202307/20掲載

梅雨明け直前、ちゃんと活け締めしたイラは最高!

どことなく太って見える


八王子綜合卸売協同組合、マル幸、クマゴロウが銭州もしくは利島あたりで釣り上げたものだ。1.4kgは本種としては大物である。本種を釣り上げたことがないのでよくわからないけど、平べったい魚なので釣り味もいいのでは。
さて、7月中旬の個体は左右が膨らみ加減ではあったが、生殖巣は膨らんでいなかった。ベラ科の産卵期は初夏だと思うので産卵後、エサを荒食いしている時季ではないか? 消化管の中は貝殻などで満杯の状態だった。
下ろしてみる。三枚に下ろすと切った側が膨らんでくる。
ベラ科の魚の脂がのっているか否かはわかりにくいものの、味見の切身を舌の上で転がすと明らかに脂の存在を感じる。
イラは産卵後の回復が早いということなのだろう。
魚屋が釣り上げて締めた魚なので、鮮度抜群である。イラは鮮度が悪いと変に水っぽく感じるが、新しいと身が締まっている。

湯がけは長崎の料理名、地元の料理名に当てはめて欲しい


これで刺身と湯がけを作る。
湯がけは三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取り、皮付きの刺身にする。これに湯をかけたものだ。
長崎県の料理名だが、地域地域に同様の料理があり、地域地域で料理名があると思うので、地元の料理名を当てはめて考えて欲しい。
酢みそで食べると夏向きの味わいである。皮はやや硬めで、このほどよい弾力があり、うま味が染み出してくる。

単に刺身が端的にうまかった


念のために作ってみた刺身が食べてビックリだった。端的にうまいのである。
1人前、3切れを食べて、足りなくなって切りつけたくらいの味である。
この鋭角的ではなく鈍い味わいを表現するのは難しい。最初はもの足りなく感じる味で、後から甘味・うま味が口中に広がるのだ。
夏のイラ、侮るなかれである。
またまた旬のわからなくなった魚が増えた。

このコラムに関係する種

イラのサムネイル写真
イラWrasse, Tuskfish海水魚。浅い岩礁域。新潟県・千葉県館山〜九州南岸の日本海・東シナ海、太平洋沿岸、瀬戸内海、奄美大島。朝鮮半島南岸、鬱・・・・
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