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硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目サバ科マグロ属

キハダマグロ(kihadamaguro)

魚貝の物知り度

★★★ 知っていたら通人級

学名 Thunnus albacares(Bonnaterre)
外国名 英名/Yellowfin tuna
同科同属 他のサバ科の魚へはここから!
漢字・由来 漢字/黄肌鮪、黄鰭鮪
由来・語源/
黄色い“はた”すなわち「はた=ひれ」が黄色いの意味。
鰭(ひれ)や体色が黄色いため。
地方名・市場名

別名/キワダ
その他、アカシビ、イトシビ、ウキンシビ、オオイトシビ、カツオ、キハダ、キワダマグロ、キンビレ、グズナガ、ゲスナガ、コイト、シビ、ヂューナガシビ、バシ、バシビ、ハンバツ、ヒレナガ、ビンキリ、ビンナガ、ホンシビ、ホンハツ、マグロ、マシビ、ヨコワ。
小型、若魚をキメジ。

形態 体長2メートル、200キロに達する。紡錘形でやや細長くやや黄色みがかる。頭はやや小さく、腰から尾にかけてが長い。背鰭と尻鰭は黄色く成長にともない著しく伸びる。
生息域 海水魚。日本海には希。日本近海。世界中の温・熱帯域。
生態 産卵は赤道、熱帯域では周年。
西部太平洋では4月~7月。
体長120~140センチくらいまでは性比(雌と雄の割合)は同じで、それ以上になると雄が多くなる。
太平洋産のキハダは1歳で50センチ前後、2歳で90センチ前後、3歳で120センチ前後、4歳で140センチ前後、5歳で155センチ前後になる。
肉食性で甲殻類、魚類、頭足類をエサとする。
一般的評価 古くからの産地である高知、三重、九州などが近い関西でよく食べられていたもの。
関西ではマグロをさす「ハツ」に本が冠せられる。
最近では関西でも、もともとあまり食べない関東でもなじみが薄くなっている。
むしろ安いマグロといった存在だろう。
水産基本情報 市場での評価/関東ではあまり見かけない。関西、西日本に多い。値段はやや安め。生はやや高い。
漁法/延縄、巻き網
主な産地/静岡県、宮城県、高知県、宮崎県、鹿児島県
概要/キハダマグロはマグロ類中もっとも量、資源の多いもの。国内で消費される30パーセント以上を占め、鮮魚、冷凍、加工品など重要なもの。
港別
生/和歌山県那智勝浦港、鹿児島県鹿児島港、沖縄県那覇港、宮城県塩竃港、静岡県沼津港
冷凍/静岡県焼津港、神奈川県三崎港、鹿児島県山川港、宮城県石巻港
雑学
選び方 切り身は薄い赤のなかに脂分の白い濁りのあるもの。触って硬くなく、それでいて張りのあるもの。
味わい・栄養 味の評価/★★★★=非常に美味
旬は夏。
ただし冷凍などがあり、はっきりとはしない。
身は赤味が弱く、やや白っぽい。
腹には脂がのった部分があるが、量は少ない。
全般にあっさりして軽い味わい。
嫌みがないが、旨みをさほど感じない。

基本/今でもマグロの赤身を「づけ」と呼ぶことがある。静岡県では「べっこう」。これは古くはマグロは赤身がうまいとされ、保存のために醤油につけたことからくる。今でもマグロの漬けを作ることは珍しくない。

栄養/脂質が高いがここにはDHA、EPAが多く、成人病など防ぐ。鉄分、カルシウムが豊富。ビタミン類も豊富。

調理法 刺身(たたき)、づけ、カルパッチョ、セビチェ、ムニエル、フライ、コンフィ(オイル漬け)
食べ方 刺身は個人的には非常にうまいと思う。
特に腹側の脂のある部分には旨みがある。



ただ、全般に脂が少なくあっさりしすぎているので、カルパッチョにしたりセビチェにして柑橘酢、オイル類、香辛料、唐辛子などを使った方がいいかも。
バターとの相性がいいので、ムニエルにしてもうまい。
同様にフライにも向いている。
好んで食べる地域 関西、西日本。
加工品・名産品 ツナ缶(シーチキンなど)/ツナ缶の材料のひとつ。
釣り 神奈川県相模湾ではカツオをねらう生き餌釣り、疑似餌釣りなどに混ざる。
またコマセを使ったカッタクリ釣りでも混ざってくる。
参考文献 『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『商用魚介名ハンドブック』(日本水産物貿易協会編 成山堂)




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