25cm SL 前後になる。紡錘形。細長い。鮮度がいいと背部がコバルトブルー、コバルトグリーンに輝く。目が大きく目立ち、厚い脂瞼(しけん)がある。腹側に稜鱗(りょうりん)がない。[小型で新鮮な個体]
ウルメイワシの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![25cm SL 前後になる。紡錘形。細長い。鮮度がいいと背部がコバルトブルー、コバルトグリーンに輝く。目が大きく目立ち、厚い脂瞼(しけん)がある。腹側に稜鱗(りょうりん)がない。[小型で新鮮な個体]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/34/Thumb630/urumeiwasi_1.jpg)
![25cm SL 前後になる。紡錘形。細長い。鮮度がいいと背部がコバルトブルー、コバルトグリーンに輝く。目が大きく目立ち、厚い脂瞼(しけん)がある。腹側に稜鱗(りょうりん)がない。[11cm SL]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/34/Thumb630/20240607994.jpg)
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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★
知っていたら通人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱真鰭区ニシン・鰾下区ニシン上目ニシン目ニシン亜目ウルメイワシ科ウルメイワシ属外国名
学名
Etrumeus micropus (Temminck & Schlegel, 1846)漢字・学名由来
漢字 潤目鰯、宇留女鰯(本朝食鑑) Standard Japanese name / Urumeiwasi
由来 目が潤んだように見えるから。ウルメ、ウルメイワシは東京都や神奈川県、新潟県や四国で広く使われている呼び名だ。
1938年、魚類検索ではウルメイワシ科だった。やがてニシン科ウルメイワシ属になり、2021年現在ではニシン科ウルメイワシ属から、もとのウルメイワシ科にもどる。
英名/sardine or pilchard ウルメイワシ科ウルメイワシ属はサーディン、もしくはピルチャード
日本動物誌/ファウナ・ヤポニカ(Fauna Japonica ) フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトとその後継者、ハインリヒ・ビュルゲルなどが標本を持ち帰り、川原慶賀(江戸時代の長崎の絵師)が図を書いたもののひとつ。オランダライデン王立自然史博物館のシュレーゲルとテミンクが記載。Temminck
コンラート・ヤコブ・テミンク Coenraad Jacob Temminck(1778-1858 オランダ) シュレーゲルとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
Schlegel
ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel 1804-1884年)はドイツの動物学者。テミングとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。地方名・市場名
生息域
海水魚。
北海道南部〜九州南岸の沿岸、東シナ海。
希にピーター大帝湾、朝鮮半島南岸・済州島、台湾、中国東シナ海・南シナ海沿岸、オーストラリア南岸、黄海〜南アフリカ東岸、地中海東端。生態
産卵期は10月〜翌年の6月にかけてで、盛期は冬から春。
1歳で13センチ前後、2歳で17センチ前後、3歳で20センチ前後となる。基本情報
北海道南部以南に生息する。マイワシやカタクチイワシよりも少し沖合に多い。
ちなみに国内で単に「イワシ」と呼ばれるものはマイワシ、カタクチイワシ、本種の3種である。これをイワシ3種と考えている。
鮮魚でも流通するが、小売店では丸干しとして見ることが多い。目に串やワラを刺したものが「目ざし」。鰓から通したものが「頬ざし」である。イワシ類の干物の最高峰である。
鮮魚は多様な料理に使える上に、下ろすのも簡単である。もっと身近な存在になるといい。
珍魚度 一般的な食用魚である。ただし水揚げが安定しないのと、鮮魚で流通することが少ないので、探さないと手に入らない。水産基本情報
市場での評価 基本的には干物原料と考えられている。ときにまとまって入荷してきても安い。冬には脂がのり、一部で人気がある。
漁法 巻き網、刺し網、釣り
産地(漁獲量の多い順) 島根県を中心とした山陰、太平洋各地選び方
干物は脂焼けしていないもの。ふっくらと膨らんで、表面がきれいなもの。
鮮魚は硬く、鰓が鮮紅色のもの。触って柔らかい、腹が割れているものなどは避ける。味わい
夏〜初冬。大形がおいしいが、小型でも味がいい。
鱗は薄く取りやすい。皮は薄く熱などにとても弱い。骨は非常に軟らかい。
赤身を帯びた身で脂は皮下に層を作る。熱を通しても硬く締まらない。
真子も美味。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ウルメイワシの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼き切り、酢じめ)、焼く(干もの、塩焼き)、ソテー(ムニエル)、揚げる(唐揚げ、天ぷら)、煮つけクリックで閉じます
ウルメイワシの刺身 イワシ類のなかでももっともうま味が強いので刺身にすると絶品である。特に小型でも味がいいのがありがたい。
水洗いして手開きにして小骨を抜き、皮を剥く。これを適宜に切る。
柑橘類としょうが、もしくはわさびを添えて出す。柑橘類と塩で食べてもうまい。
ウルメイワシのみそたたき(なめろう) マアジやマイワシ同様、みそと香辛野菜とたたくととても味がいい。手開きにして腹骨・小骨を取り、皮を剥く。細かく切り、みそ・香辛野菜(今回はねぎ・にんにく・しょうが)と一緒にしてよく切れる包丁でたたく。みそのうま味成分と本種のうま味があいまって非常にうまい。クリックで閉じますウルメイワシの焼き切り 水洗いして三枚に下ろして血合い骨を抜く。まな板などに置き皮をあぶる。これを氷水に落とし粗熱をとり、冷蔵庫で少し皮を落ち着かせる。切りつけて、しょうが、柑橘類で食べる。しょうがでもわさびでもいいし、ポン酢で食べてもおいしい。また青じそ、にんにくなど野菜をたっぷり合わせて食べてもいい。クリックで閉じますウルメイワシの丸干し 干物にするとぐっと味わい深くなる。水洗いして頭部を落とす。水分をよくきり、立て塩(水に多めの塩を溶かし込んだもの)に15分ほど漬け込む。水分をよくきりザルなどに乗せて冷蔵庫で1日以上干す。寒いときなら外で干してもいいが、近年外干しできる時季は非常に少ない。クリックで閉じますウルメイワシの丸干し
子持ちウルメの塩焼き 春の子持ちを塩焼きにしたもの。焼いてうまいのは身(筋肉)だけではなく真子も同様である。水洗いして頭部を取り去り。内臓などをていねいにかきだす。水分をよくきり、振り塩をする。真子にもていねいに塩をまぶす。1時間以上寝かせてじっくり焼き上げる。クリックで閉じますウルメイワシの塩焼き
ウルメイワシのみりん干し 大振りのウルメイワシが入荷していたのでみりん干しにする。水洗いして手開きにする。水分をよくきり、醤油・砂糖・少量のみりんに20分〜1時間漬け込む。水分をきらないで1日寝かせる。表面にゴマを振ると魚通しがくっつかず、焼いて香ばしい。これを焼き上げる。クリックで閉じますウルメイワシのグリル 水洗いして頭部を取り去る。水分をよくきり、塩コショウ、白ワイン・オリーブオイル・ディルなど香草類に漬け込んで(マリネ)1日漬け込む。これを焼き上げてバルサミコ酢をかける、パンととても相性がいいので朝ご飯に便利だ。クリックで閉じますクリックで閉じます
ウルメイワシのフライ 水洗いして頭部を落とし、手開きにする。腹骨・小骨を適当に取り、塩コショウする。小麦粉をまぶして、溶き卵をくぐらせてパン粉をつけて揚げる。身は柔らかくさくっと揚がってとても美味しい。アジフライに、決してひけを取らないおいしさだ。
ウルメイワシの大葉揚げ 天ぷらは本種の基本的な料理法である。ここでは小振りのものに大葉の風味をプラスしてみた。水洗いして頭部を落とし、手開きにする。腹骨・小骨を適当に取り、水分をよく拭き取る。小麦粉をまぶして大葉を腹に巻き込んで楊子でとめる。比較的軽くさくさくと食べられる。クリックで閉じます小ウルメの唐揚げ 小振りのウルメイワシは水分が多く、骨が柔らかいのでとても唐揚げに向いている。水洗いして頭部を落とす。水分をよくきり片栗粉をまぶして少し置く。片栗粉が馴染んだらじっくりと二度揚げする。非常に軽い味でさくさくと食べられる。スナック菓子のようでもある。クリックで閉じますウルメイワシのエスカベーシュ(エスカベッシュ) 水洗いして手開きにして左右の身を分ける。水分をよくきり、小麦粉をまぶしてじっくり香ばしく上げる。これをマリネ液(ワインビネガー・白ワイン・少量の水・ハーブブイヨンを合わせて一煮立ちさせたもの)、玉ねぎやにんじん、ハーブなどに1日以上漬け込む。クリックで閉じますウルメイワシの梅干し煮 日本料理の基本的な料理法である。水洗いして大型は筒切りにする。湯通しして冷水にとり、残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水・酒・梅干し・砂糖の煮汁で煮る。うま味豊かな味わいの中に梅干しの酸味が感じられてとても食がすすむ。クリックで閉じますウルメイワシの真子煮 春になると子持ちが増えてくる。まとまった量を下ろすときや干物を作るときには真子は取り分けておく。真子の汚れを塩水などの中で洗う。水分をよくきっておく。鍋に砂糖・酒・醤油を煮立てておく。濃度をみて水を加えてもいい。真子を入れて煮汁に絡めながら煮上げる。クリックで閉じますウルメイワシの塩煮 福井県、石川県には「浜いり」、「塩いり」という塩水で魚を煮た料理がある。強めの塩水で水分を飛ばすように煮るもので、本来は保存のための料理だ。これが実に味わい深い。水洗いして頭部を落とし、水分をよくきる。鍋に強めの塩水を沸かし、下ごしらえしたウルメを短時間強火で煮上げる。大根おろしと酢で食べる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
千葉県外房ではマサバのサビキ釣りなどで釣れる。歴史・ことわざ・雑学など
ひな祭りの膳 「あさりご飯につぼのみそ汁と、おかいこ切り干し、里芋、にんじん、ちくわ、油揚げの入った煮しめ、それにうるめいわしの開きとあさり(干もの)の串ざしなどを並べる」[恵那平野]『聞き書 岐阜の食事』
イワシ3種 マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシをイワシ3種という。またイワシ3種(イワシ三種)という言い方がなされる。参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)地方名・市場名 ?
ウルメイワシ
場所千葉県銚子、東京、神奈川県江ノ島、新潟県寺泊、富山県氷見、島根県、徳島県由岐町、高知県、鹿児島県種子島 備考ウルメイワシは標準和名 参考文献、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年)ウルメゴ[ウルメ子] コウルメ[小ウルメ] サイズ / 時期小型
オーギッチョ トッポウルメ サイズ / 時期特に大きい物
場所高知県 備考高知県では小型をウルメゴ(ウルメ子)、コウルメ(小ウルメ)、特に大きい物をオーギッチョ、テッポウウルメ(鉄砲ウルメ?)、トッポウルメ。