ゲンゴロウブナ
代表的な呼び名ヘラブナ
魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
淡水魚。
琵琶湖、淀川水系だけに棲息していた固有種。それが改良され「かわちぶな」となり、ヘラブナとなり日本全国に移植されている。
生態
フナ属では唯一、種として独立性が外見から感じられるもの。
フナの仲間ではもっとも鰓耙数が多く水中の植物プランクトンを漉しとって食べている。
産卵期は4月から7月。
基本情報
食用に改良されたものは関西では少ないながら流通していおり、一部に味の良さが認められている。
対するに関東では食用と認識されていない。ゲンゴロウブナという名はほとんど知られていない。
もっぱら釣りの世界のヘラブナ(平鮒)で知られる。釣りの対象魚としては非常に人気が硬く、日本各地で盛ん。
水産基本情報
市場での評価 関西などでは食用として細々と流通している。値段はあまり高くない。
漁法 養殖、えり(定置網)
代表的な産地 滋賀県、大阪府
食用としては重要ではないが、釣り関連では重要。ため池、ダム湖、湖などで釣り船、釣り宿などを経営する企業、人が少なくない。
選び方・食べ方・その他
選び方
原則として生きているもの。やせていないもの。
味わい
旬は冬から春。
生きているものを調理する。生で食べる場合には手早く内臓を取り除く。
養殖したものはクセも泥臭さもなく白身で美味
鱗は大きく取りやすい。皮は厚みがあり強い。骨は硬い。
血合いが赤く透明感のある白身。熱を通しても硬く締まらない。
注/肝吸虫が寄生している可能性があるので野生を食べる場合には自己責任で。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
ふなずし
釣り情報
独特の腰のある竿に、長い立ち浮き、その下に2本バリをつけるというのが基本。ハリのは返しのない、へらぶなバリを使う。餌はマッシュかサナギ粉やサツマイモなどを合わせた複合練り餌。ハリだけでなく、竿、浮木などにも「へら」がつく人気の釣りである。この道具類であるが伝統工芸の粋をこらせたものも少なくなく、「へらぶな釣り文化」とでもいえそうである。また、へらぶな釣りは原則的にキャッチ&リリースである。
歴史・ことわざなど
河内鮒 大阪で飼育し改良したものが、カワチブナ(河内鮒)、ヘラブナ(平鮒)だ。琵琶湖からまた大阪などから全国各地の池、ダム湖などに移植されているが、在来のフナを脅かす存在となっている。
佐賀県には1933年(昭和8年)に移植したとされており、全国の移植の歴史も調べると面白いであろう。関西地区では食用となっているが、移植先ではもっぱら釣り魚となっている。
ヘラブナ(平鮒) 釣りの世界ではもっぱらヘラブナ(平鮒)と呼ばれている。