テングニシ

Scientific Name / Hemifusus ternatanus (Gmelin,1781)

テングニシの形態写真

20cm SL 前後になる。全体に小さな毛に覆われた厚い殻皮に覆われている。貝殻は陶器質で微かに赤みを帯びる。肩の棘は強い個体と強くない個体がある。上部から見ると丸く、側面から見ると体層と水管が長い。
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20cm SL 前後になる。全体に小さな毛に覆われた厚い殻皮に覆われている。貝殻は陶器質で微かに赤みを帯びる。肩の棘は強い個体と強くない個体がある。上部から見ると丸く、側面から見ると体層と水管が長い。20cm SL 前後になる。全体に小さな毛に覆われた厚い殻皮に覆われている。貝殻は陶器質で微かに赤みを帯びる。肩の棘は強い個体と強くない個体がある。上部から見ると丸く、側面から見ると体層と水管が長い。[長崎産 肩の棘が強い]20cm SL 前後になる。全体に小さな毛に覆われた厚い殻皮に覆われている。貝殻は陶器質で微かに赤みを帯びる。肩の棘は強い個体と強くない個体がある。上部から見ると丸く、側面から見ると体層と水管が長い。[宮崎産 肩の棘はあまり強くない]20cm SL 前後になる。全体に小さな毛に覆われた厚い殻皮に覆われている。貝殻は陶器質で微かに赤みを帯びる。肩の棘は強い個体と強くない個体がある。上部から見ると丸く、側面から見ると体層と水管が長い。[山口県産 肩の棘が弱く細長い]20cm SL 前後になる。全体に小さな毛に覆われた厚い殻皮に覆われている。貝殻は陶器質で微かに赤みを帯びる。肩の棘は強い個体と強くない個体がある。上部から見ると丸く、側面から見ると体層と水管が長い。[宮崎産 肩の棘はあまり強くない]20cm SL 前後になる。全体に小さな毛に覆われた厚い殻皮に覆われている。貝殻は陶器質で微かに赤みを帯びる。肩の棘は強い個体と強くない個体がある。上部から見ると丸く、側面から見ると体層と水管が長い。[山口県宇部産 肩の棘はあまり強くない]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新腹足目アクキガイ超科テングニシ科(カンムリボラ)テングニシ属

    外国名

    学名

    Hemifusus ternatanus (Gmelin,1781)

    漢字・学名由来

    漢字 天狗辛螺 Tengunisi
    由来・語源 『目八譜』より。卵嚢(卵をつつむ殻)が天狗(てんぐ)の団扇に見えるからではないか? 玩具としてのテングニシの卵嚢(卵を包む殻)は「軍配酸漿(ぐんばいほうずき)」。もしくは形が天狗の鼻のようであるため。
    目八譜
    1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。水深10〜50メートルの砂地。
    千葉県房総半島以南。熱帯インド・太平洋。

    生態

    基本情報

    比較的暖かい海域にいる非常に大型の貝だ。西日本などでは貝殻のまま売られているので、目を引く。東日本ではまず見かけることがない。
    産地では味のよい巻き貝として人気があり、特に有明海周辺などでは好んで食べられている。
    珍魚度 関東など東日本や北日本で手に入れるのは非常に難しい。西日本では普通なので取り寄せるか、旅先で探すといい。

    水産基本情報

    市場での評価 関東では入荷量が少なく一定の評価はない。やや高値。
    漁法 底曳き網
    産地 熊本県

    選び方

    軟体などを触ってよく反応するもの。体液など垂れていないもの。臭くないもの。

    味わい

    旬は春だが、西日本では年間を通して食べられている。
    貝殻が非常に硬い。貝殻は硬いので全体を割るのではなく、金槌などで体層の一部を割り、そこから強固な筋を断ち切る。それからホークなどで軟体を引き出すといい。
    滑りを取ると硬く、こりこりする。身色はきれいでクセやイヤな風味はない。熱を通すと硬くなる。

    栄養

    危険性など

    唾液腺にテトラミンがあるので蓋のついた部分を縦に割り、除去してから食す。

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    テングニシの料理・レシピ・食べ方/煮る(塩ゆで)、生食(刺身)

    テングニシの塩ゆで 瀬戸内海や九州でのもっとも基本的な食べ方は塩ゆでである。流水などで汚れを洗い。水分をよくきり、10分前後塩ゆでにする。そのままゆで汁で冷まして、身を取り出し、消化器と唾液腺を除いて食べやすい大きさに切る。
    嫌みのない上品な味わいなので、酢みそや酢コチュジャンで食べるとおいしい。

    テングニシの刺身 貝殻は硬いので貝殻の一部に穴を開けて軟体を取り出すといい。蓋を取り、足を割って唾液腺を除去する。消化器を取り去り、ワタは塩ゆでにする。足はていねいにぬめりをもみ出し、仕上げに塩をまぶして揉みヌメリを取る。仕上げに水洗いして刺身状に切る。くせのない味わいで食感が心地よい。

    好んで食べる地域・名物料理

    塩ゆで 小売店でゆでて販売。主に中国地方、九州で売られている。

    こう貝の塩ゆで 有明海産「こうかい」を塩ゆでして刻んだもの。酢みそが添えられている。福岡県大川市・大木町などのスーパー、直売所には同じようなパックが並んでいる。

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    うみほうずき 大形の貝で一般には縁日などで売られていた「うみほうずき(テングニシのものは「ぐんばいほおずき)」の貝として知られる。「うみほおずき」は本種の卵で丈夫な殻に包まれた卵を干したもの。これを水でもどして植物のホオズキの身をならすように、口にふくんで音をだす。
    ■ カゴに入れ、なかで産卵させて卵囊(らんのう)を採取。染色して販売する。『標準原色図鑑全集 貝』

    参考文献・協力

    協力/ねこや商店(宮崎県日南市油津)
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『標準原色図鑑全集 貝』(波部忠重、小菅貞男 保育社)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)

    地方名・市場名

    タツロウガイ[達朗貝]
    場所京都府伊根町 備考達朗という人が好きだったため。 参考大西幸子さん 
    ニシキガイ
    場所京都府宮津 参考本藤靖さん 
    ニシ[螺]
    場所島根県浜田市、山口県宇部市 参考青山時彦さん(宇部市青山鮮魚) 
    カスビ
    場所広島県呉市倉橋島、山口県東部瀬戸内海側 参考日美丸さん、勢登さん 
    カイチョウ[貝長]
    場所静岡県静岡市静岡中央卸売市場 参考20190304 
    ヨナキガイ[夜泣貝]
    場所鳥取県境港 参考文献 
    コウガイ・コウカイ[甲貝]
    場所宮崎県日南市油津、福岡県、熊本県 
    コチャニシ
    場所熊本県上天草市 
    タバコニシ[煙草螺]
    場所島根県浜田市 
    ナガゲ[長甲貝]
    場所福岡県柳川市 
  • 主食材として「テングニシ」を使用したレシピ一覧

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