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ウナギ

一般的に「ウナギ」と呼ばれるものについてのまとめページです。


ウナギについて

ウナギについて「ウナギ」といえば「蒲焼き」である。天然ものも養殖ものも、ほとんど総てが蒲焼きもしくは白焼きになる。白焼きは割いて焼いただけか、一度蒸して軽く焼いたものだ。「蒲焼き」は独特のタレ(しょうゆ、みりん、ときに砂糖を合わせたもの)をかけて香ばしく焼き上げたもの。これほど用途の限られる魚もない。
 奈良時代には貴族(中納言)、大伴家持が「石麿にわれ物申す 夏痩に良しというものぞ 鰻とりめせ」と詠み、また江戸時代には歌舞伎にも「うなぎかき」漁が登場する。
 古くは天然ものだけしかなかったが、明治期から養殖が始まり、戦後には天然よりも養殖されたウナギの生産量が上回り、今では国内で消費されるウナギのほぼ総てが養殖ものとなっている。
 単に「うなぎ」というとニホンウナギのことだが、中国などではヨーロッパウナギが養殖されているし、より熱帯にいるビカーラウナギも使われる。天然ものではオーストラリアからオーストラリアウナギも輸入されている。
 国内にはオオウナギという全長2m前後になる大型のウナギもいるが、ほとんど利用されていない。

ウナギと言えばニホンウナギのことだ

ニホンウナギについて 古くからウナギというと日本全国でとれるニホンウナギのことだ。東京周辺(江戸周辺)、関東(利根川)、浜名湖、岡山県、島根県宍道湖などが古くからの産地。今では養殖ものばかりになり代表的な産地は鹿児島県、愛知県、宮崎県、静岡県など。
 ちなみに「江戸前」という言葉はうまいウナギが江戸前(江戸湾)の干潟で揚がったためである。
 基本的に焼いて食べる。古くは長い体を適宜な大きさに切り、串に刺して焼き上げた。この形が植物の蒲(ガマ)の穂をつけた形に似ているので「蒲焼き」となったという説と、タレをつけて焼くと「かんばしい」ので「かんばしい焼き」が「かば焼き」になったという説がある。
 これが江戸時代には開いて焼き上げる現在と同じ形になる。この開いて焼き上げることから飛躍的にウナギの消費量が増えたものと考えられる。

千葉県小見川での天然ウナギ漁

ウナギ漁 利根川の感潮域である利根川河口堰周辺で行われているのが、「うなぎかま漁(鰻鎌漁)」である。「うなぎかま(鰻鎌)」という長い竿の先に鈎状の鎌をつけて泥の中にいるウナギをからめとる。漁の獲物は「銀うなぎ」という海に下る直前のもので大きいものは1m前後になる。
 千葉県小見川(現香取市)ではこれを「ぼっか」という。天然のウナギはこの秋から冬にかけて産卵に下る直前をよしとし、東京都内の老舗ウナギ店なども買いに来る。
 かま(鎌)に絡め取られて揚がってきた「銀うなぎ」。体色が金属的な色合いで、綸子という織物の織り模様ににているので、これを「りんず(りんずうなぎ)」という人もいる。
 1m前後、1kgを超えるものもいて、養殖ものの200g〜300gサイズの三倍以上の大きさである。
利根川のぼっかの蒲焼き
 天然ウナギで特に上物とされる「ぼっか」は身が分厚く、皮がやや硬い。そのために素焼きした後の蒸す時間が養殖ものよりも長い。蒸し上がったウナギの切り身は厚みが1cm以上でとても柔らかい。
 焼き上げるのは至難の業。名人、小見川町(現香取市)にあるウナギ店『うなせん』の菅谷敏夫さんをして未だに難しいのだという。
 鰻重のなかの蒲焼きの厚みは1cm近い。意外にも箸で皮を着ることが出来る。口に含むと上品な脂が甘く、脆弱なので口の中でとろけるような舌触りだ。
 ウナギだけでお腹いっぱいになりそうになるが、ご飯と一緒に口にほうばるとまた別種のおいしさが楽しめる。天然ウナギの旬は夏ではなく秋から初冬。夏の若いウナギよりも大きな「下りウナギ」であることがわかる。
[うなせん 千葉県香取市小見川町]

第三のウナギがビカールウナギ

ビカールウナギについて 2012〜2013年にかけてニホンウナギの稚魚不足を受けて第三の養殖ウナギとして登場した。フィリピンや東南アジア、インド、スリランカ、オーストラリアなどにかけて生息する。
 和名の「ビカーラ」は「バイカラー(bi-color)」とはツートンカラーのことで背の部分が黒く、腹の部分が白いのが印象的であるため。
 ニホンウナギと比べると淡泊で身質が粗い。

中国産が多いヨーロッパウナギ

 国産のニホンウナギの生産量が頭打ちになったために台湾や中国などからの輸入ものが増えた。両国ともニホンウナギも養殖しているが、より稚魚の安いヨーロッパウナギを種に養殖していた時期がある。
 味はニホンウナギと比べると圧倒的に落ちるという職人と、変わらないという職人がいる。食べてみるとニホンウナギと比べるとやや脂が少なく、身質が粗い気がする。

「ウナギ」と呼ばれるもの一覧