アカザエビ 掲載種番号10

 東京湾であがるもので、現代の江戸前のエビ。特に活けものは東京近郊の千葉県富津市や神奈川県三浦市などが産地。
 これを都内に数知れずある高級フレンチが「ラングスティーヌ」、イタリアンでは「スカンピ」としてメニューに載せる。たぶんそれぞれもっとも高級な料理であろう。また活けは刺身でも寿司ネタにもなる。
 またアカザエビはやや深海に棲息する。昭和になるまで知られていたのか、市場などに流通していたのかなどはわからない。誰か調べた人がいるなら教えて欲しい。
 東京に来るのはカゴ漁のものと、刺し網、底引き網漁のもの。明らかにカゴ漁、刺し網の方が値が高く、活けでくる可能性も高い。神奈川県長井ではカゴ漁、千葉県富津市では刺し網漁、駿河湾静岡県沼津や焼津、遠州灘、舞阪、愛知県三河、三重県尾鷲、高知県土佐湾などでは底引き網でとる。
 また東京の市場にはアカザエビとサガミアカザエビの2種類が入荷してくるが区別しない。

■市場魚貝類図鑑・アカザエビのページに
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↑八王子魚市場内『海老辰水産』に活けで入荷したもの

●基本データ
東京での呼び名/一定していない。「あかざえび」「手長えび(てながえび)」。「てながえび」は淡水エビに同名があるので呼び名としてふさわしくない
暖/東京湾から南。東京湾、相模湾、駿河湾、三河湾、熊野灘などから入荷してくる
旬/不明
やや少ない/たぶん日本では築地市場がいちばん取扱量が多い。
高い/活けではエビのなかでももっとも高価なもの。また野じめでも高い
一般的ではない/明らかにプロ用。主にフレンチ、イタリアンで使われる。



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