千葉県船橋は今ではありふれた東京の近郊都市。
まるで情緒などないと思っていたらあにはからんや、
こんな場所がありました。
船橋湊町市場周辺 千葉県船橋市湊町
2003年9月6日
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この港町のそこここで見られるのがアサリや剥いたバカガイ(青柳)を売る露店。アサリ、アサリの剥き身、青柳、赤貝の佃煮(サルボウ)などを売っている。当日買って帰った赤貝の煮つけはイイ味だった
船橋で港近くの市場ということで見に行くと、魚貝類はあまりなくて目立つのは八百屋さん。といっても近所の農家でとれたものを並べ売っているのか、品数は少ないが鮮度抜群のもの
船橋湊市場と言えば、メタリックな外観の集合店舗のことをさすことが多いが、実をいうと、湊町市場の本来の姿はそこにはない。湊町市場は古くはこの界隈一帯が総べて市場であり、無数に点在する露店はその名残りなのだ。売っている品物の面白さもこの点在する店達の方が一段ネイティーブである。写真は奥まった場所に隠れるようにある漬け物屋
テレビなどで船橋湊市場としてとりあげられるのはこの建物。ただしここはほんの10年ほど前まではかなりの規模の総合市場であったようだ。今は、それぞれに優れた店舗であるが取り立ててこれといった売り物がない
 船橋からは仕事場の知人も通ってくる。東京都心で仕事を持っているとそんな土地柄です。東京というのは東に行くとすぐに千葉県になるが、西に行くとどこまでも東京都なのだ。ちなみに千葉市と東京都八王子市は都心からは東西同じほどの距離である。
 こんな近郊都市であるから船橋駅前にはデパートもありマックもあり、巨大な繁華街、飲食街もある。駅前でローカルな気分を味わえるものはほとんどない。それが駅から国道14号を南下して海老川の西岸一帯にくると様相が一変する。そこには古るめいた家並みがあり、そこを抜けると船橋港、ここは東京湾奥とはいえまだまだ漁船が並んでいる。海老川の船だまりにはアサリ漁の船、ここから大きな水門を抜けるとすぐにあるのが三番瀬である。
 船橋湊市場を目差して海老川にそう道をクルマで走ると、ポツンポツンと露店が並ぶ。それはアサリを売る店と野菜を売る店が並んでいて、これがなんともゆったりと穏やかな風情である。「このへんに駐車できる場所ありますか」と聞くと、「そのへん止めていいよ」と野菜をうるおばさんが笑う。おばさんのそばにある瓜の漬け物がうまそうだ。
 ここから湊町市場までは目と鼻の先。大きな建物だなと入ると奥行きがない。店舗も4〜5軒であり、勢いがあるのは食堂、お惣菜屋さん。ここを出てすぐ港方面をみると野菜、アサリを売る露店がある。この向かい合う露店で売られているものは、みな魅力的だ。特にアサリの露店で売られている剥き身、赤貝の煮つけ(サルボウ)などは他にはない江戸前の味わいかもしれない。ここで赤貝の煮つけを買う。ここを少し下がると右に細い露地がある。ここに玉子屋、野菜の露店、奥に隠れるように漬け物屋がある。
 この露地の玉子屋が本日の最大の発見。新鮮な玉子はもちろん、ノリ、納豆、豆腐も売っている。その豆腐、納豆を買って帰ったらこれがイイ味。納豆・豆腐ともに地元のメーカーのものである。


船橋市海人で作られるダイマル納豆、それに豆腐

 当日、野菜を売る露店に必ず置かれていたのが「はぐら瓜」の漬け物。これは「は(歯)ぐら」、すなわち歯がグラグラして噛めない老人にも食べられる柔らかな瓜というもの。夏に千葉の市原、君津などで、よく見かける瓜である。別に「台湾瓜」という大形のものもあり、千葉の夏は瓜だらけ、といった景色である。閑話休題、この「はぐら瓜」の塩漬けのうまかったこと。2つしか買わなかったことを後悔した。
 近年、スローフードなんて不思議な運動がある。自然食、手作りの料理をゆっくり味わって食べようという素晴らしい食を巡る運動であるようだが、そんな主張をしなくても、このような露店、市場にきていれば食生活は大丈夫だ。



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