形態◆楕円形で皮膚が薄く、外部から筋肉が浮き上がって見える。鱗が剥がれやすく、円鱗。目の後ろ肩の部分に黒い斑紋がある。
スズキ目(Perciformes) について◆
世界中のあらゆる水域に生息。脊椎動物中最大のグループ。
17亜目148科約1496属約9293種。
イボダイ亜目(Stromateoidei) について◆
世界に6科16属約65種。
■イボダイ科、エボシダイ科、マナガツオ科、ハタ科など。
イボダイ科(Centrolophidae) について◆
熱帯・温帯域に27種。
国内に4種。
■食用種にメダイ、イボダイ。
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目
イボダイ亜目イボダイ科イボダイ属(Psenopsis)
イボダイ
Psenopsis anomala (Temminck and Schlegel)
イボダイ亜目の他の魚へはここから!
魚貝の物知り度/★★★ 知っていると通人級
食べ方◆干物(塩焼き)/刺身(酢〆)/
煮物/ムニエルなど
◎非常に美味
大きさ◆1歳で約14センチ、2歳で17センチ、3歳で19センチ前後、4歳で20センチほどになる。
生息域◆宮城県や秋田県以南、東シナ海。
生態◆
体表から多量の粘液を出す。
産卵期は春から夏まで。
稚魚はクラゲにつく。
市場での評価・取り扱われ方◆流通する魚としてもっとも重要なもののひとつ。近海の鮮度のいいものはかなり高値をつける
イボダイの基本◆
■干物材料として有名。
■「えばだいの干物」には近縁のマルイボダイや、大西洋から輸入された近縁の魚である。本種は価格的に高く、ほとんど加工品にはなっていない。
■関東では三浦半島下浦などのものが高値でとりひきされる。
■入荷が多いのは東シナ海のもの。
■最近は少なくなったがイボダイをつかった干物の材料は多くが東シナ海産。価格は決して安くはなく、全般に魚貝類の値が下がってきている今、高級魚といってもおかしくない。
体表からたくさんのネバネバした粘液を出す、これが鮮度のバロメーターである。粘液が多く透明なら鮮度がいい。
漁獲方法◆底曳網/定置網
漢字◆「疣鯛」。
由来◆
灸のただれたものを「疣生(いぼお)」という。イボダイの鰓の後方にある黒い斑紋を「灸痕」としたところから。
市場では「えぼだい」と呼ばれるが「いぼ」という言葉を嫌ったためであると思っていた。それが「東京で『えぼだい』という。この『えぼ』は東京でイボのことを『えぼ』ということに由来する」と書かれる文献を見つけた。やはり東京でも「疣(いぼ)魚」だ。
呼び名・方言◆
■「シズ」、「シス」と呼ぶ地域が多い。
■「ボウゼ」、「ウボゼ」、「ウバゼ」、「バセ」。
■愛媛県八幡浜では「アマギ」と呼ばれる。
■福岡県福岡市では「モチノウオ(餅の魚)」。
「シュス」、「オシズ」、「テチョウ」、「コタ」、「ヨウオ」、「ヨヨシ」、「ギチ」、「マメノヒラ」、「マガイ」「クラゲウオ」、「アゴナシ」、「モチウオ(餅魚)」、「ナツカン」、「テラフ」。
高知県で「バカ」、「バカイオ」、「バケラ」、「ヘボ」、「ボーゼ」、「ボーテ」、「モーデ」。
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釣り◆長い間、釣りではとれない魚であると思い込んでいたら、実際に釣り上げたという情報が2件寄せられてきた。この2件とも、水深5〜10メートルの浅い場所でベタ底。餌はアミのサビキかオキアミの浮き釣りである。
■山梨県の保坂 太さんから、「清水(現静岡市)の日の出埠頭は水深10m前後でエボダイがかかったのは底の方でした」
■いわっちさんという方からは「日、福井県敦賀新港へ釣りに行きました。釣った魚の名前を知りたくて、HPで調べたところ、イボダイであると思われました」
◆食べてみる◆
 よほど鮮度がよければ刺身にもなる。なかなか美味。
 四国徳島では祭の魚である。丸のまま酢で〆た姿寿司は「ぼうぜのすし(ぼーぜのすし)」として祭のごちそうである。
 当然、酢締めのイボダイも美味。
 干物が有名であるが、塩焼きにしてもいい。
 バターとの相性がいいのでムニエルも美味。
 煮つけ、唐揚げなど料理法を選ばない魚。
●江戸前寿司に関しては寿司図鑑へ!
●徳島の姿寿司に関しては寿司図鑑へ!
がついたものは引用部、もしくは参考文献あり
■は私見、市場魚貝類図鑑のデータベースから
同定/『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
●参考/『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版社)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『魚』(田中茂穂 創元社)
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しっとりして旨味が強く、身離れのいい。まさに干物のためにあるような魚である。最近、国産のイボダイで作られた干物を見かけることは少ない。イボダイの干物は貴重品となっている。
煮つけも定番的な惣菜。しっとりと繊維質の身質でさっぱりしているのに旨味や甘味が感じられる。