魚貝の物知り度/★★★ 知っていたら通人級
市場での評価・話題◆秋から春まで入荷が多いもの。値段は一定しない。北海道産などは安値安定
生息域◆東北以北の大平洋側、山陰以北の日本海に棲息。
生態◆雑産卵期は山口県日本海側では暮れの11月、12月。
漢字◆
「鰰」、「雷魚」、「燭魚」、「波多波多」(『魚の本』鈴木克実 久保書店)。
由来◆「雷光の古語“はたはた神”からなった。この魚が産卵のために群集して接岸するときに北日本では雷鳴がよくある呼称」。
「体表に「斑(はたら)」のあるため。

呼び名・方言◆
鳥取県岩美郡岩美町網代港では「白はた」。
「雷魚(かみなりうお)」、「佐竹魚(佐竹は秋田の殿様 さたけうお)」。

食べ方◆ 煮つけ/鍋(湯あげ)/しょっつる鍋/飯鮓
酢締め/塩焼き(干物)/ムニエル

 ハタハタといえば秋田、なんてイメージは今でもあるが、漁獲量は北海道釧路、噴火湾、北陸、山陰などが多い。
 秋田名物であるハタハタを1960年代の水準まで戻そうという努力は、やや上向きにある漁獲量に表れている。漁獲量の激減した1990年前後に秋田市民市場を歩いても県内でとれたものは見当たらず、鳥取や北海道からのものばかりであった。これが2006年には東京でも秋田産の大ハタハタが目立った。
メモ/このハタハタの商品価値を上げているのが卵巣である。秋田では「ぶりこ」という。確かにこの「ぶりこ」、旨味が濃厚にありねっとりと舌にからむ。身のうまさからいっても一級品のハタハタにしても「ぶりこ」が入っていなければ値打ち半減なのである。その「ぶりこ」であるが成熟が進みすぎるとプチプチと面白い食感ながら、うまくはない。まだ未熟で舌の上でほろりとつぶれるぐらいがいい。
◆食べてみる◆
 
この魚、ウロコがなく水洗いも簡単で食べやすい。秋田市民市場で聞いた最上の食べ方が「湯あげ」である。鰓をとり水洗いしたハタハタを昆布だしでゆであげる、これをポン酢でも生しょうゆでも好みのものをつけて食べる。また塩魚汁(しょっつる)鍋も素晴らしい味わいである。
 鳥取県でも干物、ときに刺身などにもするが、もっとも頻繁に作るのが煮つけである。地元では「白はた」と北海道などのハタハタは別種であるとして、脂ののった山陰のハタハタを煮つけで珍重する。これは万人向けの味わい。非常に美味。
 秋田の名物に「はたはたずし」「三五八漬け」がある。ハタハタに塩をしてご飯、麹と大根、ニンジンと漬けたもの。これは甘口の秋田の酒にはもってこいの肴。
 鮮魚で手に入れたら三枚に卸して酢締めにするとビックリするほどうまい。これは病みつきになる。また当然の如く簡単かつうまいのは塩焼きであろう、塩をして軽く干してから焼く。皮がねっとりして旨味が強くしかも香ばしい。市販の干物も当たり外れがなくどれもうまい。変わり種では粉をまぶしてからのムニエル。ハタハタの皮目の風味が生きてくる。
●ハタハタや塩魚汁、三五八漬けなどは秋田市の渡辺淳子さんから。感謝致します
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硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系
スズキ目ワニギス亜目ハタハタ科
ハタハタ
Arctoscopus japonicus
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食べ方◆ 煮つけ/鍋(湯あげ)/しょっつる鍋/飯鮓
酢締め/塩焼き(干物)/ムニエル
色合いのきれいなハタハタの卵巣(鰤子 ぶりこ)であるが、これは成熟が進みすぎている。鰤子の食べ頃は年末。年始になると固くなる。ただし秋田の方に聞くと、この硬い卵巣を口の中で噛み、うまいエキスを楽しんで、そとの卵殻はチューインガムのように吐き捨てるのだという
ハタハタというと卵巣(鰤子 ぶりこ)のことばかり話題に上るが、それを味わいで上回るのが白子である。その味わいは小振りでもマダラを上回るほどの味わい。クリーミー、かつマダラよりも上品な旨味がある
ハタハタの鮓(飯鮓)は、なれ鮓のひとつ。塩漬けしたハタハタのオスを今度は麹と漬け込む。
秋田のなべ婦人から送っていただいた三五八漬け。塩3・麹5・米8を合わせたものが「三五八漬け」のもと。そこにハタハタを丸のまま漬け込む。これが甘味のある香ばしさであってうまいのだ
ハタハタの塩汁鍋
秋田名物のハタハタの「しょっつる鍋」はとても簡単で手軽な料理である。用意するのはハタハタと塩魚汁(しょっつる)、白菜やネギなどの野菜である。まず、鍋に塩魚汁と水で味加減をする。沸いてきたら、ここに鮮度がよいハタハタならそのまま沈める
火が通ったら汁とともに器にすくいとる。汁のなかでほぐしながら食べていく。ときに汁を飲みながら、一匹ずつ食べるのが正しい。 精巣(白子)の方が味わい深いが、卵巣のぬめるのあるなかにプチプチはじけるのもうまい