新コンテンツはこちら
このページは旧ページです。新ページをご利用下さい。
市場魚貝類図鑑では現在新ページへの移行を行っております。
既に一部のページを除き、新ページの方が内容が充実しております。新ページも合わせてご利用下さい。
新ページ「トゲノコギリガザミ」はこちら >>
甲殻類短尾下目ガザミ科ノコギリガザミ属 トゲノコギリガザミ
Scylla paramamosain Estampador
他のガザミ科のカニへはここから!
甲殻類エビ・ヤドカリ他目次甲殻類カニ目次甲殻類・その他生き物索引魚貝類の呼び名のページ目次へ!
●本サイトの無断転載、使用を禁止する
魚貝類の物知り度
★これを知っていたら学者 ★★これを知っていたら達人 ★★★これを知っていたら通 ★★★★これは常識 ★★★★★これ知ってなきゃハジ
魚貝の物知り度/★★
■漁獲量が少なく、流通することは希。国産は非常に高価
蒸しガニ/茹でガニ
 ノコギリガザミというのは日本ではアミメノコギリガザミ、アカテノコギリガザミ、トゲノコギリガザミの3種がとれるが本種は「トゲ」であるという。(千葉県立中央博物館駒井智幸先生による)熱帯の東南アジアから浜名湖までに棲息。
 特に浜名湖名産として名高い「どうまん」、高知県の「えがに」「本がに」は本種のことをさす。東京湾や千葉県外房でも「捕まえた」という話を聞いているが、産卵成長するなど生活環総てを送る最北は浜名湖ではないかと思う。オーストラリア、東南アジアなどからの輸入される同じノコギリガザミ属のカニは、マングローブの泥のなかに棲息しているために「マングローブガニ」などと市場で呼ばれるが、食べると泥臭い。それとは別物の観があるのが高知県、浜名湖で漁獲されるもの。築地などにもときたま入荷するが、国産のものは特に浜名湖の呼び名「どうまんがに」と板に書かれて売られている。関東でノコギリガザミというとやはり浜名湖の声明が高い。ただし漁獲量は決して浜名湖に多いわけではなく紀州、四国、九州、そしていちばん多いのは沖縄ではないか? 熱帯を中心に養殖なども試みられる世界的な水産物重要種のひとつである。
メモ/永野廣さんによると高知市では本種のことを「まがに」すなわち「真がに」と呼ぶ。いちばんうまいカニということで「真」がついたわけだろう。
■今回のトゲノコギリガザミは高知市の永野さんに送っていただいたもの。禁漁時期のある浜名湖とは違って、浦戸湾では周年をとおして「えがに」漁が行なわれているという。写真のものは、2003年1月、厳冬期(冬も温暖な高知県にはそぐわない?)にとれた「内子」すなわり卵巣をたっぷり抱えたメスのカニである。ガザミ類はメスの方が小振りなのであるが、このノコギリガザミ、メスとは言え600グラムもある。
 永野さんに食べ方をお聞きすると「蒸すのがいちばん」とのこと、さっそく強火で20分ほど蒸す。まず蒸し器からとりだそうとして驚いたのはその香りである。香りにカニの旨味というか、甘味がある。
 子供達にせかされて皿にも乗せずに身を二つ割りにする。パチっと割れたとたんオレンジ色の内子が跳ね上がってくる。溢れる寸前のものを思わずすする、さらりと軽い塩味があり、旨味や控えめな甘味は後から浮き上がってくる。子供達が身を食べるのに夢中になっているのを尻目にこの上品な卵巣ばかりを茶サジで掬い食べる。日本一辛いと言われる岐阜県の『三千盛純米酒』がこれにまことに合う。酒で軽く洗い流しては、また内子をすする。日本酒が異常にうまい。
 身の味は同族のガザミとはまったく違っている。味が濃厚で重いのである。これは好き嫌い別れる要素ではあるが、芳醇を求める今の嗜好には合致しているのではないか? 特に甘味旨味とも強く濃厚であるのにも関わらず(口のなかで)、後味は軽い。そして贅沢を極める食べ方であるが甲羅の中に身をせせりこみ、これに内子をからませるというのをぜひすすめしたい。酒飲みならこの手がいちばんかも知れない。
 周年漁獲される「えがに」ではあるが、内子をたっぷり抱えたメスガニは、寒い時期だけに食べられる高知の冬の風物詩であるようだ。
寿司に関しては寿司図鑑へ!
内子の寿司にはここから!
●高知市浦戸湾産。永野廣さんが漁獲。「えがに」は高知市の日曜市、永野さんの店で購入できる(もちろん天候、漁にもよるが)
↑挟む力は1トンを超える危険なノコギリガザミ。1匹1匹ていねいにひもで縛っている。このひもの縛り方のみごとなこと


関連コンテンツ