2004年8月9日
島根の旅 07
浜島根県多伎町 かなぎ漁
2004年8月5日から11日まで、
島根県安来を中心とした旅に出かけました。
その土地土地で様々な生き物や魚貝類に出合いました。
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市場魚貝類図鑑
遙か日御碕から続く大社湾はここ多岐まで続く。おおどかな眺めは気温37度のなか、蒸気でかすむ。マルショウ鮮魚の社長、石飛さんと多岐漁協の専務、藤井さん。競り場に並ぶ荷は少ない。「こんな不漁はめったにない」そうである
かなぎ漁について
 かなぎ漁というのは全国にある。たとえば三浦半島長井などで行われているがこちらでは「見突き漁」と呼ばれる。船から長い竿の先に様々な金具をとりつけて海底の磯のサザエやアワビ、海藻、ときには魚もとるものだ。これが島根県では「かなぎ」と呼ばれているのだけれど、漁の形態はほとんど同じであり、歴史も万葉の時代までさかのぼるものだという。
 多伎町の漁業のことは前もってなにも知ることはかなわなかった。日本海い面した小さな漁港ではあるが、知名度の高い浜田や隣町の大田とは違い、築地などでも「多岐漁協」の文字はみていない。夏なのだからシイラや、はまち(ブリの幼魚)、カンパチが多いのは予想通りであったものの、この地の前に広がる磯が広大でありウニやサザエ、アワビがとれる。そのサザエ、アワビを伝統的な、かなぎ漁でとることは漁協から遙か漁協の全面に続く磯に浮かぶ小舟を見つけたときに漁協専務の藤井さんから聞いたのである。

 多伎漁協の競りは10時半に始まり、すぐに終わってしまった。競り場のにぎわいはあっというまに消え去り、がらんとした競り場には猫すらいない。港を散策していると、おばさんががらんとした競り場にビールのコンテナを置いて机を作っている。どう見てもウニを剥く作業台だ。
「いつ頃、帰ってきますか?」と聞くとまだまだ帰ってこないだろうという。子供が二人、港の石積みで貝をとっている。見せてもらうとクボガイに見事なオオコシダカガンガラ。港はただただ静かで、夏の日本海には波の音もない。
 そんな時に沖合から小船が帰ってくる。船には鉄の銛のようなものがついた長竿が見える。間違いなく「かなぎ漁」の船だ。
 水揚げの競り場前まで行くと、太陽光線で焼き枯らしたような精悍な老人が船からあがってきた。水揚げはたっぷりのサザエとクロアワビ。お名前を聞くと浜光秀さん。
 その場で水揚げのアワビをなにやら調べている。かなぎ漁は船の上から竿で刺しとる。そのときにアワビに傷が付くとすぐに死んでしまい、売れないのだという。



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