シロギス

シロギスの生物写真

30センチ前後になる。全体に細く、微かに赤味がかった灰色で死んでしまうと白くなる。背鰭に斑紋がない。

魚貝の物知り度 ★★★
知っていたら通人級
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は多くも少なくもない)
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目キス科キス属
外国名
英名/Japanese whiting, Lady's finger, Sillago,Kisu, Silver whiting,Sand whiting
学名
Sillago japonica Temminck and Schlegel
漢字・由来
漢字 白鱚。
由来・語源 地方名に多い「きすご」が本来の呼び名・表記であるという。一般に「きす」というのは最後の「ご」を省略したもの。
「約500年ほど前の御湯殿の上の日記に初めて“きすご”として記録」。
「和漢三才図絵(寺島良安 1712年)にも「幾須吾(きすご)大なるものを吉豆乃(こずの)といい」。
語源は「生直(きす)」=性質が素直で飾り気のない」に魚名語尾(魚を表す)「ご」がついた。
地方名・市場名
■ 市場では単にキス。
■ キスゴと呼ぶ地域が多い。
■ 関東では釣り人たちが大型のものをヒジタタキ(肘叩)、小さい物をピンギスと呼ぶ。
■ 島根県ではキス、ナタギス、キツゴ、ホンギス。
他には、アカ、アカギス、カハキ、カワギス、キスコ、コズノ、サバ、シラギス、マギス。

概要 ▽

生息域

海水魚。沿岸の砂地。
北海道南部から九州。朝鮮半島、黄海、台湾、フィリピン。浅い砂地に生息。

生態

■ 産卵期は初夏から秋口。
■ 気温・海水温の高いときには浅場にいて、寒くなると深場に移動する。

基本情報

東京では天ぷら種としてなくてはならないもの。
需要の高い魚で近縁種を輸入までしている。
他には刺身、酢じめ、焼きもの、椀もの、などになるが、主に料理店、高級割烹やすし屋で使われている。

水産基本情報

市場での評価 関東では冷凍物、鮮魚とも入荷の多い魚。鮮魚は高値で安定している。
漁法 底曳網(ごち網漁)、刺網漁

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

白鱚というが白っぽいものは古い。外見からやや透明感があって、赤味を感じるもの。目が黒く澄んでいるもので、触って硬いもの。

味わい

旬は春から夏。
上品な白身。
焼きものにして独特の風味がある。
刺身は皮を生かすと、微かに特有の香りがある。
だしはあまり出ないようで、白身の味わいを生かして椀種にする。

栄養

寄生虫

食べ方・料理法・作り方

調理法
塩焼き(干もの)、天ぷら、刺身(皮霜造り、焼き霜造り、酢じめ)、汁もの(椀種)
★すしネタとしても上等。
骨が柔らかく、見離れがいい、皮に独特の風味があるので焼いて美味。
天ぷらは江戸時代以来の基本ネタ。
上品ななかに皮下の風味が生きて、しかも身がふっくらと柔らかい。
刺身は絶品。
皮に味わいがあるので表面に湯をかけて皮霜造りに、あぶって焼き霜造りにして美味。
酢じめにしてもうまい。
三枚に下ろして結び、湯に通して、椀種にする。
結びキスであるが、クセのない白身ならではのよさがある。
シロギスの天ぷら天ぷら
天ぷらは東京の郷土料理ともいえそうなもの。その基本的なネタのひとつとなっている。
シロギスの焼き霜造り焼き霜造り
皮目をあぶった焼き霜造り。
シロギスの干物塩焼き

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

開き干しなどになる。

釣り情報

新年が明けるとすぐに解禁になるのが神奈川県相模湾のシロギス釣り。この時期、夏には海水浴をしていても目にするほど浅い場所を泳ぐシロギスが、水深30メートルほどの深みにいる。この時期は水温が低いため、かかっても引きが悪く、魚体を持つと冷たく感じるほどだ。むしろこの時期に面白いのは外道というか釣り物のにぎやかさ。これが5月ともなると浅い場所での釣りとなり、水温も高くなって活性化されて引きよく、味もよい。仕掛けは天秤に10号から15号重り、ハリス0.8号の2本針。餌はジャリメがいい。
砂浜からの投げ釣りの代表的な対象魚である。

歴史・ことわざなど

白く透明で美しい外見から海の貴婦人に例えられる。
江戸時代、キスは贅沢なもので見舞いや祝い事にやりとりされていた。

参考文献 ▽

『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、広辞苑、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『島根のさかな』(島根県水産試験場 山陰中央新報社)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『日本漁具・漁法図説』(金田禎之 成山堂)、『馬琴一家の江戸暮らし』(高牧實 中公新書)


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