ダンベイキサゴ

Scientific Name / Umbonium giganteum (Lesson,1833)

ダンベイキサゴの形態写真

SW 40mm前後になる。いわゆるカタツムリ形。表面はつやつや平滑(なめらか)でキサゴのなかでは大型になる。表面に螺溝(渦巻き状に現れる筋)がない。
ダンベイキサゴの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
SW 40mm前後になる。いわゆるカタツムリ形。表面はつやつや平滑(なめらか)でキサゴのなかでは大型になる。表面に螺溝(渦巻き状に現れる筋)がない。SW 40mm前後になる。いわゆるカタツムリ形。表面はつやつや平滑(なめらか)でキサゴのなかでは大型になる。表面に螺溝(渦巻き状に現れる筋)がない。SW 40mm前後になる。いわゆるカタツムリ形。表面はつやつや平滑(なめらか)でキサゴのなかでは大型になる。表面に螺溝(渦巻き状に現れる筋)がない。SW 40mm前後になる。いわゆるカタツムリ形。表面はつやつや平滑(なめらか)でキサゴのなかでは大型になる。表面に螺溝(渦巻き状に現れる筋)がない。SW 40mm前後になる。いわゆるカタツムリ形。表面はつやつや平滑(なめらか)でキサゴのなかでは大型になる。表面に螺溝(渦巻き状に現れる筋)がない。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱古腹足目ニシキウズガイ科Umbonium(サラサキサゴ)属

    外国名

    学名

    Umbonium giganteum (Lesson,1833)

    漢字・学名由来

    漢字 団平喜佐古、団平細螺、団平扁螺 Danbeikisago
    由来・語源 『目八譜』より。『丹敷能浦裏』には「オオシタダミ」。
    「だんべい」とは船底が平たい荷を運ぶ頑丈な川船のこと。本種の裏側、へその周辺が大きく平たいからか。もしくは「だんべい」には大きいという意味があり、キサゴの中でもっとも大型であるためか。
    武蔵石寿は国内でももっとも早く、貝の分類を始めたとされているので、いくつかあるキサゴ(現サラサキサゴ属)の中でも大きいということを表現したかったのかも知れない。
    「きさ」とは木目のことで「ご」は貝を表す語尾ではないかと思う。
    「きさご」について
    〈幾左古 正字は未詳 思うに幾左古は状蝸牛に似ているが、厚く堅くて彩文がある。殻の中には寄居虫(ごうな/ヤドカリ)のような虫がいる。伊勢・尾張および東海の諸浜に多くいる。土地の人は虫を取り去って洗浄し、これを玩具とする。〉『和漢三才図会』(寺島良安 正徳3年/1713 東洋文庫 平凡社)
    目八譜
    1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。外洋に面した砂地、水深5〜30メートルに生息。
    男鹿半島、鹿島灘以南の九州南部の砂浜に棲息。

    生態


    ダンベイキサゴの螺溝キサゴとダンベイキサゴの違い
    ダンベイキサゴ
    表面に螺溝(渦巻き状に現れる筋)がない
    キサゴの螺溝キサゴとダンベイキサゴの違い
    キサゴ
    表面に螺溝(渦巻き状に現れる筋)がはっきりしている

    基本情報

    比較的暖かい外洋に面した砂地などにいるきれいな巻き貝だ。キサゴ類は古くから食べられてきた巻き貝だが、現在キサゴ類でも唯一通常流通するのがダンベイキサゴである。
    日本各地で古くは子供のおやつになるほどとれていたが、全国的にみると減少傾向にあるものと思われる。
    キサゴ類のなかでも大型になり、味もいいことから人気が高い。
    珍魚度 主に千葉県で漁獲されているもので、関東周辺、東海地方以外ではあまり見かけない。流通していない地域でも探せば手に入る。

    水産基本情報

    市場での評価 入荷は不安定。高価。
    漁法 貝桁網(底曳き網)
    産地 千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県
    活での流通が基本 生きたまま浅い発泡スチロールに入れられて流通する。

    選び方

    原則的に生きているもので、足などを盛んに出して動いているもの。

    味わい

    旬は春から秋。
    貝殻が薄く、身(可食部)は多い。
    熱を通しすぎるとやや硬くなるので要注意。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ダンベイキサゴの料理・レシピ・食べ方/煮る(塩ゆで、しょうゆ煮)

    ダンベイキサゴの塩ゆで 静岡県などでは厚みのある保温性のある器に本種を入れて、熱湯をそそいで蓋をする。3分ほど置き、食べる。湯はそのまま取り出した身の砂を洗いながら食べる(近年砂を噛んでいないことが多い)。
    ただしこれでは熱の通し方が一定しない。水洗いした本種を鍋に水と塩を入れて火をつけて3、4分で火を消し、そのまま鍋止めする方が確実に火が通る。
    身は柔らかく甘味があり、クセのないわたにはうま味が強くこくがある。非常においしい。

    ダンベイキサゴのしょうゆ煮 水洗いして鍋に水、酒、しょうゆを入れて、本種も加える。沸騰して3分〜4分、そのまま鍋止めする。煮汁ごと器に入れて砂を洗いながら食べる(近年砂を噛んでいないことが多い)。塩味とはひと味違う味わいになる。

    好んで食べる地域・名物料理

    ながらみ 静岡県では古くはたくさんとれて、子供のおやつとしてゆでていたほどだったという。[静岡県島田市・大井川町]

    関連コラム(郷土料理)

    記事のサムネイル写真ナガラミの料理法
    ガラミとして流通する多くがダンベイキサゴ、めったには来ないもののキサゴも流通したことがある。 キサゴは内湾など波の穏やかな場所にいる。ダンベイキサゴは九十九里・・・ 続きを開く

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    おはじき はじき(御弾、お弾、オハジキ)は、大言海に〈細螺ノ介殻ヲ指先ニテ弾ク、小兒ノ遊戯〉とある。古くから浜の落ちている貝殻の美しい物を拾い、指ではじいて遊んだものとある。そのもっともよく遊ばれた巻き貝が本種などキサゴ類である。
    流み 現在はナガラミという地域の方が多い。漢字にすると「流み」ではないかと思う。「み」は貝を洗わす尾語。外洋の砂地にいて波打ち際で、波にもまれている様を見て、「波に流されている」ようだと感じたのだと、あくまでも想像でしかないが考えている。

    参考文献・協力

    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)、『日本語源大辞典』(小学館)

    地方名・市場名

    ナガラメ
    場所千葉県九十九里、愛知県豊橋 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    ガンガラ
    場所和歌山県 参考参考として 
    チョウセンヤサラ
    場所山口県大島 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    デンベェ(デンベエ)
    場所神奈川県藤沢市江の島 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    ガンボ
    場所福井県 参考参考として 
    ネコメガイ
    場所福岡県福岡市能古島 
    ネッギャ
    場所長崎県雲仙市小浜町 備考キサゴである可能性もある。 参考佐藤厚さん 
    マイゴ
    場所高知県 
    マゴ
    場所高知県高知市 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    キキンミナ
    場所鹿児島県志布志 備考昔から飢饉の年だけに多数採取できることから。 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    ヨネミナ キキンミナ
    場所鹿児島県志布志市 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    ナガラミ
    場所千葉県、東京都、神奈川県茅ヶ崎・藤沢、静岡県島田市・白須賀・御前崎・舞阪、愛知県豊橋市 備考ナガラミ、またナガラメと呼ぶ地域が多い。 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
  • 主食材として「ダンベイキサゴ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ