ブリ

ブリの形態写真一覧 (クリックで下に拡大表示)
1mを超える。紡錘形。ヒラマサに似ている。画像は10.2kg。関東でイナダ、関西でツバス、ハマチ、九州でヤズ、富山県氷見でフクラギと呼ばれる30cm〜40cmサイズ。関東でワカシ、静岡県でワカナゴ、富山県氷見でコズクラ、徳島県でツバスと呼ばれる15cm〜30cmサイズ。山形県、富山県でアオコ、愛知県でアブコ、九州北部でワカナゴ、高知県でモジャコ(藻雑魚)と呼ばれる10cm以下のまだ縞模様の残るもの。主顎背後角は角張る。ヒラマサでは角が丸い。胸鰭と腹鰭はほぼ同じ長さ。ヒラマサは腹鰭の方が長い。稜鱗(ぜんご)は尾の部分のみにあり、背鰭・尻鰭と尾鰭の間に離鰭(小さな鰭)はない。

ブリの形態写真

1mを超える。紡錘形。ヒラマサに似ている。画像は10.2kg。

魚貝の物知り度
知らなきゃ恥
食べ物としての重要度 ★★★★
重要
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
動物門脊椎動物門硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属
外国名
Japanese amberjack
学名
Seriola quinqueradiata Temminck and Schlegel, 1845
漢字・由来
漢字 「鰤」。魚へんに「師」とかくのは旧暦師走に美味であることから。
由来 ■ 「『大言海』にあぶらの転訛であり、脂肪の多いことから〈あぶら〉→〈ぶら〉→〈ぶり〉」
■ 「江戸時代の『日本山海名産図絵』に〈老魚の意をもって“年経(へ)りたるを”“老(ふ)り”により『ふり』の魚という。濁音にいいならわしたり〉」
■ 「身が赤くて“ぶりぶり”しているため」
■ 「雪の降る頃によく捕れて、味もよいので〈降りの魚〉の意」
■ 「頭魚、丸い頭の魚、丸くて大きな頭の〈丸〉を〈つぶり〉というの〈つ〉を省いたもの。
■ 私見だが、「ブリ」とは魚の種類のことではなく、この標準和名のブリの大型のものをさす言語かも知れない。すなわち大型になると脂が多く、死んでもあまり早く死後硬直しない。だから手に持って「ぶらぶら」するために「ぶら」がブリに転訛したもの、ではないか。
地方名・市場名
出世魚。成長段階での各地での呼び名
山形県鶴岡市由良漁港 アオコ、イナダ、ワラサ。
東京 ワカシ、ワカナ、ワカナゴ(10〜15センチ)、イナダ(30〜40センチ)
相模湾(関東) ワカシ、イナダ、サンパク、ワラサ、ブリ
愛知県 小型アブコ、3キロ前後イナダ、4〜10キロワラサ
関西(大阪など) ツバス(10〜15センチ)、ハマチ(20〜40センチ)、メジロ(50〜60センチ)、ブリ(80センチ以上)
和歌山県 ワカナゴ(10〜15センチ)、ツバス((20センチ前後)、イナダ、イナラ(25〜30センチ)、ハマチ(30〜40センチ)、メジロ(50〜60センチ)、ブリ(60センチ以上)、オオイオ((70〜80センチ)、ドタブリ(1メートル以上)
富山県 ツバエソ・ツバイソ【6センチ前後】→コズクラ【9〜15センチ】→フクラギ・フクラゲ【福来来30〜45センチ】→アオブリ→ハナジロ→ガンド→ブリ→オオブリ
富山県氷見市藪田浦漁業協同組合 アオコ→コズクラ→フクラギ→ガンド→サンカ(三年)→ブリ
島根県 モジャコ、ショウジンゴ(ツバス、ワカナ)、ハマチ(ヤズ)、メジ、マルゴ、ブリ
徳島県海部郡海陽町宍喰町 体長10cmまでの稚魚をモジャコ、25cmまでをツバス、重さ3.5kgまでをハマチ、重さ8kgまでをメジロ、それ以上をブリという。[『宍喰の民俗』(徳島県文化振興財団 2004)]
高知県 モジャッコ(6センチ以下)、モジャコ(10センチ前後)、ワカナゴ(12〜20センチ)、ハマチ(30〜40センチ)、メジロ(40〜50センチ)、ブリ(60センチ以上)、オオイオ(80センチ以上)
九州北部 ワカナゴ(9〜12センチ)、ヤズ(15〜20センチ)、ハマチ(30〜40センチ)、メジロ(50〜60センチ)、ブリ(80センチ以上)、オオウオ(1メートル)
【部分】
石川県鳳珠郡能登町で胃のことをフト。

概要 ▽

生息域

海水魚。
北海道〜九州南岸のオホーツク海、太平洋、瀬戸内海、日本海、東シナ海、希に沖縄県。朝鮮半島南岸・東岸、済州島、千島列島の太平洋沿岸、ピーター大帝湾。

生態

産卵場は房総半島、能登半島以南。
産卵期は南ほど早く2月から7月。
1年で32センチ前後、2年で50センチ前後、3年で65〜70センチ、4年で75センチ前後、5年で80センチを超える。
稚魚期は甲殻類、その後はイワシ類、アジ類、イカ類など肉食に。
水温の上昇とともに北に回遊、水温が下がってくると南下する。

基本情報

西日本のブリ、東日本のサケと、年取り魚は東西で分かれる。
歳時記では冬で、この時期に脂がのって美味となる。
また瀬戸内海などではハマチといわれる50センチ以下の若魚を尊ぶ。
このハマチの養殖が香川県で、大正から昭和にかけて始まった。
これが海水養殖の始まりとなる。
そのため、ハマチは養殖魚の代名詞ともなっていた。
この養殖はますます盛んとなり、現在ではスーパーなどにも年間を通して並び、養殖ブリの切り身のない日はないといった状況になっている。
安いこともあり、刺身、照り焼きなど、総菜としても人気がある。
ただし、今でも冬の日本海でとれたブリサイズ(1メートル前後)は非常に高い。
スーパーに並んでいた養殖切り身。この切り身は今では小売り店の必須アイテムといってもいい。安くてボリュームがあって脂がのっている。

水産基本情報

市場での評価 養殖ものは年間を通じて入荷量が多く、安定した価格を維持している。ただし比較歴廉価での安定ともいえる。天然魚も少なくはないが、若魚などは非常に安く、ほとんど市場価値のないときもある。成魚ブリは三陸、佐渡島産などでは時に高値となり、また超高級魚ともなる。
漁法 巻き網、定置網、釣り
天然産地 長崎県、石川県、島根県、鳥取県、千葉県
養殖産地 鹿児島県、愛媛県、大分県、長崎県、香川県、熊本県
● ブリ養殖(ハマチ養殖)は昭和の初めに香川県引田町(現東かがわ市)安戸池で野網和三郎によりはじめられた始められた。

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

身体がふっくらしているもの。張りのあるもの。鰓が鮮紅色であるもの。
ほとんど切り身、もしくは刺身用で売られています。血合いが鮮やかに赤いもの。古くなると褐色になる。
張りがあって、脂は身の中に混ざって入っているので白くにごるので、赤いものよりも、白い方が脂ののりがいい。
養殖ものは安定した品質を保っている。
天然養殖にこだわらなくてもよいが、天然ものには季節ごとの味わいに変化があり、特に冬の天然は高級品だが味は最高。

味わい

ブリサイズ(1メートル前後)は冬から春が旬。
60cm〜70cmのものは春〜夏にかけて味がいい地域がある。
養殖ものは常に脂がのっている。
鱗は細かく取りにくい。大型はすき引きしてもいい。皮は厚くしっかりしている。
白身で血合いが赤く美しい。
アラなどからいいだしが出る。
大きさによって味わいが大きく異なる。
おいしいのは40センチを超えてから。小さいものはまずい。

栄養

良質のタンパク質を豊富に含む。養殖ものの方が天然ものよりも脂が多く、脳を活性化させるDHA、血栓などを防ぐ働きをするEPAを豊富に含んでいる。ビタミンBIとB2が多いのも特徴で不眠症の緩和や疲労感を和らげ、中性脂肪を下げる、皮膚を健全に保つなどの働きをする。

寄生虫

食べ方・料理法・作り方

料理法 刺身(カルパッチョ、セビーチェ)、焼く(照り焼き、幽庵焼き、みそ漬け、塩焼き)、汁(吸い物、鍋、しゃぶしゃぶ、粕汁)、煮る(ぶり大根、煮つけ)
ブリの刺身刺身
刺身は大小、養殖天然で味が大きく違っている。養殖ものは年間を通じて脂が強い。また冬、日本海でとれるブリは脂ののり、旨みも強い。
ブリの照り焼き照り焼き
焼きものとしての照り焼きの難易度は高く、難しいが、フライパンを使ってもよい。 油で焼き、一度取りだして、みりん、酒、砂糖、醤油などをフライパンで煮つめてからめる。
ブリのしゃぶしゃぶしゃぶしゃぶ
個人的におすすめなのが「しゃぶしゃぶ」。脂の強い養殖ものを、お好みの火の通し方で食べる。刺身よりも食べやすく、野菜などもとれるので健康的でもある。
ブリ大根鰤大根
ブリのあらと大根をじっくり煮たもの。長時間煮込んで、骨まで食べ尽くすことができる。ブリのだしがしみた大根の味はブリよりも美味とも言われている。
ブリの粕汁粕汁
定番料理のひとつ。根菜と振り塩をして、熱湯に通したブリの汁に酒粕と味噌を溶き入れる。

好んで食べる地域・名物料理

富山県、石川県など北陸、福井県、京都府、岐阜県、長野県松本。山陰。北九州。太平洋側よりも日本海側で大小を問わずよく食べられている。
鮮魚 ハレ
刺身、焼きものなど●長野県松本市では古くは塩ぶりを食べていたが、近年は鮮魚を好んで食べている。ブリ(ふくらぎクラス以下も多いよう)の消費量も多いという。古くは産地から来ていた塩ぶりも今ではわざわざ鮮魚で作っている。
刺身
徳島市内町場では「一夜明けて元旦はぶりの刺身で祝う」。残ったぶりは塩焼きにして、白いごはんのおかずにいただく。『聞き書 徳島の食事』
雑煮
雑煮 ●福岡県福岡市、岐阜県、長野県などではブリの入った雑煮が定番。
雑煮(岡山県備中町黒鳥)●正月に食べる雑煮では戦後に食べたブリを入れたものがおいしかった。ほかにはサケ、はいの子(オイカワの幼魚)も使った。野菜は大根とニンジン。[杉田成子さん 昭和2年生まれ]
塩鰤
盬鰤の煮ぶたし 「葱、大根、トウ芋(唐芋 サツマイモか?)などを使い、その上に切り身を置き、かぶるほどの水を入れて煮る」(中村汀女 1900〜1988 熊本県飽託郡画図村[現熊本市])『ふるさとの料理』(近藤永之介ほか 中央公論社 1955)
ブリの吸いもの
鮮魚
吸いもの(椀種) 吸いもの(吸いもん)●冠婚葬祭にでる吸いもの(すまし汁)にはまち(ブリ)を入れる。徳島県ではサワラとともに多用される。これは徳島県だけではなく西日本で広く作られているものだと思われる。[徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)、美馬町(現美馬市)]
はまちの炊き込みご飯
鮮魚
炊きこみ 「秋にさばやはまちがたくさんとれたときに作る」。「はまち」は三枚に下ろして小骨を取り、生じょうゆに20分くらい漬け込む。ご飯が炊けたら蒸らしの途中で漬け込んだ「はまち」を入れて混ぜ、ふたをしないでまた蒸らす。[『聞き書 徳島の食事』阿南市]
ブリのりゅうきゅう
鮮魚
りゅうきゅう・あつ飯 生の魚の切り身(刺身)をたれ(しょうゆ、みりん、酒、ねぎ、しょうが、すりごまを合わせたもの)に漬け込んで置き、温かいご飯(熱々のご飯)にのせて食べるものなので「熱飯」という。お茶などをかけて食べてもいい。魚はマアジ、サバ、ブリ、カンパチ、サワラ。[大分県佐伯市、大分県北部]『酒と肴の文化地理 大分の地域食をめぐる旅』(中村周作 原書房)[大分県全域]『酒と肴の文化地理 大分の地域食をめぐる旅』(中村周作 原書房)
ブリ雑煮鰤雑煮(長野県松本市) 「正月三が日の雑煮はきまっていた。おすましといって母が十二月ごろ味噌を煮て、その絞り汁を使った。短冊に切ったニンジン、大根、昆布、凍り豆腐と、鰤の小さなコマ切れのゆでたのを入れて、鰹節をかけて汁をそそいだ」(『松本そだち』丸山太郎 秋桜舎)
塩ブリ塩鰤 10kg上のブリを使い作ってみたもの。内臓を出し、腹骨の基部に包丁を入れる。全体、内臓の入っていた内側に塩をすり込み5日ほど寝かす。軽く水洗いして2〜3日干して水分を抜いた。
塩鰤 暮れに買い込んだ塩鰤を焼き上げたもの。脂がのっていて実に濃厚な味。[長野県松本市]
ブリのあんかけ ブリの切り身は塩を振り、半日ほどおく。鰹節だしに、酒、しょうゆ(薄口しょうゆ)で味つけ。吸い物よりもやや濃いめの味つけにする。これを水溶き片栗粉でとろみをつけてあんを作る。塩をしたブリの切り身をゆでて、皿に盛り、あんをかける。天盛り(上に)おろししょうがをのせる。『今も伝わる大阪のごはんとおかず』。大阪で寒い時期に食べる料理。(宮本智恵子編著 創元社 1984)

加工品・名産品

いなだ 石川県。ブリを開いて干し上げたもの。酒などに浸して食べる。
かぶらずし 塩漬けのブリとかぶら(蕪)を米麹で漬け込んだもの。
塩ぶり 富山県などで作られる。これが岐阜県飛騨地方に送られて「越中鰤(えっちゅうぶり)」と呼ばれるようになり、飛騨から長野県などに運ばれて「飛騨鰤(ひだぶり)」と呼ばれるようになり年取りの魚となる。
塩ぶり 岡山県倉敷市や備中町(現高梁市)では正月に塩ぶりを食べる。
開き干し 静岡県などで作られている。わかし、いなだ(若魚)クラスを開き干しに。
みりん干し 島根県松江市。小振りのものを半身にしてみりん干しに。
粕漬け 天然ブリを粕漬けにしたもの。非常に味がいい。『山下水産(福井県越前町)』
ふくらげの飯ずし 「ふくらげ(ブリの若魚)」を塩漬けにし、糀、ご飯、にんじんなどと漬け込んだもの。『千春丸(青森県鰺ヶ沢町 海の駅 あじ・彩・感)』
ぶり味噌煮 意外に珍しいのではないだろうか? 缶詰とは思えない美味しさだ。『気仙沼ほてい(宮城県気仙沼)』
三陸産ぶり 西京漬け やや甘めの味つけながら、ブリ自体が上質でとても美味しい。[阿部長商店 岩手県大船渡市]
ぶりの焼漬 焼いたブリをしょうゆベースのタレに漬け込んだもの。新潟県の郷土料理。『まえた(新潟県新潟市)』
巻鰤 塩をして乾かしたものを藁などで巻いたもの。薄く削り取って食べる。[味の近岡屋 石川県金沢市]
ぶりみりん干し ブリの切り身にしょうゆ、砂糖などで味つけして干し上げたもの。あっさりとした甘さでとても味がいい。[ぬしま鮮魚 徳島県海部郡海陽町宍喰浦]
ぶり焼き漬け ブリの切り身を焼き、しょうゆ、酒、砂糖などの地に漬け込んだもの。昔は新潟県の郷土料理だったが、市販品が多く見受けられる。[まえた 新潟県新潟市]
ぶり西京漬 ブリの切り身を酒、西京みそ(白みそ)、みりんなどを合わせたものに漬け込んだもの。甘さがほどよくとても両品である。[阿部長商店 岩手県大船渡市]
能登寒ぶり胃塩辛 ブリの胃を糀、塩、いしり(魚醬)などに漬け込んだもの。食感がよく、クセのない味で日本酒に合う。[玉地幸広 石川県鳳珠郡能登町]

釣り情報

関東では初夏の「わかし釣り」から、夏の「いなだ」、秋の「わらさ」、と季節を追って釣り方が変わる。小さな「わかし」ならサビキ釣りでも充分であり、コマセに群がるように数釣りができる。これが「いなだ」「わらさ」になるとオキアミの餌釣りに変わり、カッタクリになる。なかでもバラフグや種々の魚皮を材料とした疑似バリを使い手釣りするカッタクリは型もよい上に釣りとしての面白さ、奥の深さでファンも多い。また冬になるとイカなど生き餌を使った「ぶり」釣りが伊豆半島などで行なわれる。

歴史・ことわざなど

季語歳時記

歳暮鰤 年末年始の贈答用などとしても重要。糸魚川静岡構造線の東西で別れ、東はサケ。また前田家(石川県、富山県)では初代前田利家の頃から年取り魚としてブリをお歳暮に送る習慣があった。こては現在でも娘が結婚すると、その年は嫁ぎ先と、仲人に大きなブリをそれぞれ1尾送るならわしがある。嫁ぎ先ではこの半身を嫁の実家に返した。
嫁御どのぶり、婿どのぶり 「年末、大きな盬鰤が、勝手元にぶら下ると、すっかりゆたかな気持になったもので、新しい嫁先から、年末のつけ届け「嫁御どのぶり」「婿どのぶり」のしきたり、大きく吊された魚を、そんな家の奥に見出すのはほほ笑ましく、なんと巧い名前にしたものかと、感じ入ったものも子供時代のなつかしい思い出」(中村汀女 1900〜1988 熊本県飽託郡画図村[現熊本市])『ふるさとの料理』(近藤永之介ほか 中央公論社 1955)
年取り魚・正月魚
主に西日本で年取りの魚となる。
恵比須と塩鰤の尾鰭 12月31日「恵比須大黒のほこらの前には鰤のヒレが一切皿にのせてそえてあった。どうぞ来年はヒレだけではなく、切り身が供えられるようにしてくださいという願いであったと思う」『松本そだち』(丸山太郎 秋櫻舎 増補復刻版 2011)
飛騨鰤 「年越し肴はぶりで、昔は牛の背で富山から飛騨高山を通って来たので『ひだぶり』と呼んでいた。」、「ゆでたぶりに人参、大根のなますが付いた」。『松本そだち』(丸山太郎 秋櫻舎 増補復刻版 2011)
鰤街道 越中富山(富山湾)水揚げされたブリは山越えで飛騨(岐阜県)、信州(長野県)まで運ばれた。この輸送路をさす。
越中鰤、飛騨鰤 飛騨では越中からくるブリを「越中鰤」、信州では飛騨から送られてくるブリを「飛騨鰤」という。
としとり 岐阜県古川(岐阜県飛騨市古川町)では〈正月よりもむしろこの「としとり(年取、大晦日)」に重きが置かれる。「ぶりや煮いかやカマボコなど、普段では食べられないようなご馳走を食べる習慣があった」〉飛騨古川 八ツ三旅館 女将 池田加津美『サライ』(1990 12/20)
祭事・歳時
鰤分け神事(鰤読神事) 富山県射水群下村(現射水市)賀茂神社で元旦に営まれる。地区ごとで塩鰤が献納され、献納された魚を読み上げる。神事のあとに氏子全戸に分け配られる。
鰤市 飛騨に送られたブリは毎年太陰暦の12月19日(太陽暦の1月下旬から2月初旬)に高谷まで市をして売られた、これを鰤市という。
ぶりおこし 富山では11月〜12月にかけて雷が鳴り、北西風が吹き、海は荒れ模様となる。この嵐とともに富山湾にブリが入って来るので、これを「ぶりおこし」という。
ブランド
すだちぶり 徳島魚市場が養殖時の飼料にすだちの皮を混ぜて育てたブリ。
かぼすぶり 大分県の特産品であるかぼすをエサに混ぜて養殖したブリ。大分県農林水産研究指導センター
オリーブぶり(オリーブはまち) 香川特産のオリーブの葉粉末をエサに混ぜたもの。[香川県]

参考文献 ▽

『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『鰤のきた道』(市川健夫 松本市博物館編 オフィスエム)、『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日文庫)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『あいちの水産物 ハンドブック100』(愛知県農林水産課)、『ふるさとの料理』(近藤永之介ほか 中央公論社 1955)、『宍喰の民俗』(徳島県文化振興財団 2004)、『松本そだち』(丸山太郎 秋櫻舎 増補復刻版 2011)、『酒と肴の文化地理 大分の地域食をめぐる旅』(中村周作 原書房)


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