202404/29掲載

ブリを食べ尽くすためのフィッシュ&ティップス

大漁の魚は大漁に食べるのが自然に優しいのだ


2024年4月19日、二宮定置に、「ほぼブリサイズなので、ブリとしておきたい個体」を1尾いただいた。卑しい話が、だれかにいただける可能性が高いと思って行った小田原で、本当にいただいて、素直に嬉しいボクなのであった。アハハのハだ。ありがとうございました。
しかも名人、Kai君に血抜きまでやっていただく。これ以上ない、ブリである。
余談になるが、19日早朝、顔見知りの買受人と、「どこからブリにしていいのか?」という話をした。このところ6㎏サイズでもブリだという人がいるらしい。ボクとしては8㎏前後からブリだと思っているけど、脂があって上物で、それなりに大きければブリでいい、と考えている。

ブリサイズの定義は難しいし、当然ワラササイズのも


今回の個体は、測ると全長86cm・7.866kgだった。非常に体に丸味がある。ブリはできるだけ肥満体がいいけど、例えば関取の体(触ったことはないけど)のように固太りしていないとダメだ。今回のものなどまるで北の湖みたいである。
以上はすでになんどか公開している。
さて、半身は八王子綜合卸売センター、『市場寿司 たか』で出し、それでも残った分は、たかさんがラブしてやまない妻に煮つけてあげたらペロリだったらしい。
我が家では残りを切り身にし、塩コショウして1切れずつラップして保存しておいた。魚の保存法の基本は「調味してから冷凍する」、だ。
これをムニエルにしたり、フライパン照焼にしたり、日々活用した。
けだし小田原ブリはうまい、というのが心にすり込まれた。

同じ料理ばかりではなく目先を変えないとダメだ


中でももっともおいしかったのがフィッシュ&ティップスだ。この料理が頭に浮かんだのは直売所で大買いしてきた新じゃがを消費すべし、と思ったのもあるし、ご飯よりも低カロリーだろうというのもある。
さて、自然解凍して、半解凍になったら布かペーパータオルにくるんでおく。こうすると表面に浮き上がって来た水分が身に戻らない。要するに浸透圧利用ってやつだ。
解凍したら小麦粉をまぶし、衣をつけて揚げる。
衣はもっとも基本的なもので、小麦粉、重曹少々、サラダ油適当、水である。しっかり泡立て器で混ぜるのがコツ&コツ。
新じゃがは揚げる寸前に適当に切り、小麦粉をまぶしておく。
できるだけ大きめのフライパンに油を張って中温に熱する。
ブリに衣をつけて揚げはじめ、ブリの隙間に衣をつけたジャガイモをおとしていく。
揚げたてに少量の塩を振り、皿に盛り付けるだけ。
サラダなどを一緒に盛り合わせると、よりデブが解消できると思う。
今回はモルトビネガーをかけて食べたが、なんとびっくり赤酢でもいいことが判明した。というか赤酢の方が合う。
それにしてもこの、ガリっとするくらい香ばしく上げたフィッシュ(ブリ)がやたらにうまい。
ガリっとして、中からブリの液化したウマスギがジワリと上がってきて口中を満たす。
悶え苦しむほどのウマスギ熱をティップス(新じゃが)が冷ましてくれるのだけど、こっちだって主役級のうまさなのだから大河ドラマ的な味だといえそうである。
これなら絶対に太らないのもありがたい。

このコラムに関係する種

ブリのサムネイル写真
ブリJapanese amberjack海水魚。北海道〜九州南岸、[鹿児島県種子島]、希に沖縄県、オホーツク海、太平洋、瀬戸内海、日本海、東シナ海。朝鮮半島・・・・
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