202302/16掲載

素焼き穴子の鍋

夜鍋は癒やし


底冷えのする部屋で終日机に向かっていると、ついつい夜は鍋という気持ちになってくる。鍋は体が温まり、野菜が摂れて、酒も飲める。ひとりっきりでも間尺に合うというところもいい。
午前2時、3時から机に向かうので、午後8時は深夜のごとし、だ。ボクの一日はまるで漁師さんや市場人のようではないか、なんて思ったりもする。
毎日作る水産生物の料理も最近ほとんど昼間に作ってしまうので、夜には食べ物がほとんどない場合が多々ある。
午後8時は先にも述べたように気持ち的に深夜なので生っぽいものは扱いたくない。冷凍庫をあさりにあさって見つけたのが素焼き穴子(マアナゴ)と岐阜県・愛知県などで作られている餅麩。これに野菜で鍋にする。今回は割り下鍋だ。
素焼き穴子は八王子総合卸売センター、マル幸で開いたマアナゴを買い、皮目のぬめりをしごき取り、焼いただけというもの。近年、季節ごとの脂ののり、焼いた時の縮み具合をチェックしているので、素焼き穴子は常備しているといった感じだ。ちなみに今回のマアナゴは生の状態で長さ44cm、焼くと30cmになった。脂がのる時季になると、あまり縮まなくなる。加熱すると冷凍保存しても劣化しない。
餅麩、角麩は愛知県、岐阜県などのスーパーで普通に売っている。消費期限が長くとても便利なので買い置きしておいても損はない。
割り下を作る。メジカ節だしに少しだけ水を足し、酒・みりん・砂糖・醤油を入れて煮立たせる。味見して加減しただけ。今回はだしを使ったが水でもいい。
素焼き穴子は適当に切る。野菜、餅麩も適当に切る。
撮影用なので鍋に並べて割り下を張り煮たが、本当は割り下を煮立たせた中に好きなものを放り込んで食べた方がいいと思う。
日本酒がなくなったので、合わせたのは麦焼酎のお湯割りに東京産じゃばら。

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マアナゴのサムネイル写真
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