アブラボウズ
魚貝の物知り度 | ★★★★ 知っていたら達人級 |
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食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水魚。水深680m前後の岩礁域。
北海道〜熊野灘の太平洋沿岸、津軽海峡、[富山湾魚津 2008-2018 年に富山湾で新たに記録した魚類 木村知晴・西馬和沙・不破光大・稲村 修(魚津水族館)]、兵庫県香住・日本海には希。
オホーツク海東部、カムチャツカ半島東岸、アリューシャン列島、アラスカ湾〜モントレー湾、天皇海山。
生態
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基本情報
紀伊半島沖から北太平洋、アラスカ、カナダまでと広い生息域をもつ。古くから脂の多い魚として知られていたもの。現在の国内海域での水揚げ量は少ないが、北洋漁業が始まるとある程度まとまった量が市場に出回った。古くは同科のギンダラよりも知名度は高かった時代もある。
食用不可の魚だった時代があったが、まったくの濡れ衣、脂が強い魚ではあるが、脂自体が有毒ではなく、よほど食べ過ぎない限りは大丈夫なのだ。古くは非常に安い魚だったが、徐々に脂嗜好がすすむに従い値を上げてきている。
また肝臓は食用不可である。非常においしい魚だが、脂に弱い人はあまり食べすぎてはいけないということだ。
水産基本情報
市場での評価 入荷は少ない。近年、味のよさが知られて価格は上昇傾向にある。ときに非常に高い。
漁法 釣り
主な産地/千葉県、北海道、福島県、神奈川県
アメリカ
選び方・食べ方・その他
選び方
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味わい
旬/秋から春
鱗は薄く取りにくい。骨は軟らかく包丁が入りやすく、分解しやすい。
白身で柔らかくクセがない。脂が全体に混在して白濁する。とくに肝臓、頭部、腹部はしつこく感じるほど。
アブラボウズの脂は不飽和オレイン酸の一種グリセリド。良質の植物油に近い。グリセリドに弱い体質であるか、もしくは特に大量に食べない限り問題はない。
よくアブラソコムツやバラムツなどワックスを含む魚と混同されるが、アブラボウズは食べ過ぎない限り、食用として問題はない。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
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歴史・ことわざなど
田中茂穂のアブラボウズ 明らかに間違いであるが、今でもこのような誤解されている。〈脂肪に富んでいる為に、稍美味であるが、是を食すると、肛門から其の脂肪が不知不識の間に流れ出すこと、恰も蓖麻子油を飲んだ時のやうである〉『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年) 注/よほどたくさん食べないとこのようなことにはならない。