ミギガレイ

ミギガレイの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
22cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]
22cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]
眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。
22cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]
22cm SL を前後になる。楕円形で表は褐色、裏側は白い。。側線に湾曲部分がない。眼が大きく両眼間隔は狭い。目の皮膜に鱗がある。鱗(うろこ)はカレイ類にしては大きくはがれやすい。[20cm SL・166g]

全関連コラム

珍魚度・珍しさ★★
少し努力すれば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は普通)
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目カレイ亜科カレイ科ミギガレイ属
外国名
Rikuzen sole
学名
Dexistes rikuzenius Jordan & Starks, 1904
漢字・学名由来

漢字 右鰈 Migigarei
由来・語源 「右」は学名(属名)の「Dexistes」 が左右の右であるためだと思う。この右は、形態からか、体内構造のことなのか不明。
タイプ標本が宮城県松島。ここは旧陸前の国なので小種名「rikuzenius」となった。
『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)

Jordan
David Starr Jordan〈デイビッド・スター・ジョーダン(ジョルダン) 1851-1931 アメリカ〉。魚類学者。日本の魚類学の創始者とされる田中茂穂とスナイダーとの共著『日本魚類目録』を出版。
Starks
エドウィン・チャピン・スタークス(Edwin Chapin Starks 1867-1932)。アメリカの魚類学者。スタンフォード大学、デイビッド・スター・ジョーダンのもとで魚類学を学ぶ。ジョーダンとともに国内の魚を多数記載。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。水深100-200mの砂泥地。
北海道渡島半島(少ない)〜九州北岸の日本海沿岸、北海道噴火湾〜千葉県銚子の太平洋沿岸、駿河湾、土佐湾。
韓国釜山。

生態

産卵期は11月〜1月。
雌の方が大きくなる。

基本情報

非常に生息域の狭い魚である。日本海、南では土佐湾、駿河湾でも見られるが、食用としての認知度はほとんどない。青森県から福島県の太平洋沿岸の底曳き網でまとまって上がり、小型である上に鮮度落ちが早いので値のつかない魚である。
産地周辺で流通することが多く、常磐以北の太平洋側では安くておいしい惣菜魚である。ただし関東などに来ることは非常に希だ。なぜか? 売れないからだ。
小さいので生食には向かないが、煮つけなどにすると捨てがたい味の魚である。
魚価が上がっているときに救いの神になるかも。消費地での認知度が上がれば人気が上がる可能性がある。
珍魚度 普通の食用魚だ。消費地では安定的に流通することはないがとくに大量に入荷してくる。

水産基本情報

市場での評価 ミギガレイという種名で取引されることはまずない。関東では雑多なカレイの一つ。安い。
漁法 底曳網
主な産地 福島県、宮城県、茨城県など

選び方・食べ方・その他

選び方

触って硬いもの。目が盛り上がり、澄んでいるもの。鰓が鮮紅色のもの。

味わい

底曳き網が解禁される秋〜冬。秋は産卵期と重なり、子持ちが多い。
鱗は柔らかく取りやすい。皮は柔らかいが強い。骨は柔らかい。
身は厚みがあって水分が多く、柔らかい。福島県の「ニクモチ」は身に厚みがあるためで、漢字にすると「肉餅」だと思っている。微かに臭みがあるものの、カレイ類特有のもので、特に強いというほどでもない。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

ミギガレイの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ、魚すき)、焼く(塩焼き、干もの)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(ムニエル)
ミギガレイの煮つけ 本種の産地でのもっとも一般的な料理法だと思う。刺身などにするとやや水っぽいが、熱を通すとほどよく硬く締まる。微かに臭みがあるので、しょうがをきかせて、濃い目の味つけの方がいいだろう。
水洗いして湯通しして冷水に落とす。残った鱗やぬめりを流す。これを酒・醤油・水で煮る。みりん、砂糖などで甘味を加えてもいい。身自体に味があり、ふんわり柔らかい。とても味わい深い。総菜として格好のものだ。

ミギガレイの魚すき 「魚すき」すなわち魚貝類のすき焼きというよりも、厳密にいうと島根県石見地方の「へか焼き」、「煮食い」だ。意外にカレイ類はいいだしが出る上に煮ておいしい。とても鍋に向いているのだ。石見ではヤナギムシガレイや水ガレイ(ムシガレイ)などで使うのを本種にしてみた。割り下(酒・みりん(砂糖でも)・醤油・水)で、水洗いして、二等分にした切り身を煮ながら食べる。こんにゃくは欠かせない。
ミギガレイの唐揚げ 水洗いして水分をよく拭き取る。片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げする。揚げるとやや身が縮むものの硬ならず、柔らかい。皮目が香ばしくて非常においしい。身がしまっているマコガレイなどとは違う味わいである。
ミギガレイの干もの 安くておいしい魚で、カレイ特有の臭味は多少はあるものの、これなどしょうがとか、コショウなどで簡単に消し去ることができる程度のものでしかない。要するに非常に重宝な魚なのである。関東などにはときどきまとまってやってくるので、こんなときには干物にするのがいちばんだ。
水洗いして水分をよくきる。自宅で干ものを作るなら頭などは落としてしまうといい。これを立て塩に20分ほど漬け込む。水分をよくきり、半日から1日干し上げる。
産卵期の個体は身はふっくらとふくらみ、豊潤である。皮に独特の風味があり、非常に味わい深い。

ミギガレイの塩焼き クセのない白身で、熱を通しても硬くならない。水洗いして振り塩をする。これを1時間以上寝かせ、表面の水分をよく拭き取りじっくりと焼き上げる。柔らかく身離れがいい万人向きの味である。たたうま味が豊かであるとは言えないので、できれば軽く干したがおいしい。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品


ミギガレイの干もの 岩手県、福島県では原材料費が安いこともあり、干ものが作られている。焼くと独特の風味があり、柔らかく非常においしい。お土産などにも最適だと考えている。

釣り情報

歴史・ことわざなど

地方名・市場名

アナネバチ
参考京都府 場所京都府丹後地方 
メダマ メダマガレイ[目玉鰈]
参考聞取、スーパー、『石巻の四季のさかな』(石巻魚市場株式会社) 場所北海道函館、宮城県石巻市石巻魚市場・塩竃 
オオメダマガレイ
参考『北海道の全魚種図鑑』(尼岡邦夫、仲谷一宏、矢部衛 北海道新聞社) 場所北海道室蘭 
メダカガレイ
参考文献 場所宮城県石巻市鮎川 
タバコガレイ[煙草鰈]
参考佐々木隆治さん 場所岩手県釜石市 
ダルマガレイ
場所岩手県釜石市・宮城県塩竃 
ニクモチガレイ ニクモチ
備考「肉持」、もしくは「肉餅」だと思う。触った感じが餅を思わせるので後者だと思う。 参考荷、福島県原釜で採取。 場所福島県相馬市原釜