202306/30掲載

北海道産マイワシはいつも上物

太っているイワシは美しい


消費地である東京の魚屋には日本各地から様々な状態のイワシ(マイワシ)が季節季節に届く。年間を通して入荷は絶えることがない。
北海道産マイワシは古くから関東に入荷をみていたが、ここ4、5年、明らかに増えている。これが大阪湾産に負けず劣らずの上物なのだ。なぜ北海道産がここまでの質をたもって関東まで来ているのは、明らかにサンマでの鮮度保持の技術が生かされているためだ。それ故に、近年北海道産マイワシは並ではなく常に上イワシである。
八王子総合卸売協同組合、マル幸に来ていたのは根室産だ。釧路産とともに北海道産イワシの主流である。
最初の荷は散々選られた後だったので、新箱を開けてもらって、味見に2尾持ち帰る。体長20cm・105g前後で生殖巣は小さい。尾に近い部分まで張りを感じる太り気味の個体だ。

見た目は曇より


忙しい最中なので水洗いだけして保存する。夕方に下ろすと皮下にべったり脂がある。
少しだけ刺身にして味見する。脂だけではなく強いうま味が感じられる。
残りは、最近、やたらに惹かれている「たたきなます」にする。
水洗いして手開きにする。腹骨と気がついた小骨を抜き、皮をむく。
小口に薄く切りつけて、みょうがと大葉で和え、しょうがをふる。
脂ののったイワシの「たたきなます」は、香辛野菜が脂でにじんで見た目にはあまりきれいではないが、うまい「たたきなます」は見た目とは裏腹である。
醤油をかけて軽く和えて、すだちを振って食べる。
夏らしい香辛野菜の香りにトロっと口の中で、とろけてしまうイワシの存在感がたまらない。
仕事を諦めて、菊正宗樽酒を正一合。

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マイワシのサムネイル写真
マイワシ英名/Sardine,Spotline sardine海水魚。沿岸。北海道〜九州南岸の大平洋、日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海。沿海州、サハリン、千島列島、朝鮮半島東岸・南・・・・
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