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褐藻類コンブ目チガイソ科 ワカメ(若布) Undaria pinnatifida
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魚貝類の物知り度
★これを知っていたら学者 ★★これを知っていたら達人 ★★★これを知っていたら通 ★★★★これは常識 ★★★★★これ知ってなきゃハジ
●本サイトの無断転載、使用を禁止する
物知り度/★★★★
■海藻ではもっとも日常的に馴染みの深いもの。乾物、加工品など市場で見かけぬ日はない。近年中国、韓国などからの輸入が増えている
漢字◆「稚海藻」、「和布(わかめ)」、「若布(わかめ)」。
「若布」の「若」と「稚海藻」の「稚」は本来、「和海藻(にぎめ)」のまだ成長段階の若いときの状態を「わかめ」と呼んだことに由来する。ほかには「め」と言う言葉もワカメを差している。
「めかぶ」は「海藻根(まなかし)」。
【参考文献/『海藻』宮下章 法政大学出版局】
食べ方◆酢の物/サラダ/若竹煮など炊きもの/酢の物ほか多数
 日本海、太平洋側では北海道室蘭
以南、九州までの各地。
 いちばん消費が多い海藻といえば、海苔(アマノリの仲間)とワカメではないか? 古くは万葉集に和海藻(にぎめ)として登場。この和海藻も若布、すなわちまだ小さく軟らかい時期のものの味が好まれた。これがために「和海藻」という言葉は使われなくなり、「若布」の名が現代まで残ってきたのだ。

 今でも塩干を扱う卸でももっとも取扱いの多いもののひとつ。我が家などなにかにつけてワカメを食べる。
 一般には加工品としてお目にかかることが多い。最近多いのは塩蔵わかめ。茹でたものと生があり、味わいは生に軍配があがると思うのだが、使うに簡便な湯通しして塩蔵したものの方が主流になっているようだ。他には灰にまぶして干し上げた「灰干しわかめ」、茹でて干した「茹で干しワカメ」、肋(中央の筋)を取り除いて板状に干し上げた「板わかめ」などがある。
■ワカメは冬から早春には生のものが入荷する。これは寒い時期だけの味わい。さっと湯に通してそのまましょうゆで食べるのがいちばん。ただそのときに苦くて食べられないものがある。これは海藻内のタンニンのためである。こんなときには茹でて水にさらすなどしてタンニンを洗い流す。またこの時期に入荷するのがワカメの成長部である「めかぶ」これは刻んでさっと湯に通すと鮮やかな緑に変わり、トロトロとねばりがでる。これでご飯をかき込むのは、これこそ「籾種失い」の味。
●千葉県勝浦市
●千葉県立中央博物館海の博物館 菊地則雄先生にレクチャーしていただきました
下は冬から春にかけて入荷するワカメの成長点である「めかぶ」刻んで湯通しして食べる
↑冬の東京湾、三浦半島などではよく見かけるのがワカメを取る船。またこれを干している情景である。写真上と右のものは茹でて塩をまぶして作る湯どうし塩蔵ワカメ
●千葉県鋸南町勝山港
←早春の三浦半島のワカメ干し。三浦半島では茹でてから干し上げる



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