形態◆新しいものはルビーを思わせるかのごとく赤く、目が大きくて、鱗は櫛鱗でざらざらする。形は平凡で特徴がない。
スズキ目(Perciformes) について◆
世界中のあらゆる水域に生息。脊椎動物中最大のグループ。17亜目148科約1496属約9293種。
スズキ亜目(Percoidei) について◆
世界72科約529属約2865種。■タイ科、アジ科、スズキ科、ハタ科など重要な種を含む科が目白押し。
ホタルジャコ科(Acropomatidae) について◆
太平洋、インド洋、大西洋に約25種。
■食用となるのはアカムツ、ワキヤハタ、オオメハタ、ナガオオメ、ホタルジャコ、スミクイウオなど。
硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科アカムツ属
アカムツ(漢字/赤(魚偏に陸の右側) 英名/Blackthroat seaperch)
学名/Doederleinia berycoides (Hilgendorf)
他のホタルジャコ科の魚へはここから!
魚貝の物知り度/★★★ 知っていたら通人級
食べ方◆塩焼き(干物)/刺身/煮つけ ◎非常に美味
大きさ◆40センチ前後になる
生息域◆福島県・新潟県以南、鹿児島。東部インド洋・西太平洋。
生態◆産卵期は6月から10月。
市場での評価・取り扱われ方◆珍しくはないが、入荷は少ない。超高級魚。
◆食べてみる◆
 白身だが、非常に脂がある魚だ。ときに脂がのりすぎて、熱を通すと大量の透明な脂がしたたり落ちてくる。
 釣りもので鮮度のいいものはまるでルビーを思わせる色合い。ただし島根県などではこの色合いの鮮やかなものよりも、鱗が剥がれて白っぽくなったものの方が値がつくことがある。白っぽく薄汚れたものは泥っぽい場所にいて、非常に脂がのっている。
 鮮度がよければ刺身は素晴らしい。皮を引かないで焼き霜造りにしてもいい。まず三枚に卸す。血合い骨を抜き、皮目をあぶり、冷水におとす。水分を拭き取って刺身にする。旨味も脂も皮下、皮にある。口の中でとろけるようなので、島根県水産技術センターなどはアカムツを「白身のトロ」と入っているが、まさに当たっている。
 煮つけにも塩焼きにもなるが、どちらかというと焼く方がうまい。焼きあがったアカムツの身の、適度に繊維質で滑らかな質感には至福の味がする。
◆名物料理・郷土料理◆
干物/各地でアカムツの干物が作られていて島根県浜田市などは名物としているが、これも絶品だ。干物界の王様ともいえそう。


島根県浜田市で作られた「のどくろの開き」。非常に脂があって美味。

喉黒ご飯/丸ごとご飯に炊き込む豪快な料理だ。
みそ焼き/みそをつけて焼くというもの。新潟県などでよく作られる。
寿司に関しては寿司図鑑へ!
アカムツの基本◆
■長崎県対馬では「紅瞳」というブランド名をつけて売り出している。
■2009年現在、もっとも高値がつく魚のひとつ。

1940年にはやや大量にとれた。
漁獲方法◆底引き/延縄(釣り)
漢字◆「赤(魚偏に陸の右側)」。
由来◆東京、千葉での呼び名。脂っこい魚で赤い。
「むつ」について◆「むつ」とは「脂っこい」ことを「むつっこい」、「むつこい」、「むっちり」、「むつごい」というから来ている。すなわち脂っこい魚という意味合い。
呼び名・方言◆
■日本海沿岸では「ノドクロ(喉黒)」、「ノドグロ(喉黒)」。
島根県では小型のものを「メッキン」、「メキン」。
「アカウオ」、「ギョウスン」、「キンギョ」、「キンギョウオ」、「キンメ」、「ダンジュウロ」、「メブト」。
釣り◆東京湾口、千葉県外房沖、茨城など100メートルから150メートルで身エサ、天秤仕掛けで釣る。
同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
参考/『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『魚』(1940 田中茂穂 創元社)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『島根のさかな』(島根県水産試験場 山陰中央新報社)
■私見
がついたものは引用部、もしくは参考文献あり
●本サイトの無断転載、使用を禁止する