4月 01 市場魚貝類図鑑の中の卵巣の味わいを独立させたものです。
卵の味は千差万別。生食ではなく軽く煮る、もしくは塩焼きで食べてみました。
目標は千種!
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カナガシラ 012
私的にはもっとも好きな魚である。刺身にしたときの身の細やかさ、甘味旨味、ほとんど完璧な味わいだカナガシラは。そしてその旬が冬から初夏まで。この春になれば子がふくらんで晩春、木の芽時にははらぱんぱんに膨らませる。これが身に負けず、まことに美味。肌理がこまかく、そしてほろっとした甘味がある。我が家では子供達がまっさきに子に箸を伸ばす。たぶんこの時期のカナガシラの煮つけでも食わしていたら「魚嫌い」も少なくなるだろう。
2006年4月27日 広島県倉橋島「日美丸」さんから 「日美丸」のサイトへ

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メナダ 013
ボラの仲間で食用となるのは当然ボラと、もうひとつメナダ。姿形、棲んでいるところまで似ていて「うまい魚なんですよ」と言われる割に市場で見かけることは皆無だ。そんなことでなかなか味わう機会がなくて寂しい思いをしていたら広島県倉橋島「日美丸」さんから送られてきた。それが見事なメナダであり、刺身、塩焼きと堪能させていただいた。うまかたなー。そしてオマケに付いてきたのがデカイ卵である。形はやはりボラに似ているが色合いが少々薄い。これをいろいろ考えて塩をして干し上げてみた。これがボラの唐墨とまではいかないが「負けないぞ」というほどに美味。唐墨よりもあっさりとした味わいで酒の肴に、ご飯のともにたまらぬ一品となる。
2006年4月27日 広島県倉橋島「日美丸」さんから 「日美丸」のサイトへ

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このこ/マナマコ 014
日本三大珍味と言えば越前の雲丹、長崎の唐墨、三河の「このわた」である。その「このわた」、三河以外にも産地はあまたあり、本当のことを言うと優劣つけがたい。そしてマナマコの消化管を塩辛にした「このわた」よりも酒飲みに尊ばれるのが「子」すなわち卵巣を使った「このこ」なのである。このような珍味佳肴を表するにどうにも「おいしい」とか「美味」というのは場違いな感じだ。もっと深く考えても「旨い」でもない。だいたい心地よい旨味も甘味もなんだか複雑な風呂敷に包まれてすぐには感じられない。まず舌の上にずんつんと来るのは塩辛さ、そこに玄妙な味わいが徐々に広がってくる。その玄妙な味わいにところどころ旨いような渋いような甘いような重い通奏低音が流れ始めて、そこに酒が流し込まれてくるのだ。この一時の味覚の広がり消える感触が、なぜか酒飲みをして病みつきにさせる魔味になる。考えてみると日本酒の味わいに惹かれ始めたときには、この玄妙さがわからなかった。味覚の人生における変遷も不思議だ。
2006年4月27日 広島県倉橋島「日美丸」さんから 「日美丸」のサイトへ

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ばちこ/マナマコ 015
よくわけ知り顔に「初めてナマコを食べた人は偉いですね」なんて言う。でもどうにもこれが納得しかねるのだ。海辺で海藻の切れ目、ちょっとした砂地なんかにゴロンと寝そべっているナマコ。これが見た目も触った感触からも「うまそう」に思えてならない。磯釣りをしていたときなどタイドプールで見つけたのに思わずかぶりついたこともなんどかある。そして、このワイルドな食い方もなかなかイケルのだ。すなわちナマコというのは単にぶった切って食らってもうまいのである。そんなナマコから作られるのが塩辛の「このわた」、「このこ」。「このこ」は卵巣の塩辛で、それを干すと「ばちこ」となる。これは卵巣を集めてヒモなどにかけるとなぜだか三味線のばちの形になるためだ。これは酒の肴としてももっとも高価なもの。普段なかなか買えないで指をくわえて我慢しているのを倉橋島の「日美丸」さんが送ってきてくれた。ともに卵巣を取りだして作る物なので食べられるようになるのは3、4月から。これで純米吟醸をグビリとやって、そこに独特の渋みのあるあぶった「ばちこ」を一切れ。これは正しく絶妙。
2006年4月27日 広島県倉橋島「日美丸」さんから 「日美丸」のサイトへ

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