ツチクジラ

Scientific Name / Berardius bairdii

ツチクジラの形態写真

体長12メートルほどになる。口がとがっている。

    • 物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    脊椎動物門ほ乳綱クジラ目歯クジラ亜目アカボウクジラ科ツチクジラ属

    外国名

    学名

    Berardius bairdii

    漢字・学名由来

    漢字 槌鯨。
    由来・語源 不明。
    クジラの語源
    ●クジラの口が大きいので「くちひろ(口広)」が「くじら」に変化した。
    ●クジラは古名を「いさな」という。

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。北太平洋だけに生息する。日本近海では房総から三陸沖以北。

    生態

    魚類、軟体類などを捕食している。

    基本情報

    国際捕鯨委員会(IWC)の対象外となっている。
    古くは江戸時代から捕鯨対象となっている。
    船に乗り銛で突くもので、古式捕鯨とも呼ばれる漁法。
    小型クジラなので比較的古くからとれていたのだと思われる。
    もっとも古くからツチクジラをとっていた千葉県をはじめ、宮城県、北海道が捕鯨基地となっている。
    主に干ものである「たれ」に加工されていた。

    水産基本情報

    産地は千葉県和田町、宮城県牡鹿町、北海道網走に日本海

    選び方

    生肉は酸化されて黒くなっているものが多く、ほとんどが冷凍もの。黒い中にも赤さが感じられるもの。さわって張りのあるもの。

    味わい

    旬は不明
    尾の身はなく、赤身と皮。赤味は酸化されやすいためかすぐに真っ黒になる。焼くと硬くなる。
    心臓はクセがなく、食べやすい。焼いてもそれほど硬くならない。クジラ独特のくさみがある。
    皮と皮下の脂肪は塩漬けにして流通する。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    調理法
    汁(塩皮、塩くじらの汁、小鍋仕立て)、焼く(焼き肉)、揚げる(フライ、竜田揚げ)

    全国的には皮と皮下の脂肪の塩漬けが流通する。これを季節の野菜などとしょうゆ仕立て、みそ仕立ての汁にする。
    焼く 焼くと硬くなるのが難点だが、焼き肉風にしてもいい。
    揚げる フライ、竜田揚げにしても美味。
    貝焼き(かやき)
    秋田県秋田郡五城目町で教えてもらったもの。ネマガリタケやミズなどと塩くじらを小鍋仕立てにしたもの。
    くじら汁
    これを山形市など村山地方では「いるか汁」という。「塩くじら」を季節の野菜とみそ汁にしたもの。

    好んで食べる地域・名物料理

    千葉県

    加工品・名産品

    たれ 千葉県和田町で作られている。塩干し。切り身にして塩水に漬ける。これを干すと塩水(水分や肉からしみ出してくるもの)がたれて落ちるので「たれ」。軽くあぶって食べる。クジラらしい臭みはあるもののおいしい。
    大和煮 缶詰。醤油の甘辛い味わいの煮もの。缶詰の定番的なもので本来は牛肉などで作られたもの。
    ベーコン 皮、赤身などをつかって塩蔵にしたもの。
    塩皮 脂肪の多い皮下と皮を塩漬けにしたもの。野菜と炒める、汁に入れる、ご飯と炊き込むなどする。[つ印 千葉県南房総市]
    千葉県房総半島で作られている「たれ」。立て塩をして干すとき、「塩垂れる」から「たれ」になったとされる。
    大和煮缶詰。醤油の甘辛い味わいの煮もの。缶詰の定番的なもので本来は牛肉などで作られたもの。
    ツチクジラの皮下の脂と身のベーコン。
    塩皮(塩くじら)は皮とその下の脂肪を塩漬けにしたもの。日本各地で汁などになる。

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本の哺乳類』(小宮輝之 学研)
  • 主食材として「ツチクジラ」を使用したレシピ一覧

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