バフンウニ

代表的な呼び名ウニ

バフンウニの形態写真一覧 (スワイプで別写真表示)
直径4センチ前後、高さ2センチほど。全体に濃い緑色で棘は身近い。[三重県鳥羽市安楽島]
直径4センチ前後、高さ2センチほど。全体に濃い緑色で棘は身近い。[三重県鳥羽市安楽島]
直径4センチ前後、高さ2センチほど。全体に濃い緑色で棘は身近い。[三重県鳥羽市安楽島]

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珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
物知り度 ★★★★
知っていたら達人級
食べ物としての重要度 ★★
地域的、嗜好品的なもの
味の評価度 ★★★★★
究極の美味
分類
棘皮動物門ウニ形亜門ウニ綱真ウニ亜綱ホンウニ区ホンウニ目オオバフンウニ科バフンウニ属
外国名
Green sea urchin,Short-spined sea uruchin
学名
Hemicentrotus pulcherrimus   (A. Agassiz, 1863)  
漢字・学名由来

漢字 馬糞海胆、馬糞雲丹、馬糞海栗 Bafununi
由来・語源 その姿・形から。
〈霊螺子(うに のね) 棘甲螺 海胆 石ごう 海栗〔和俗〕〉『和漢三才図会』(寺島良安 東洋文庫 平凡社 正徳2年 1712)
■ ウニは漢字で「海胆」、「雲丹」、「海栗」。
■ 「海胆」の「胆」は肝のこと。古くは食べられる場所を肝だと考えた。
■ 「うに」は「うみに(雲丹)」の転化したもの。「雲丹」はウニの食べられる部分をさす言葉。「雲」は集まるという意味。「丹」は赤いという意味合い。
■ 「海栗」は棘だらけの外見からきたもの。英名の「Sea urchin」は海のハリネズミという意味。
■ 「うに」は「うみ(海)」のこと。「うみがぜち」の下部略で「がぜち」は毬(いが)、棘(とげ)のこと。

地方名・市場名
ガンゼ
参考出間リカさん 場所三重県 
ガゼ
参考出間リカさん、福畑敏光さん 場所三重県鳥羽市安楽島、長崎県平戸市度島 
ガジェ
参考福畑敏光さん 場所長崎県平戸市度島 
ボウズガゼ
場所熊本県天草市有明町 

概要

生息域

海水生。潮間帯から水深50m。
北海道南端以南、本州、九州。

生態

基本情報

日本海・相模湾以南に多い小型のウニ。非常に味がよく、人気があるものの漁獲量が少なく、流通は産地周辺だけ。
非常に味がいいので産地では非常に珍重されて、高額で取引されている。
珍魚度 比較的暖かい地域の海辺に普通だが、採取ができない地域が多い。

水産基本情報

市場での評価 一般的に流通することは非常に希。産地周辺で取引される。高値。
漁法 潜水漁、見突き漁
産地 三重県ほか

選び方・食べ方・その他

選び方

原則的に生きているもの。卵巣がふくらんで大きいもの。
剥いたものは身に張りがあって厚みのあるもの。

味わい

旬は夏。
非常に濃厚な旨みと甘みがある。
地域によっては渋味・苦味が強いものがある。三重県などのものは渋味がなく、食用とするが、食用にしない地域もある。
生殖巣の色 基本的にオレンジ色に近い色合いで、色の濃いものと薄いものがある。黄色い生殖巣を持つ個体もいる。〔三重県鳥羽市安楽島 漁の最盛期を過ぎたもの〕

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

バフンウニの料理・レシピ・食べ方/生食
バフンウニの生食(生ウニ) 晩春jから膨らみ始めて生殖巣は地域によっても違うが、初夏には大きく膨らむ。
6月初旬の三重県尾鷲市のもの。生殖巣の粒は非常に小さく見えないに等しい。生殖巣は滑らかで甘味がある。その上、後味がいいのも活けの特徴である。明礬を使っていない生は産地ならでは。後味がすこぶるつきにいい。

バフンウニの生食(生ウニ) 7月中旬の三重県鳥羽市安楽島のもの。生殖巣の粒が明らかに大きいものの、味はいい。黒く卵となったものは洗い流す。バフンウニの味は何度食べても感動的である。濃厚かつ、甘味が強い。活けなので後味がいいのも魅力的だ。

好んで食べる地域・名物料理


ガゼの塩ゆで 生で食べるのが基本だと思っていたのでびっくり。ただ輸送などを考えると古くはゆでて運んでいたのかも知れない。生食の時は黒い部分などは洗い流すが、塩ゆでは生殖巣ともども食べるのだという。写真は出間リカさんのもので当方に著作権はありません。[出間リカさん 三重県鳥羽市安楽島]

加工品・名産品

塩ウニ(粒うに)/塩漬け。長崎県、山口県、島根県などで作られている。卵巣の形を残しているのが特徴。
塩雲丹/越前(福井県)で作られる塩ウニ。卵巣の形がないくらいに練ってある。別名、錬りウニ。肥前野母(長崎県長崎市野母)の唐墨、越前の雲丹、三河(知多とも)の「このわた」とともに日本三大珍味とされる。

釣り情報

歴史・ことわざなど