トゲカジカ

代表的な呼び名ナベコワシ

トゲカジカの形態写真一覧 (クリックで下に拡大表示)
体長70センチ、重さ10kg前後になる。頭が非常に大きく、鰓蓋骨以外に目立つ棘はない。頭部目の後方上に2対の棘があり、皮弁はない。尾鰭の後縁、もしくは後縁近くには透明な帯がある。頭部目の後方上に2対の棘があり、皮弁はない。尾鰭の後縁、もしくは後縁近くには透明な帯がある。

トゲカジカの形態写真

体長70センチ、重さ10kg前後になる。頭が非常に大きく、鰓蓋骨以外に目立つ棘はない。頭部目の後方上に2対の棘があり、皮弁はない。尾鰭の後縁、もしくは後縁近くには透明な帯がある。

魚貝の物知り度 ★★★
知っていたら通人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目カジカ科ギスカジカ属
外国名
Great sculpin
学名
Myoxocephalus polyacanthocephalus  (Pallas, 1814)
漢字・由来
漢字 棘鰍(togekajika)、棘杜父魚
由来・語源 鰓蓋上の棘(とげ)が強く大きいカジカの意味。
地方名・市場名
一般にナベコワシ(鍋こわし)。
他にはオキカジカ、マカジカ、モカジカ、ヤリカジカ。

概要 ▽

生息域

海水魚。水深50-300m。
新潟県佐渡、秋田県、青森県、岩手県、北海道全沿岸。朝鮮半島東岸〜沿海州、間宮海峡、千島列島、オホーツク海東部・北部、カムチャツカ半島東南岸、アリューシャン列島、チュクチ海南島〜ベーリング海、アラスカ湾。

生態

産卵期は12月〜翌2月。
産卵のために岸寄りに移動する。

基本情報

東北以北で水揚げがある。北の海にカジカ科の魚は多種あるが、もっとも大きくなる。
「なべこわし」という方が有名。この呼び名は汁にしてあまりにもうまいので、「鍋の底に残った一滴の汁も余さないようにすくい取ろうとして鍋を壊すほどだ」という意味。
北海道ではもっとも代表的なカジカで流通する量も多く、寒い時期、産卵期には「かじか汁(みそ汁)」に、鍋物にと大活躍する。
関東などにも入荷してくるが、なじみがないために人気がない。1980年代に北海道で初めて何度か煮返したみそ汁をいただいて以来のファンであるが、なぜか都内で食べてもその感動は得られない。

水産基本情報

市場での評価 寒くなると北海道から入荷してくる。関東では非常に安い。
漁法 釣り、底曳き網
主な産地 北海道

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

触って硬いもの。粘液をまとっているが鮮度がいいと粘り、古くなると緩くなる。鰓が鮮紅色のもの。

味わい

旬は冬。
鱗はほとんどなく汁にするなどしても気にならない。皮は厚くしっかりして硬い。骨はあまり硬くない。
血合いがよほど鮮度がよくないと赤くなく、同様に透明感のある白身だが、ボケやすい。繊維質が少なく。ぼろっとしている。
料理の方向性
上身(左右の身)よりも頭部や中落ち、腹骨についている身の方がうまい。よほど鮮度がよくないと身は繊維質に乏しく、生では食感が悪く、またうま味も少ない。また熱を通すと硬く締まるので、焼くよりもむしろ煮込む方がいい。鍋で何度も煮返した汁がうまいのも特筆すべき点だ。卵巣はサケの卵巣と同様にしょうゆ漬けにする。

栄養

寄生虫

アニサキス/袋形動物門線形動物綱回虫目ヘテロケイルス科アニサキス亜科に属している数種。最終宿主はイルカを始め鯨類とアザラシなど。卵が最終宿主の排泄物と一緒に海に。これを第一宿主であるオキアミ類などが食べ、魚などに餌として取り込まれる。魚は第二宿主にあたる。カジカ類の腹、筋肉などからはしばしばアニサキスの仲間が見つかる。アニサキス症には緩和型と激症型がある。アニサキスを食べると胃や腸に痛みを起こし、嘔吐感を感じる。激症には非常に強い痛みがあり、しばしば急性腹症と間違われて開腹手術を受けることがあるという。

食べ方・料理法・作り方

調理法 汁(みそ汁、潮汁、鍋もの)、揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ)、生食(生)
みそ汁 基本的に汁ものにするが、みそとの相性がとてもいい。オレンジ色の肝や胃袋をなど余すところなく使うと実にいいだしが出る。北海道で食べたみそ汁は大根、にんじん、じゃがいもなども入って具だくさんであったが、これも実にうまい。
トマト煮込み あらとセロリ、にんじんなど香りのある野菜を炒めてブイヨンをとる。これを一度こして、ソテーした上身を煮込む。
唐揚げ 身を適宜に切り、片栗粉をまぶして揚げる。揚がったら塩コショウ、もしくは塩とカレー粉を振る。身は鶏肉を思わせて締まっていて、鰭や皮が香ばしい。
刺身 鮮度が落ちやすいので、刺身は産地ならではだと思う。

好んで食べる地域・名物料理

北海道、東北地方。
かじか汁 北海道の郷土料理。「鍋壊(なべこわし)」を水洗い。肝だけ取り分ける。ぶつ切りにして昆布だし(水)で煮てみそを特。じゃがいもやにんじん、大根などの根菜類を合わせるとより味わい深い。[北海道]

加工品・名産品

釣り情報

歴史・ことわざなど

■鍋こわし(なべこわし)とは「あまりにうまいので、鍋の底までかき回し、鍋を壊してしまうほどうまい」という説と「まずいので鍋をこわしてしまう」という説がある。
■「オレンジ色の肝(肝臓)は海のフォワグラと呼ばれる」

参考文献 ▽

『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)


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