舞鶴産ダルマ大小ありが素晴らしかった

このサイズまでは比較的安い


八王子綜合卸売協同組合、マル幸に京都府舞鶴産のダルマ(ケンサキイカの若い個体)がきていた。舞鶴漁港には京都府の丹後半島・若狭湾全域から船で、陸送で魚介類がやってくる。そんなこんなで厳密な産地はわからないが、なんとなく想像してみるのも楽しい。
プロにしかわからないことだけど、ダルマ(小型)は産地で重さを量って氷の上に平らに並べた(下氷)だけの荷(発泡の箱)仕立てでやってくる。大きくなるとていねいに並べられてくるが、かなりお高い。比較的貧しいので、ダルマのお買い得感に惹かれてしまう。
今回の荷が取り分け魅力的なのは大小ばらつきがあることだ。とても優秀な居酒屋さんなど喜んで自分好みの大きさを拾い、仕入れていく。小さいのを選んでいるときには「煮イカ」、大きいのを選んでいるときには刺身だろうななんて、「いいサイズですね」なんて横から声を掛けると、「今数えてるんでい」と怒鳴られので止めましょう。
さてボクは大80gを2はい、小25gを手の平一杯買って来た。

大ケンサキに負けない味のつもり


まずは大80g2はいの湯引きである。湯引きとは料理人やすし職人と話しているときに、普通に出てくる料理名である。「生よりもちょっと湯引いた方がいい」なんて感じで使う。軟体動物であるイカ・タコ(頭足類)、貝類などは完全な生よりも湯引いたほうがうまい。
まずはげそを抜き、外套膜(胴の部分)を開いてわたを取り去り、ざっと洗う。水分をよくきり皮を剥く。小さいので適当でいい。
湯をわかし、沸騰したら火をとめてコップ1杯程度の水をさす。その中で胴と耳(ひれ)を揺らす程度に揺らして氷水に取る。
水分を拭き取り、大雑把に切りつける。
表面に少しだけ熱を加えるだけで、シコシコというよりはパリっとした食感に変わり、うま味も甘味も増大するから不思議。
思わず冷酒をコップ一杯クイクイ生きたくなる、そんな味だ。


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