食べられている。
    水産基本情報
    市場での評価 関東では入荷量が少なく一定の評価はない。やや高値。
    漁法 底曳き網
    産地 熊本県
    選び方
    軟体などを触ってよく反応するもの。体液など垂れていないもの。臭くないもの。
    味わい
    旬は春
    貝殻が非常に硬い。
    貝殻は硬いので全体を割るのではなく、金槌などで体層の一部を割り、そこから強固な筋を断ち切る。
    それからホークなどで軟体を引き出すといい。
    滑りを取ると硬く、こりこりする。
    身色はきれいでクセやイヤな風味はない。
    熱を通すと硬くなる。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    調理法
    刺身、ゆでる
    生で刺身にするには貝殻を割り、内臓を取り除き、ていねいに水でぬめりを取り除く。このとき塩を使うと簡単にぬめりがとれるが、水で洗った方が歯触りが柔らかい。やや旨味に欠けるものの貝の味わいは楽しめる。
    テングニシの刺身
    刺身 貝らしい旨みにあふれており、食感がよくコリコリして美味。貝好きにはおすすめしたい。
    テングニシの酢みそがけ
    ゆでる ゆでて酢みそが基本。平凡だが刺身よりも柔らかい。ワタもクセがなく美味。酒の肴によい。
    好んで食べる地域・名物料理
    ゆでこうかい(ゆでこう貝) 有明海でとれたテングニシをゆでて切ったもの。福岡県、佐賀県、熊本県のスーパーなどで普通に見かける。
    加工品・名産品
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    うみほうずき 大形の貝で一般には縁日などで売られていた「うみほうずき(テングニシのものは「ぐんばいほおずき)」の貝として知られる。「うみほおずき」は本種の卵で丈夫な殻に包まれた卵を干したもの。これを水でもどして植物のホオズキの身をならすように、口にふくんで音をだす。
    ■ カゴに入れ、なかで産卵させて卵囊(らんのう)を採取。染色して販売する。『標準原色図鑑全集 貝』
    参考文献・協力
    協力/ねこや商店(宮崎県日南市油津)
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『標準原色図鑑全集 貝』(波部忠重、小菅貞男 保育社)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)
  • 主食材として「テングニシ」を使用したレシピ一覧

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