ホタルジャコ

ホタルジャコの生物写真

体長14センチ前後になる。

魚貝の物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科ホタルジャコ属
外国名
英名/Lanternbelly
学名
Acropoma japonicum Günther,1859
漢字・由来
漢字 蛍雑咽。
由来・語源 高知県での呼び名。発光バクテリアを強制させているので光るために「蛍」であり、小魚で身が柔らかく雑魚(ざこ)のたぐいであるため。
地方名・市場名
愛媛県宇和島周辺ではハランボ。
アカクチ、イシブチ、キガネ、ゴソ、チイキジャコ、ムツ。

概要 ▽

生息域

海水魚。大陸棚。
対馬〜九州西岸、千葉県外房〜九州南岸の太平洋、瀬戸内海。朝鮮半島東岸南部、済州島、紅海、東シナ海、インド〜西太平洋。

生態

やや深い海で動物プランクトンやカタクチイワシなどイワシ類の稚魚を補食している。
見た目は平凡であるが、実は? と言える隠れた能力がある。それはホタルのように光を発するのである。腹側の胸部から肛門の後ろにかけて発光バクテリアを共生させている。この光を腹から尾に近いところまでのびる透明な部分をレンズとして「ほたる」のように光る。体長は14〜6センチまでになる薄紅の美しい魚である。

基本情報

すり身原料なので一般には知られていない。
専門の漁があるのは愛媛県西部のみかも知れない。

水産基本情報

市場での評価 鮮魚としてはまったく流通しない。
漁法 ぶり網
産地 愛媛県

選び方・食べ方・その他 ▽

選び方

赤味を帯びているもの。身がしっかりしているもの。

味わい

旬は春から初夏
鱗は薄く大きく取りやすい。皮は薄く弱い。骨はやや硬い。
透明感のある白身で鮮度落ちが早い。熱を通すと適度に締まる。

栄養

寄生虫

食べ方・料理法・作り方

料理法
生食(刺身)、焼く(干もの)、煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)
ホタルジャコの刺身刺身
鮮度がよいものは刺身にしてとても美味しい。残念なのは産地などでしか鮮度がいいものが手に入らないこと。皮は薄いので引かなくてもいい。
ホタルジャコの一夜干し一夜干し
単に塩焼きにしてもうまいが、軽く干して焼くとより美味に。かぶりつくと思った以上にたっぷりと身がついているので驚く。
ホタルジャコの唐揚げ唐揚げ
開いてじゅっくり時間をかけて唐揚げにしたもの。さくさくとして香ばしく、身に甘みがある。
ホタルジャコの煮つけ煮つけ
子持ちを煮つけにしたもの。身に甘みがあり、煮ると適度にしまる。とてもうまい!

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

主に練り製品の原料となる。非常に上質なものだが、小形なので利用する地域が限られる。
ホタルジャコのじゃこ天じゃこ天
愛媛県西部で作られているが、特に宇和島市のものは「はらんぼ(ホタルジャコ)」で作るものをよしとしている。[薬師神かまぼこ 愛媛県宇和島市丸之内]

釣り情報

歴史・ことわざなど

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■ホタルジャコといえば即、愛媛の名産品じゃこ天を連想するほど、水産の世界ではなかなか知名度は高い。だがホタルジャコ自体を直接食用として使うことはまずなさそうである。また鮮魚として本種を手に入れるのも産地ではいざ知らず、まずもって不可能であろう。じゃこ天の味や、その詳しい解説などは後述するとして、まずは鮮魚としてのホタルジャコである。
註/今回のホタルジャコは全体に小型のものが多かった。
 まずは生で食べてみる。身が柔らかいと思い、今回は寿司職人(『市場寿司 たか』)にさばいてもらう。まず刺身の味であるが、実はまったく期待せずに食べたためだろうか? 意外なほど美味に思えたのである。客観性を失うと危険なので協力していただいた、寿司職人の隆さんにも批評してもらうが、これも上々とのこと。柔らかく食感はよしとは思えないが旨味があって、甘味がほんのりと舌に浮かんでくる。これが心地よいのだ。これを握りにしたものもうまい。想像ではあるが大型、10センチを超えるものは片身1かん(片身で寿司1個に握る)にでき、寿司種としていいかも知れない。
 小魚の定番の唐揚げはもちろんいい味。また塩をしないで軽く干して焼いたものを作る。これを焼いて、しょうがしょうゆで食べてみる。これも香ばしくいいのであるが、素直に干物を作ったら「こちらの方が絶対にうまい」とは我が家の子供、そして大人も一致した評価であった。

参考文献 ▽

協力/薬師神かまぼこ(宇和島市丸の内1の5の11 電話 0895-22-0909)、『椿泊漁業協同組合』(徳島県阿南市)
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)


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